パートナー
(フハハハハハ!こいつぁ傑作だ!なぁ刀屋こいつは今更何を言ってるんだ)
―――――。
いきなり頭に声が響いた。
「なん・・・だ・・・・・・真赤今何か聞こえなかったか?」
「は?いや・・・・・・何を言っているんだお前は?何も聞こえなかったが」
真赤の表情は険しい。それもそうか。神獣を倒したかもしれない得体の知れない奴が目の前にいたら誰だってそうなる。
それよりさっきの声・・・・・・一体?
(あそこにはこのメスガキと吾とヌシしかいなかったじゃろう、もちろん吾は神獣を一人で倒すことはできん。色々制約がある身でのう、そうなると当然わかるじゃろ?)
「どこだ!?一体どこからしゃべっている」
「さっきから様子がおかしいぞ桐ヶ谷刀屋。一体どうしたのだ」
困惑の表情を浮かべる真赤。
(探しても見つからんよ、私はヌシの中にいるんじゃからな)
俺の・・・・・・中だと・・・・・・。
どういう意味だ。
(フフ、察しが良いのぅそうじゃヌシは別に声を出さずとも吾と話すことが出来るのじゃ)
そんなことはどうでもいい!なぜお前が俺の中に―――いや・・・・・・そもそもどうやって俺の中に入った・・・・・・。
いや・・・・・・俺の中にいるというのも本当かどうかわからない。
俺は混乱していた。
(別に今は信じずともよい、ただヌシは近いうちに自覚することになろう、ヌシ自信の異常にな)
異常?
自分の全身の感覚を探る。
これといって外傷はないし、何か変化が起こっているようにも感じれない。
(心配せずとも良い、まだ体には何も起こらないはずじゃ・・・・・・お前は一人で神獣を倒せる男じゃ元々の本質が吾の本質に抗っているのじゃろう、じゃがまぁそれも時間の問題じゃ・・・・・・)
何を言っているっお前は何を言っているんだっ。
俺が神獣を倒した・・・・・・一人で・・・・・・そんなはずはない。そんなはずはないんだ。
昨日、俺は真赤の悲鳴を聞いて・・・・・・それで・・・・・・真赤を助けに・・・・・・その後・・・・・・何・・・が・・・何があった・・・・・・な・・・に・・・・が・・・・・・。
頭痛がする。
吐き気がこみ上げる。全身に悪寒が走り、これ以上思いだすなと警告する。
ダメだ。
痛い。
頭に昨日の出来事が浮かんでくる。
人影は何かを握っていた。
『絶』・・・・・・。俺が生み出した。刀。その黒い刀身の表面には波紋が浮かんでは消えている。
人影・・・・・・いや俺・・・・・・なのか・・・・・・。
俺は俺自身を見つめていた。だが俺はそれが自分だとは到底信じられない。
俺・・・・・・俺のように見える何か。ソレはもう人間だとは思えない。
狂気を秘め、狂気に哂う。獣とも違う。コレは・・・・・・なんだ?
(お前だよ桐ヶ谷刀屋・・・・・・お前自信だ。これがお前の本質。お前の本当の姿。仮初に生きる今のお前とは違う。本当のお前だ)
違う。違うチガウ。
これが・・・・・・俺?
俺は『絶』を神獣に振り下ろした。何度も何度も。なんの抵抗もせず神獣は死んだ。最初の一撃で既に事切れていただろうに俺はそんなことはお構いなく何度も何度も刀を振り下ろした。
最後に出来上がったのはただの肉の塊。
そして俺は―――真赤を見て―――刀を・・・・・・。
「うわぁああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
「ヒャッわわ、悪かった。私もちょっと冷静じゃなかった。悪かった悪かったから!」
俺がいきなり叫び声を上げたのでビクッと肩を振るわせた真赤はオロオロとあやまり始めた。
「えっああすまん・・・・・・俺もちょっと疲れてるのかな」
何の話をしていたのかすっかり聞いていなかったのだが、さっきまで頭に浮かんでいた映像はいつの間にか消えていて、少し安心する。
と同時に俺は背筋が寒くなった。
俺が真赤を・・・・・・殺した・・・・・・?
