私、やっぱり、嫌われてる!!
「本野、私ともやろ」
後ろから声がした。
「いいよ」
本野が答える。
そのあと、少し間があって。
「あ……いいけどさ。夢乃とも一緒でいい?」
一瞬、空気が止まった。
「あ、夢乃さんも一緒?」
相手は、困ったように笑う。
「……あ、呼ばれてるから。じゃあ」
そう言って、離れていった。
私は、何も言えなかった。
「……今の、ひどくない?」
本野が、小さな声で言う。
「……うん」
胸の奥が、ぎゅっとした。
「私、みんなに嫌われてるから。インキャってやつ」
口に出すと、余計に現実になる気がした。
「ひどい!」
本野は、思ったより大きな声を出した。
「夢乃、すごくいい子なのに!」
ぎゅっと拳を握る。
「そうだよ。
夢乃、他の人とも話そ。夢乃がいい子だって、知ってもらおう」
そのとき。
「あ、ねえ」
本野が、近くのグループに声をかけた。
「私らも入れてよ」
「……うーん」
少し考えてから、返事が来る。
「今、人数多いから。ごめんね」
「……入れてよ」
重ねた声に、相手が戸惑う。
「え……」
その瞬間。
「入れてあげなさい」
先生の声が、体育館に響いた。
「たくさんの人とやった方が、楽しいでしょ」
「……はい」
「先生、ありがとう!」
本野が、元気よく言う。
「じゃあ、試合やろう」
私は、ラケットを握り直した。
「……う、うん」
まだ怖い。
でも、さっきより――少しだけ、前を向けた。




