41 便利だが…便利過ぎて怖い…
子供達はお風呂に入ったらすぐに寝てしまった。
「ヒフミさん、お昼に、狩ったイノシシの血抜きしときたいんだけど、何処か場所ないかな?アイテムボックスに入れてるから1日位大丈夫だと思うけど、やっぱ出来るだけ早く血抜きとかしときたいからさ」
「はい、ではこの施設の地下に参りましょう。」
「地下に?」
「はい、この施設の空間は拡張されています。地下室も拡張してますし、訓練施設としても使えるようになっています。勿論セキュリティも万全です」
「じゃ、ちょっと捌き方教えてもらえる?流石に獣は捌いたこと無いからさ」
「はい、了解しました。おや?お一人起きてこられたようですよ?」
どうやらアイリにぶっ飛ばされた男の子が起きてきたようだ。
「お、起きた?」
「痛い…なんで俺が殴られなきゃ…」
「あはは、ごめんごめん、僕がちょっと調子乗っちゃったせいで」
「ちっ…」
「でも、そんな噛み付いてばかりじゃ、相手も噛み付いてくるんじゃない?まぁそんな環境だったんかもしれへんけど」
「俺らはそうしろって言われてた…」
「お医者さまって呼ばれてる人に?」
「そうだ、他の大人、特にスラム以外にいてる大人には知られるな、狩られて実験動物にされてしまうぞって」
「実験動物かぁ、まぁそんな大人もいてるやろうけどさ…もしかしたら大人に近い体格に育ったキミたちのお兄さん、お姉さん的な人たちは居なくなってるんじゃ無いかな?」
「小さい子供達の面倒をみるのは12歳以上の仕事で20歳を超えたら外に出て医者の仲間の仕事に就いて働いてる、その稼ぎで僕たちの食料と薬を医者が持ってきてくれてる」
「その出ていったお兄さん、お姉さんは一度でも帰って来た?」
「仕事で疲れてるから休みの日は施設から出ないらしい」
「ふーん…もしキミが出稼ぎし始めても同じようにする?休みの日は施設で大人しくする?」
「な、何が言いたいんだ!」
「ん?いやキミなら、アイリとかアレンの様子を見に来るんじゃないかな?って、どんなに疲れてても戻ってきて直接渡すんじゃないかな?って」
「俺…俺なら…」
「アイリならアレンの様子を見に来るんじゃ無いかな?僕は少ししか彼女とお話してないけど、彼女ならそうするんじゃ無いかな?そんな弟想いな、妹想いな人はいなかった?」
「…………」
「まぁ憶測だけどね。取りあえず、テーブルの上にキミの妹分と弟分の子たちが少し残してくれてるからそれ食べてお風呂入って寝とけ」
「お、お前は何をするんだ」
「お前じゃない、ソウマだ」
「そ…ソウマ」
「僕は昼間に狩った獲物の血抜きだよ」
「アイツ等に食料と寝床貸してくれてありがとう…そのお礼に俺も手伝うから…」
「んー必要無いよ、キミはご飯食べて風呂入って寝よし」
「いや…でも…」
「はぁ…」
めんどくさいな…素直に朝まで寝ていてほしいんだが…よしアレをやってみよう!
「じゃ今から言うことを黙ってよく聞いてくれるかな?」
指をパチンと鳴らし言葉を紡いでいく。
「あなたは段々眠くなる」
パチンと指を鳴らす
「あなたは段々眠くなる」
パチンと指を鳴らす
パチンと指を鳴らす
パチンと指を鳴らす
男の子の目は焦点を無くした様に虚空をみている、上手くいったようだ
「今からあなたはそこのテーブルの上のご飯を食べお風呂に入り皆と一緒に布団で眠る…」
「…」
「僕が数を数えたらすぐに行動するよ…3、2、1で動き出すよ。3、2、1。ハイ」
指をパチンと鳴らす
すると男の子はボーっとしながらアランチーニを食べ始めた。
上手くいったようだ!出来ると思ったんだ催眠術
「ソウマ様?アレは?」
ビクってした…怒気を孕んでいる声での後ろから声をかけられたのだ
「さ、催眠術だよ、アハハハ…は」
「アレは精神干渉魔法の1つになります。以前言いましたよね?ダメだと」
「あれ?催眠術って精神干渉魔法になるのかぁ…ソッカァシラナカッタナァ…」
「はぁ…試さないでくださいと、言ったのにもうやっちゃいますか…」
「ごめんなさい…」
「見なかった事には出来ませんが今回は注意にとどめておきましょう…」
「あ、ありがとう…」
「では地下の解体所に行きましょう」
「ハイ!」
地下の解体所は広かったし凄く涼しかった、いや寒い位か?