そんなはずはない。そんなことは分かりきっている。真赤は目の前にいる。生きている。
真赤いきなり叫び始めた俺を拗ねたように睨みつけてうじうじしている。
まつげが長いな・・・・・・。
それにしても改めて見ると真赤の容姿は飛び抜けている。
真紅のロングにきめ細かい肌。手足も長く完璧に均整が取れている。
顔も堀りが深く、目元がくっきりしていてかなりの美人だ。
そんなことを考えていると、さっきまでの自分の考えが急に馬鹿馬鹿しくなってきた。
俺は何をそんなびびってるんだ。
今まで幾度と無く死にそうな目に会ってきたじゃないか。今更何を怖がる必要がある。なんでもこいってんだ。
そう思うと心が落ち着いてきた。
もうさっきまでの声も聞こえなくなっていた。
「おいっ!おい刀屋!桐ヶ谷刀屋っ!」
気づくと真赤の顔面が目の前にあった。
「うわぁああああ」
思わず飛びのく。
「全くさっきからぼーっとしたり、いきなり叫び始めたり、またぼーっとしたり、どうしたのだおかしいぞお前は」
「いや、すまん・・・・・・」
全面的に俺が悪い。
「その様子だと全然私の話を聞いてなかったようだな・・・・・・」
「すまん・・・・・・」
全部俺が悪かった。
「まぁもうそのことはいい、今度はちゃんと聞いていろよ。とりあえず昨日のことはもういい考えるな」
「おいおい、考えるなって・・・・・・」
「あーもう私はごちゃごちゃと考えるのはあまり好きじゃないんだ。どっちにしろデータ不足で考えたところでわかりはせんっそんなことより今はこれからどうするかだ。そうだろう」
「どうすればいいんでしょう」
俺の間抜けな質問に対し、真赤は出来の悪い生徒に教える先生のような表情になった。
「私達の当初の目的はお前の傷を癒すことにあったが・・・・・・」
真赤は俺のわき腹を注視する。
服の上からではわからないだろうが傷は既に完全に塞がっていた。
「お前の傷はどうやら完治しているようだし、当初の目的は達成された」
俺達は実際のところ何もしていないような気がしたが、あえて言うまい。
自ら火の中に飛び込んでいく愚かな虫と俺は違うのだ。
「そこで、だ。私の目的が何か忘れたわけではあるまい?」
「確か俺が欲しいとかなんとか言ってたな」
主に戦闘方面で全く役に立たないと思われる俺を欲しいとか物好きもいるものだ。
「この際お前に戦闘能力が有るのか無いのかは今は問題ではない。私が欲しいのは・・・・・・」
ゴクリ。
「私が背中を安心して預けられるパートナーだ!!」
「いや、おいっちょっと待て!さっき戦闘能力が有るのか無いのかは問題じゃないとか言ってなかったか!?パートナーとか絶対に戦闘能力が必要だろっ!?」
「安心しろ・・・・・・私がお前を守ってやるから」
真赤はその場で一回転し決まったという顔をした。
「ふざけんなっどや顔すんなよっ大体パートナーって何するんだよっ!?」
「安心しろ・・・・・・今強くないのなら、これから強くなればいいんだ」
真赤は見るもの全てが魅了されるような飛び切りの笑顔で言ったが、生憎と俺は騙されない。
「俺は絶対に嫌だぞっ!パートナーが何をするか知らんが絶対にロクなことじゃねぇ。それに俺は戦闘能力なんてこれっぽっちだってないんだ。どんだけ訓練を積もうがこれ以上強くなれるわけないんだよ」
「だが昨日お前は神獣を一人で倒しただろうっ!」
真赤が叫ぶ。
ドクン。と心臓が跳ねる。やはり昨日・・・・・・俺は・・・・・・。
「お前なぁ・・・・・・昨日のことはもう考えるなって言ったじゃねーかよ・・・・・・」
呆れた様子の俺にもお構いなしに真赤引き下がろうとはしない。
「頼む・・・・・・もう、お前しかいない・・・・・・」
真赤は俺に向かって頭を下げた。
何も言い返せない。パートナーとか正直俺は理解しちゃいないし。なぜこいつがこんなに必死になってパートナーを探しているのか理由も知らない。
でも、俺に向かってこんなに真っ直ぐにぶつかって来た奴はこいつが始めてだ。
無意識に。
そう無意識に俺は。
「しょうがねーな」
そう答えていた。
シュタゲ終わったよ・・・・・・神ゲーやろこれ・・・・・・
装甲悪鬼村正も良かったけど流石二トロ+やで・・・・・・
バルドスカイもそろそろクリアしないと・・・・・・
カオスヘッドやりたいです・・・・・・
ダーカーの三期まだですか・・・・・・
俺妹の新刊そう言えばでましたね 早く読みたい・・・・・・
時間が・・・・・・時間がねぇえええええええええええええ