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体育
「一時間目、体育です」
その言葉を聞いた瞬間、本野の目が輝いた。
「え、やった。体動かすの好き」
「……何やるの?」
「バドミントン」
「まじで? 激アツじゃん」
体育館は、少し冷たくて、音がよく響いた。
「はい、ペア組んでー」
先生の声が飛ぶ。
本野が、当然みたいに言った。
「やろ、夢乃」
「……う、うん」
ラケットを握る。
「こういうのってさ、友達っぽいよね」
「……うん」
シャトルを構える。
「行くよー」
ぽと。
「あっ……」
シャトルは、ネットにも届かず落ちた。
「惜しい。もう一回やろ」
本野はすぐに拾ってくれる。
「それ」
ぽと。
「……むずいよね。でもさ、がんばれ」
「……う、うん。できない」
思わず、弱音が出た。
本野は、少しだけ真剣な顔になる。
「夢乃に、できないことなんてないよ」
「……」
「諦めないで」
私は、もう一度ラケットを握り直した。
「……えい」
シュン。
シャトルが、ちゃんと向こうに飛んだ。
「ほら」
本野が笑う。
「言ったじゃん。いえーい」
胸の奥が、きゅっとあったかくなった。




