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探検トロッコ
岩のゲート。
暗い洞窟。
「……なんか、雰囲気、不気味だね」
私が小さく言う。
「ここはね、呪われてるの。うふふ」
愛がわざと低い声を出す。
「やめてあげて。夢乃、怖がってる」
本野が笑いながら言う。
「わ、わかってるし」
「わかったわかった」
ガタン。
トロッコに乗り込む。
バーが下がる。
アナウンスが流れる。
「探検トロッコ、出発〜!」
ゴー、ゴー。
ゆっくり暗闇へ入っていく。
「なんか……怖い」
壁に描かれた古い文字。
光る目のオブジェ。
急に風が吹く。
「大丈夫」
本野がそっと言う。
カーブ。
ガタガタガタ。
急降下。
「きゃあああ!」
突然、大きな怪物の模型が飛び出す。
「ぶふぉー!」
煙と音。
「うわああ!」
トロッコが急加速。
最後に急ブレーキ。
ガタン。
明るい出口。
「……怖かった」
「びびりすぎ」
「心臓止まるかと思った」
三人で顔を見合わせて、
そして一斉に笑った。
「でも、楽しかったよね?」
「うん」
外の光がまぶしい。
さっきより、少しだけ日が傾いている。




