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合宿と暗号と女神

毎日が暑い、あと数日で夏休みに入る日のこと監督、池田先生、高宮先輩がバスケ員全員を集めた。

「えーと・・・なんだっけ高宮くん」

口火を切ったのは池田先生だったが内容を忘れたらしく高宮先輩にヘルプを求めた

「夏休み初日から1週間強化合宿を行うことになった」

言いながら全員にプリントを配る


が、

字が汚すぎて誰も読めない。

「たかみー、なにこれ甲骨文字?それとも象形文字?」

全員の心の声を代弁し部長に聞いてくれたのは伊江先輩

「たかみーじゃねぇし、書いて印刷したのは俺じゃない」

俺達の視線は顧問に突き刺さった。

「てへっ」

50過ぎたオヤジにウインク付で可愛く『てへっ』なんて言われた日には精神崩壊でも起こしそうな気分だ。

案の定何人か水飲み場に走って行った


「先輩、こんなこともあろうかと解読したものを作ってコピーしておきました」

精神崩壊の淵から部員を救ってくれたのはバスケ部の女神兼マネージャー

微笑みながらみんなに予定表を配っていく永谷さんはまさしく女神に見えた

「さやちゃん、まじナイス!!」

「天使だよこの子!!」

みんなが永谷さんを褒める度、顧問を包む雰囲気は暗く重くなっていく

そんなこと知らんと言わんばかりに

「おい、お前ら本題入るぞ」

永谷さんに絡む先輩達に声をかける主将。



本題と言っても合宿中の注意を言われただけだった。


楽しみだな合宿そう思いながら帰った。



「相良くん?」

後ろから声をかけられた

声でわかる永谷さんだ

俺の隣まで走ってきた彼女は笑って続けた

「家こっちなんだね、途中まで帰らない?」

断る理由なんてない

「いいよ」

和やかなムードで他愛のない話をしながら2人で歩いていると

「あ、ゆーだ!」

後ろから知っている声が呼び掛けた

俺の弟で小学2年生の瑠伽るきや

道着を抱え走ってくる弟

「隣の人かのじょー?」

爆弾を投下する小学2年生

「・・・はぁぁー!??」

「・・・えぇぇーー!??」

ハモる俺達の絶叫

お互いにお互いの絶叫にビックリして顔を見た。

永谷さんの顔が真っ赤だ。

「瑠伽!永谷さんに失礼だろ!!」

つくづく肯定できない自分が悲しい

「えー・・・ちがうの?

おねーちゃんはゆーのかのじょじゃないの?」

永谷さんは顔を真っ赤にしながら

「ち、違うよ」

狼狽えながら言った。


まったく、瑠伽のせいで永谷さんとの穏やかな時間がぶち壊された。

まぁ、弟のお陰で永谷さんのいつもと違う表情が見れたから良しとするか・・・


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