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異世界召喚されたので、『前借スキル』で速攻ラスボスを倒して楽をしようとしたら、理不尽にも“感情負債140億ルーメ”を背負うことになったんだが?  作者: 早野 茂
第3章 南方の《狂》気と32個の風鈴が奏でる浄化

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第40話 《模擬戦・後編》

 グレン、ボビン、フィン。

 3対3の模擬戦は、予想以上に彼らに有利な展開に転がっていた。


 ◇


■アニス vs ボビン

 アニスの槍が三連突きを繰り出す。

「はっ!」

 ガンッ、ガンッ、ガンッ!

 すべてボビンの盾が受け止める。

(この盾……ほんとに“動かない”……!?

衝撃の逃がし方が……常識じゃない)

 アニスの脳裏に、久しく感じなかった焦りがよぎる。

《感情発生:焦り600,000ルーメ》


■ドラン vs グレン

 ドランの斧が風を裂く。

「おらあああ!」

 グレンはそれを軽く受け流す。

「遅いぞ」

 カンッ!

 確実に――押し返していた。

(なんでだ……!

 憤との闘いの疲れもあるはずなのに、体が軽い……?)

 グレンは自分の体調さえ驚きながら戦っていた。

《感情発生:困惑600,000ルーメ》


■フィン vs リュート

「そっち!」

「読める……!」

 高速で交差する足音。

 フィンの動きはまるで相手の未来が見えているかのようだった。

(嘘だろ……こんな新人いるか!?)

 リュートは汗だくで後退を余儀なくされる。

《感情発生:驚愕600,000ルーメ》


 ◇


 三つの戦線がじわじわと《碧牙の矛》を追い詰めていく。

(……まずい)

 アニスとドランの視線が一瞬で交わる。

(このままでは“新人に押し切られた”という形になる……)

(せめて一矢報いる……こちらも“総合技”を出すしか……!)

 アニスの槍先に風の魔力が集まり――

 ドランの斧にも地属性の気配が混じり――

 リュートも“位置取り”を一瞬で“決め技用”に切り替えた。

「(あれ……模擬戦で出す技じゃないわ)」

 ルシアナが小声で呟く。

 まさに三人が“本気の合わせ技”を放とうとした、その瞬間――

「――そこまでだ!!」

 ハリス支部長の鋭い声が、雷のように訓練場に響いた。

「アニス、ドラン、リュート!

 今の連携、模擬戦レベルを超えている!

 これ以上は危険だ!!」

 三人はハッと我に返り、魔力を引っ込めた。

「……っ、危な……」

 アニスが額に手を当てる。

「……助かったわ。

 もう少しで本気で“魔法連携の合わせ技”を出すところだった」

 ドランもうつむき、苦笑する。

「悪ぃ……ムキになった。

 本気でやっちまうとこだった」

 リュートも深く頭を下げた。

「ごめん……俺たち、負けたくなくて……」

 アニスは姿勢を正し、

 真っ直ぐグレンたちを見る。

「危険な技を出させるほど、あなたたちが強かった……

 心から認めるわ。

 南方遠征は正式に共闘で行く」

 グレンは口角を上げた。

「次は模擬戦じゃなくて“実戦”で頼むぜ」

 ボビンは静かに頷き、

 フィンは嬉しそうに胸を張った。

 《感情発生:尊敬・覚悟2,100,000ルーメ》


 ──そして、この模擬戦が

 後の南方遠征の“序章”となることを、

 まだ誰も知らなかった。


読んでいただきありがとうございます。

模擬戦、無事に(?)終了です。

ハリス支部長が止めなければ、訓練場が半壊していたかもしれません。

それほど熱い戦いだったということで……。

互いに実力を認め合った二つのパーティ。

これで憂いなく南の森へ向かえそうです。

次回、いよいよ出発。

その前に大事な「パーティ名」を決めるようですが……?

感想や評価などお待ちしております!


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― 新着の感想 ―
ナイス!ハリス支部長。ルシアナでさえ(模擬戦で出す技じゃないわ)と気付いたのに、カケルは?放置?偶然を出すほどでは無かったか〜〜 新人もベテランもお互いを認めあい連携できたら、より強い相手でも突破でき…
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