狙撃手は突然に
九条通明は習字の授業中、退屈に任せてスポイトですずりに入った墨汁をブクブクとさせ遊んでいた。
早く授業終われ、と思いながら、手に持ったスポイトを教室の時計に向ける。当たり前だがそんなことを念じた所で時間の流れる早さは変わらない。
九条通明はフゥと溜息をつく。
その瞬間、スポイトを持った手に力を入れてしまう。
ヤベッ、と思った時には手遅れだった。
スポイトの中の墨汁は勢いよく放たれ、中空をミサイルのように飛んでいく。
「キャッ」という短い悲鳴が聞こえる。
通明はそうっと目を開ける。
そこには鼻から黒い血、否、墨汁を垂らした鴨上貴恵が立っていた。
通明は、鴨上貴恵のことが好きだった。彼が絶望したのは言うまでもない。
九条通明のスポイトによる墨汁狙撃から二つの物語が、今始まる。
早く授業終われ、と思いながら、手に持ったスポイトを教室の時計に向ける。当たり前だがそんなことを念じた所で時間の流れる早さは変わらない。
九条通明はフゥと溜息をつく。
その瞬間、スポイトを持った手に力を入れてしまう。
ヤベッ、と思った時には手遅れだった。
スポイトの中の墨汁は勢いよく放たれ、中空をミサイルのように飛んでいく。
「キャッ」という短い悲鳴が聞こえる。
通明はそうっと目を開ける。
そこには鼻から黒い血、否、墨汁を垂らした鴨上貴恵が立っていた。
通明は、鴨上貴恵のことが好きだった。彼が絶望したのは言うまでもない。
九条通明のスポイトによる墨汁狙撃から二つの物語が、今始まる。
狙撃手の手にはスポイト
銃弾は墨汁
2012/02/26 16:57
送信した者はわからない
2012/02/26 18:00
鴨上貴恵について語る
2012/02/26 20:00
無言の背中
2012/02/27 21:00
どうせならお揃いで
2012/02/28 21:00
お揃いに、なりたかったんだ
2012/02/29 20:00
スポイトの正しい使い方(習字道具編)
2012/02/29 21:00
狙撃手の手にはカメラ
迷わず、シャッターを、切る。
2012/03/01 20:00
アイツは気付いてる。
2012/03/02 21:00
それは、鴨上貴恵が完璧だから。
2012/03/03 20:00
将也襲来
2012/03/04 22:00
依頼
2012/03/05 22:00
未来の写真家の足取りは軽やか。
2012/03/06 20:00