試合
「どっちが先にサーブするか、じゃんけんで決めよ」
誰かが言った。
本野が、私の方を見る。
「私、じゃんけん弱いからさ。夢乃やって」
「……え」
「大丈夫」
逃げ道をふさがれた気がして、でも――
うなずいた。
「最初はグー、じゃんけん……ぽん」
一瞬、間があって。
「……やった」
「勝ったじゃん」
本野が、嬉しそうに言う。
「サーブして。夢乃」
ラケットを握る手が、少し震えた。
「……いくよ」
ぽと。
シャトルは、すぐ足元に落ちた。
どこかで、くすっと笑い声がした。
胸が、きゅっと縮む。
「……ほら」
本野が、静かに言う。
「もう一回」
私は、深く息を吸った。
「……えい」
ぽん。
シャトルはネットを越えて――
相手コートに、落ちた。
「あ」
「……入った」
一瞬の沈黙のあと。
「すごいじゃん」
誰かの声がした。
私は、ラケットを握ったまま立ち尽くしていた。
でも胸の奥で、小さく何かが弾んでいた。
「どっちが先にサーブするか、じゃんけんで決めよ」
誰かが言った。
本野が、私の方を見る。
「私、じゃんけん弱いからさ。夢乃やって」
「……え」
「大丈夫」
逃げ道をふさがれた気がして、でも――
うなずいた。
「最初はグー、じゃんけん……ぽん」
一瞬、間があって。
「……やった」
「勝ったじゃん」
本野が、嬉しそうに言う。
「サーブして。夢乃」
ラケットを握る手が、少し震えた。
「……いくよ」
ぽと。
シャトルは、すぐ足元に落ちた。
どこかで、くすっと笑い声がした。
胸が、きゅっと縮む。
「……ほら」
本野が、静かに言う。
「もう一回」
私は、深く息を吸った。
「……えい」
ぽん。
シャトルはネットを越えて――
相手コートに、落ちた。
「あ」
「……入った」
一瞬の沈黙のあと。
「すごいじゃん」
誰かの声がした。
私は、ラケットを握ったまま立ち尽くしていた。
でも胸の奥で、小さく何かが弾んでいた。




