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異世界召喚されたので、『前借スキル』で速攻ラスボスを倒して楽をしようとしたら、理不尽にも“感情負債140億ルーメ”を背負うことになったんだが?  作者: 早野 茂
第6章 神界の感情泥棒と暴走する世界初期化(ゼロ・コード)

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第91話 ゼロコード起動

 演算核コアが光った瞬間——

 空間全体が悲鳴をあげた。

ギギギギギギ……ッ!!!

 灰色の地平線が裂け、

 上下左右の概念そのものが崩れていく。

《——世界初期化プロトコル

 “ゼロコード”起動開始》

 ラグナ残滓の仮面が静かに割れ、

 中心の演算核が脈動する。

「ゼロコード……!

 本当に発動する気なのね!」

 ルシアナが叫んだ。

「世界を“ゼロ”に戻す……

 本来は150億ルーメ欠損時の安全装置だったはずなのに……!」

「今は暴走してる……!」

 ミレイユが唇を噛みしめる。

「制御なしで世界を初期化なんて……

 神界も地上も全部……消える!!」

 

 ◇


 ラグナ残滓の声が重く沈み込む。

《——不要情動、全面削減開始

 抵抗は非合理》

 黒い奔流が仲間たちへ向かって襲いかかった。

 数——

 速度——

 質——

 全てが今までとは桁違い。

 

 ◇


「ボビン!!」

「……“守る”。」

 次の瞬間、

 ボビンの盾が前面に構えられた。

ドゴアアアアァァン!!!

 黒の奔流が直撃する。

 空間が歪むほどの衝撃——

 だが、ボビンは一歩も動かなかった。

 盾が光り、淡く唸る。

「——倍返し。」

 黒の奔流が逆方向へ跳ね返り、

 ラグナ残滓本体へ襲いかかった。

《——反射値……異常……

 本体へ損傷発生》

「ぬるい。」

 ボビンの短い一言で、

 仲間の士気が一気に上がる。

 

 ◇


「グレン!!」

「任せろッ!!」

 雷光が走る。

 聖剣オルトロス・ブレイカーが空気を裂き、

 二重の雷撃が黒の奔流をさらに切り裂く。

バリバリバリバリィィィッ!!

「影なんざ、雷で焼き切るだけだろうがよォ!!」

《——雷属性……危険度MAX

 影構造……破損……!》

 ラグナ残滓が一瞬後退した。

 

 ◇


「フィン!!」

 カケルの声に、

 フィンが瞬時に空間へ散った。

 “残像すら残らない速度”。

 跳躍、滑走、反転——

 そのすべてが影のように静かで、

 次の瞬間には広範囲の黒糸が切断されていた。

《——対象D……観測不能

 削減処理……追いつかず……!!》

「カケル!!

 全員で道を作るから……

 あなたが“とどめを刺して”!!」

 

 ◇


 後方では、ルシアナとミレイユが図式を描き続けていた。

「ミレイユ!

 演算核の波長を出せる!?」

「できるよ!

 これが“核心部の情動座標”!」

 光の図式がカケルの前へ展開される。

「カケル!!

 あなたの“情動波形”を重ねて!!

 それが核への干渉キーになる!!」

「俺の……感情を……!」

 胸の奥が熱くなる。

(俺は……

 仲間がいて……

 守りたいものがあって……

 帰りたい場所がある……)

(もう……

 何も感じない男じゃない……!)

 

 ◇


 耳の奥で、

 ラグナ残滓の声が囁く。

《——対象A:最優先排除対象に更新》

《——情動波形解析……

 危険度:限界値》

《——削減開始》

 演算核が眩い黒光を放つ。

「カケル!!

 狙われてる!!」

「分かってるッ!!」

 黒い奔流がカケルへ一直線に走る。

 その瞬間——

 仲間たちが声を重ねた。

「カケル、前へ!」

「守る!!」

「光は通す!!」

「道は切り開きます!!」

「ピュイ!!」

 黒の奔流を、

 ぼた雪のように次々と仲間が弾き返し、

 切り裂き、撹乱し、遮断する。

 前方に——

 一本の“光の道”ができた。

 

 ◇


「カケル!!

 あなたの情動で……

 演算核を上書きして!!」

 ルシアナの叫びが空間を震わせた。

「お前に……

 俺の“感情”は消せねぇ!!」

 カケルは拳を握り、光の道を駆け出した。

 演算核が黒く輝く。

《——削減対象A:追尾開始》

 ラグナ残滓の本体が動いた。

敵の出力が最大に。

でも、今のカケルたちには「道を作る」仲間がいます。

全員でカケルを押し出す構図、王道ですがやっぱり熱いです。


次回、ボビンの盾とグレンの剣が奇跡のコンビネーション!

「ぬるい」と言い放つボビンが見られます。


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― 新着の感想 ―
ラグナ残渣が出力最大であっても、 カケルのために全員で道を作る。団結力! カケルに“とどめを刺して”!!。と、託す、この信頼関係! そして、仲間の期待に答えるカケル。 「お前に……俺の“感情”は消せね…
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