お前が・・・・・
「うぅ~ん」
わき腹の鈍い痛みに意識が覚醒する。二日酔いをしたようにがんがんと頭に痛みが走り否が応にも意識を覚醒させる。
ゆっくりと瞼を開ければ見知らぬ天井があった。高い天井だ。そもそも天井がある所に寝ていたなんていつ以来だろうか。
「つぅ・・・・・・ここはどこだ・・・・・・」
ゆっくりと起き上がれば身体のいたるところが壊れかけの玩具のようになっていることが分かる。
この感覚には覚えがある。過去にも一度。神獣と対峙した時。
自分が被っていた布団から抜け出す。上質な羽毛布団だ。ふかふかしていて心地良かった、スラム街で汚い地面に体を横たえて寝ていた時とは天地の差だ。
部屋をゆっくりと見回す。
西洋風の家具が所々に置かれている。窓際に置かれている大きい壷はかなり高そうだ。
そこで俺はさっきからじっと自分を見つめている存在に気づいた。
トラスターになると第六感的なものが鋭くなったような気がする。
「おはよう、桐ヶ谷刀屋」
「おはよう、紅 真赤」
俺と視線の相手、真赤は至近距離で見つめあう形になった。
それもそのはず、真赤は俺の隣で寝ていたからだ。
昨日俺と始めて会った時の服とは違うがこれまた赤いパジャマを着ている。
どんだけ赤色が好きなんだこいつ。
「なぁ桐ヶ谷刀屋」
「なんだ」
「君は私に色々と言うべきことがあるはずだと思うのだが、どうだろうか」
「そうだな、実は俺もずっと気になっていたことがある」
「言ってみろ」
「口から涎が垂れているぞ」
「なっ」
憮然としていた真赤の顔がぼっと朱色に染まる。
「付け加えると髪がぼさぼさだな」
「なっなっななななな」
「どや」
「バカァぁああああああああああああ」
「ぐぼぁ」
真赤の高速の正拳突きに全く反応できず顔面でモロに受けた俺は吹き飛ばされ壁に叩きつけられた。
完治していないわき腹激痛が走る。
「何か言い残すことはあるか」
「暴力はん――――――」
「死ね」
来世が見えた。
†
「全く少しは懲りたのか」
「はい、すいませんでした」
「どうやらレディーに対する言葉遣いがお前はなっていないようだな、これからはびしびし指導してやろう有難く思え」
「レディー?」
「あぁ?」
「すいませんでした」
朝食を終えた俺達。ちなみに朝食はトースターにバターを塗ったものだったが、久しぶりにまともな物を食べた俺は5枚は余裕で平らげた。スラムじゃパンなんて上等なモノはなかなか食べることができなかったからな。
真赤は昨日と同じ真紅の服を着ている。
聞くところによるとそれは真赤が通っている学校の制服を真赤が自分好みにアレンジしたものらしい。
俺には同じく真赤アレンジ男バージョンが渡された。
「ちょっとこれ赤というより黒に近くないか」
俺の疑問に「お前はなんか辛気臭い顔をしているからそれがお似合いだ」と答えられた。
ボロボロの布切れになっていた服から着替える。
着心地は悪くない。サイズもぴったりだった。
「着たな?着ただろう着たよな?」
真赤はずずいっと身を乗り出して俺に迫る。
一体何なんだろうか。
「私達は話し合う必要があると思うんだが、そうだろう?」
真赤が言いたいことはわかる。
昨日の出来事。
「真赤がここまで運んできてくれたのか?」
そこで真赤は不審そうな顔をして俺を睨みつける。
「いや・・・・・・私もお前が運んできてくれたものだと思っていたんだが・・・・・・どういうことだ」
「それは・・・・・・俺にもわからん。というか真赤さんその右手はどうした」
さきほどまで気が付かなかったが、今なって見れば真赤の右腕は神獣によって切断されていたはずだ。
「これか・・・・・・わからん。起きたらいつの間にかくっついていた」
「おいおいくっついていたって・・・・・・なんだそりゃ」
「あーもう私にだって分からないことだらけなんだ!全部お前のせいだろう桐ヶ谷刀屋!」
ビシッ!と俺に指を突きつける真赤。
あまりに不可解な出来事が一気に起きすぎたせいで、混乱している。
「昨日のことだってそうだ、なんだってお前は戻ってきたんだっ」
「お前の悲鳴が聞こえたからだよ!」
「むっ・・・・・・お前が来たところで何が出来たというのだっ」
「そりゃだから・・・・・・お前を助けることぐらいだな・・・・・・」
不意に真赤の顔が凍りついた。
なんだ?一体どうしたんだ。
「まさか・・・・・・お前が・・・・・・神獣を殺ったのか」
短い上になかなか更新速度があがってないという
これもそれもシュタインズゲートが面白すぎるのが悪い
なんだあの神作品はやばすぎる
みなさんも是非やりましょう
というか二トロプラスが神すぎてやばい