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大事な本がぁー
私は夢乃。
学校に行っても友達はいないし、家に帰っても邪魔者みたいに扱われる。そんな毎日だ。
でも、私には本という友達がいる。
本だけは、いつも私の心に寄り添ってくれた。
学校が休みの日、私はいつものように青春小説を読んでいた。
そのとき――ポン、と小さな音がした。
気づくと、手にしていた本が、人の姿になっていた。
「こんにちは、夢乃。私は本野。よろしくね」
「……よ、よろしく」
「私はね、あなたに呼ばれてきたの」
「呼んでませんけど」
「呼んだわよ。“こんな青春がしたい”って」
「青春はしたいとは思いましたけど、あなたは呼んでないです」
本野は楽しそうに笑った。
「そんなことより。あなた、青春したいでしょ?」
「……まあ」
「じゃあ決まり!さっそく青春しに行こう。いざ、カラオケ!」
「……お金は?」
「え、あなたお小遣いもらってないの?」
「もらってますけど、本代に使っちゃいました」
「あっちゃー。そっか。じゃあ、一緒にバイトしない?」
「いやです。めんどくさいです」
「えー、やろうよ」




