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異世界召喚されたので、『前借スキル』で速攻ラスボスを倒して楽をしようとしたら、理不尽にも“感情負債140億ルーメ”を背負うことになったんだが?  作者: 早野 茂
第6章 神界の感情泥棒と暴走する世界初期化(ゼロ・コード)

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第93話 最終防衛(ガーディアン)プロトコル

 ボビンとグレンの“倍返し雷撃”が直撃し、

 ラグナ残滓の仮面は大きく砕け落ちた。

 空間に黒煙が立ちこめ、

 基幹層全体が揺れる。

《——損傷率:42%

 演算核外殻、破損……修復不能》

 ラグナ残滓の声に混じるノイズは、

 限界の証。

 グレンが息を吐きながら、勝利の笑みを浮かべる。

「よし! 顔面にヒビ入れば十分だろ!」

 ボビンは、盾を肩に乗せながら静かに言った。

「……まだだ。

 あいつ、立ってる。」

 

 ◇


 崩れた黒煙の奥で——

 ラグナ残滓の演算核が露わになる。

 青白い球体が脈動し、

 周囲の空間を歪ませていた。

《——対象Aカケル

 危険度:最大

 排除優先度:第一位へ更新》

「……やっぱり俺か。」

 カケルが一歩前に出る。

「演算核さえ上書きすりゃ、この暴走止まんだよな?」

 後方で、ルシアナが新たな図式を描く。

「ええ。

 いま外殻が破れたから、直接干渉できる……!」

「ただし……演算核は“世界初期化の中心”でもある。

 触れた瞬間に、カケルの情動が消されるリスクがあるわ!」

 ミレイユの声が震える。

「でも……カケル以外では干渉できない……!」

「あなたの“感情の波形”だけが鍵なの!」

(俺の……感情が……鍵)

 カケルは胸に手を当て、深く息を吸った。

(怒りも、悲しみも……

 誰かを守りたいって気持ちも……

 全部まとめて、俺の力なんだな)

「——行く。」

 

 ◇


 その時、ラグナ残滓が広がった影から声を放つ。

《——最終防衛プロトコル起動

 “ガーディアン群体”展開開始》

「ガーディアン……?」

 ルシアナが青ざめた。

「まずいわ!

 演算核を守るための……

 神界システム最大の防衛プログラム!」

「つまり……

 “ボスの側近が本気で出てくる”ってことね!」

 ミレイユが解説すると同時に——

 空間が裂け、

 黒い人影が無限とも言えるほど同時に現れた。

 先ほどの端末とは違い、

 明確な“意志を持たない鎧”のような存在。

 ——ガーディアン。

《——侵入者を排除します》

「……おおっと、マジかよ……!」

 グレンが構え直す。

「さっきの何倍いるんだよ!」

「ボビン!!」

「……心得た。」

 黒いガーディアンが一斉に突撃してくる。

 

 ◇


バインッ!!

 ボビンの盾に全てが叩きつけられる。

 盾が淡く光り、反射の準備が整う。

「倍返し——」

 その瞬間、

「ボビンッ!!

 こっちへ流せ!!」

 グレンが横から叫ぶ。

 ボビンは盾の角度をわずかに傾けた。

「……任せろ。」

ガガガガガガガッ!!!!

 盾に蓄積された衝撃がグレンの前へ誘導される。

「いくぞ……

《オルトロス・ブレイカー・ZEROモード》!!」

ズガアアアアアアアアッ!!

 二重の雷撃が、

 ガーディアン群をまとめて貫いた。

《——ガーディアン群、42体……消失》

 空間に大型の衝撃波が広がる。

「ぬるい。」

 ボビンが鋼の声で呟き、

 盾を構え直した。

 

 ◇


 同時に、フィンも動いていた。

「カケルさんの前は……通さない!」

 地面を蹴った瞬間、

 その姿が完全に消える。

シャッ、シャッ、シャッ!

 一つ、また一つと、

 ガーディアンの“連結点”が切り裂かれる。

《——対象Dフィン

 活動速度……測定不能》

「フィン……すげぇ……!」

 カケルが息を呑む。

 

 ◇


 そして——

「ピュイッ!!」

 ミュコが跳ねた。

ぴょん。

ぴょん。

 跳ねるたびに光の残像が無数に広がり、

 ガーディアンの座標認識を狂乱させた。

《——小型干渉……追尾不能……!》

(お前……本当に……なんなんだ……!)

 

 ◇


 後方では——

 ルシアナとミレイユの連携がついに完成しようとしていた。

「カケル!

 “情動波形リンク”の準備できた!!」

「演算核の波長に干渉できるのは……

 カケルの情動だけ!!」

 ルシアナが光の図式を広げる。

「この道を通って……

 あなたの“感情”を核に叩き込むの!!」

「分かった……!」

 カケルが前へ走り出した。

 

 ◇


 ラグナ残滓の声が揺らぐ。

《——排除対象Aカケル

 優先度:絶対

 防衛出力……最大に設定》

 演算核が黒く光り、

 周囲の空間に亀裂が走る。

「来る!!

 本気で俺を殺しに来る!!」

 カケルが叫んだ。

「だけど——

 俺にも……

 守ってくれる仲間がいる!!」

数が多すぎるガーディアン。いわゆる「雑魚敵の物量作戦」ですが、これが一番厄介です。

カケルに核を触らせまいとする必死の抵抗。

誰もが限界かと思ったその時……。


次回、あのマスコットがついに覚醒!?

ミュコ、大きくなります!

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カケルは胸に手を当て、深く息を吸った。 (怒りも、悲しみも……誰かを守りたいって気持ちも……全部まとめて、俺の力なんだな)「——行く。」このシーンは、カケルの静かなる闘志が感じられた。 ラグナ残渣が自…
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