放課後の王子さま
あれは授業と授業の間の休み時間のこと
ピンコーン・・・
スマホが鳴った
ん?メール?
誰からだ、こんな時間に
あれ?
部長からだ
『さやちゃんから目を離すな』
どうしたんだろう?
『部長、どういうことですか?』
聞く権利はあるだろう
ピンコーン・・・
いつもより返信がだいぶ早い
『放課後、中庭で告白されるらしいが、俺は池田先生に呼び出されていて行けない
だからシクヨロ☆』
結局どういうことだ!?
内心で突っ込みを入れていると
ピンコーン
またメールが来た
『追伸
くれぐれもさやちゃんにバレないようにな
健闘を祈る』
高宮先輩、要領得てないよ
意味わからないよ
ピンコーン
また来た
嫌々メールを開くと
『追伸の追伸
質問、苦情などは一切受け付けないどころか何かあっても責任は絶対に取らないからな』
言外に今日は居残れと言われてしまった。
自分でも気になるから自発的に残った部分もあるのは否定できない事実である
至る現在
俺は2階から中庭を見下ろしている。
永谷さんは中庭で一番大きな木の木陰に立っている。
他の生徒は誰もいない
帰ってしまったのだろう。
合宿に行って俺たちは焼けた
そりゃ真っ黒に焼けましたとも
しかし、永谷さんは全く焼けていない、とても色白だ。
そんなことを思って居ると、同じクラスの確か名前は竹中とか言う奴が歩いて来た。
ニヤニヤしてて気持ち悪いな・・・
竹中は永谷さんの正面に立つと壁ドンした。
くそ、羨ましいやつめ・・・
じゃなくて
かすかに見えた永谷さんの表情は怯えていた
ヤバい、早く助けないと
そう思った時既に中庭に立っていた
どうやら俺は2階の窓から飛び降り、無事に中庭に着地したようだった。
人に特に先生に見られていたら後で怒られるな・・・
そんなことを考えつつも無意識に足音を殺しながら近づく
竹中の真後ろに立ち、制服と腕を掴み、容赦無く植え込みに投げ飛ばす
柔道やってて良かったー
初めてそう思った。
いつまでもここに居たくない為、木にもたれかかり目を見開いて脱力している永谷さんをお姫様抱っこし、走って中庭から逃げた。
竹中は追ってこなかった。




