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寒い夜
「……寒いね」
「そうだね」
息が白くなって、すぐ消えた。
「お腹すいた」
「……わかる」
少し歩くと、明るい光が見えた。
「あ、コンビニ」
本野が指をさす。
「入ろ」
「……お金ないよ」
「じゃあ、作り出す?」
「それ犯罪。絶対やめて」
即答すると、本野はむっとした。
「えー。なんか食べたい」
私はポケットの中を探って、指先に残った硬貨を握った。
「……仕方ないな。
私の、ごくわずかなお金で、なんか買ってあげる」
「ほんと?」
一気に顔が明るくなる。
「ありがとう。じゃあ、肉まん」
コンビニに入って、カウンターに立つ。
「すみません、肉まんひとつください」
「はい」
受け取った肉まんは、湯気が立っていた。
外に出て、半分に割る。
「はい」
「え?」
「友達と、半分こ」
本野は一瞬きょとんとして、それから笑った。
「……青春っぽい」
私は小さくうなずいた。
寒い夜だったけど、
手の中の肉まんは、ちゃんとあったかかった。
「2人で食べると美味しいな」
「、、、うん」




