前へ目次 次へ 22/24 バタバタな朝 「あ、てか――遅刻しちゃうよ!」 時計を見て、声が裏返った。 「早く、早く!」 「え、もうそんな時間?」 本野が慌てて立ち上がる。 「今日は朝ごはん、外で買っていこう」 「うん」 靴を履いて、ドアを開ける。 バタ、バタ。 廊下を走る音が、朝の家に響いた。 昨日の夜の怖さが、 少しずつ遠くなる。 眠かったし、バタバタだし、余裕はない。 でも―― 「行こう、夢乃」 「……うん」 いつもの朝。 でも、昨日より、少しだけ前に進んでいる気がした。