「では、血抜きの方法をご説明致します。まずは1頭そこに出してください」
アイテムボックスからイノシシを出す。やはりデカい体長2m位のイノシシの魔獣ワイルドボアはアイテムボックスの中に入っていた為まだ暖かい
「本来、アイテムボックスを強化出来ていない方が多いためこの様に落ち着いて出来ない事が、多いでしょう。なのでまずは外での血抜き方法をします
ボアの足を紐で吊るし逆さ吊りにします。地面に穴を掘り血を流します。血液などの体液はその他の魔獣を呼び寄せる事になるので出来るだけ早く処理することをお勧めします。血液がでなくなったら腹を裂き内臓を取り出します。
腸や胃を裂くと匂いが出るので注意です。そしてこれも魔獣を呼び寄せるので素早くします。通常であれば臓物などは直ぐに土に埋めるなどでも十分ですが、今回のように多い場合燃やし尽くすことの方が良い場合もありますのでそこは臨機応変に対応してください。本体の肉は出来るだけ早く熱を取りたいので河原などで浸けて冷やしておくのも大切です。
小さい獣なら水につけながらやるのも良いでしょう。その時は水性生物にお気をつけください。危険なものを呼び寄せる可能性があるので…安全が確認できないならお勧めは致しません。ココまでが現地での血抜き方法です。」
あっという間に開き状態になった巨大イノシシである。
「そしてこういう施設等でする場合、魔道具で血抜きを致します。もう1頭出してもらえますか?」
先ほどより少し大きいイノシシを出す。その周りをチョークの様な物で円状に囲んでいっている。
「そのチョーク?みたいなのは何?」
「コレは屑魔石のチョークの様なものです」
「なるほど、それでコレは魔法陣を書いて…範囲を指定する感じかな?」
「はい、左様でございます。そして血抜きの魔道具を起動します。このサイズなら数分で終わります。そして内臓を取り出します。この魔道具を使っていると血液が地面に広がる事もないの吊るす事も必要ありません。適切な施設でする場合、内蔵の中も洗うことが可能なので全て取り出し洗浄します。この下処理は丁寧にしましょう。菌や寄生虫に気をつけてしっかりしと洗浄します。以上です。では素早く他の魔獣をかたしましょう。」
その後は僕もやったが、理解力の半端なさよって位スムーズに出来た。これもヨクトマシンのおかげだろうね。脳内で映像を繰り返しながら作業をしている様な感じでサクサクと仕上げれた。
今回は血の料理をするには地方性が強すぎるので血を料理するのはやめておくので処理する場所はあるのかと聞いたところ生ゴミはココに入れてくださいと案内された。
「血液もココに流して良いの?」
「はい、コレはBMDと呼ばれています。バイオ・マギ・デコンポーザーの頭文字を取りそう呼ばれています。バイオテクノロジーの粋を集めた技術と魔工学の粋を集めた技術を使い適正な肥料にしてくれる優れものです。全ての排出されるゴミは数時間で無毒な肥料に変わります」
「すごいね、ホントに地球に持って帰りたい一品だわ…ん?ってか全てって言った?」
「はい。全てです」
「…そ、それは怖いね…証拠隠滅とか捗りそうですね…」
「はい。勿論です…しかし販売される肥料等は原材料の表記義務がありスキャンもされる為、安心です。適切な場所で真っ当に販売されているものは…」
裏関係の闇市での買い物には気をつけなきゃ何を肥料にしてるか分からない、と言われた気がした。
全うな生活をしてくださいと念を押された気分である。僕も人間が肥料で育った野菜とか食べたくないから気をつけます。
最後までお読み頂きありがとうございます。
忙しくて書けず、次の日眠くて書けず…書こうとはした。寝落ちしていた。起きたら出勤時間だった。
悲しい時間である…
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