40 サクサク、とろ~りは幸せの味
2人はお腹いっぱいなったようで船を漕ぎ始めた。
「眠いなら寝ていいからね。片付けもやっとくから」
「ふにゅ…」
ふにゅ?どんな小動物の鳴き声なのかな?なんて思ってよく見るとアイリはもうダメみたいなんで、このままでは椅子から転げ落ちそうなので寝室に抱き運んでそのまま寝かしつけた。アレンは自力で歩けたが横になった瞬間に眠りに落ちていた。少しは落ち着いてくれたのか穏やかな寝顔だった。
子供達には安心してお腹いっぱいになって眠れる場所が必要だ…僕はそう思う。振り返るとヒフミさんが立っていた。
「上から許可がおりました。この施設になら十数人くらいなら全員収容出来ると思われます。なので…」
「なら今から行こう…1日でも早くあんな環境から出してあげたい…」
「はい、そう言われると思って手配は済んでいます。」
「流石!僕たちは現地集合で行ったらいいんかな?」
「いえ、ソウマ様はここでお待ち下さい。」
「なぜ?僕が言い出した事やし、僕が…僕がいく!」
僕は、このままじゃ行かしてくれないだろうと、除け者にされるだろうと思い、外に飛び出し…
「お待ち下さい!既に救出ドローンが向かって確保は終わっているのです。」
「え?もう終わってるの?」
「はい、ですが子供達はドローンに恐怖を抱いているようで…私のようなヒューマノイドでは更に怖がらせてしまう恐れがあります。なのでソウマ様にはここで優しく迎え入れてほしいのです。」
なんてこった!すっごいやる気出してたのに…絶対助け出したる!って気持ちで溢れてたのに…
「なんか、穴があったら入りたい気分です。」
でも、優しく迎え入れるのも必要なはず…きっとお腹もすかしていると思うし…
「後、どれくらいでココには到着する?」
「騒ぎにならないようにゆっくりコチラに向かっておりますので約30分程です。」
「ヒフミさん、少し手伝ってくれるかな?」
「はい、何を致しましょう?」
「油を温めてもらえるかな?さっきリゾット作ったんやけど、かなり多く残ってさ、あの2人もっと食べると思ったんやけど食べながら寝てしまって、時間も経ってるし作り直そうと思ってさ」
「なるほど、何を作るのですか?」
「まぁ捨てる訳にはいかんからさ、せっかくやからアランチーニかな?」
「了解しました。チーズ、卵、小麦粉、パン粉も用意しておきます」
まずは、冷えたリゾットをスプーンですくうチーズを中に入れて軽く握り丸くする、これを小麦粉の中に入れる、粉をつけたら余分な粉を落として溶き卵の中に、卵をつけたら細かい目のパン粉をつける。
「では揚げていきます」
「じゃ僕は衣つけやね」
揚げ物は1人でやるより2人でやる方が効率的だ。衣付けは何せ手が汚れる、卵でベトベトになったり粉っぽくなったり…
まずは残りの全てのリゾットを丸めチーズをイン
それを左手で粉をつけて卵に入れる
右手で卵からあげパン粉の中に入れコロコロ
ヒフミさんがそれを揚げていく。
「うん、効率的だ!これなら間に合うね」
出来上がったのは山盛りのアランチーニ!
外にはドローンに連れられた子供達が到着した。
「やぁ、いらっしゃい。キミたちの事はアイリから聞いているよ。」
「アイリ?アイリに何をした!」
「あはは、キミたちは仲が良いんだね。静かに出来るかな?ならアイリとアレンに会わしてあげよう。しかし、彼女達と話すことは出来ない。」
「なっ!アイリ!アイリー」
どんっと血気盛んな1人の子供が僕を押しのけて部屋に入って行った。
「ねぇアイリは大丈夫なんですか?」
「ん?大丈夫、大丈夫、奥の部屋で寝てるだけだから、さぁ子供達、お腹減ってないか?ちょっと時間なかったから豪華なものは作れなかったけど用意してるから」
1人走って行った男の子は取りあえず置いておいて他の9人を食堂に案内し、アランチーニを出してあげた。
「た、食べても良いんですか?」
「まずは手を洗おうか」
「あ、はい」
「あっちで手を洗ったら戻っておいて、食べていいよ」
「は、はい」
さて、静かにって言ったのにドタバタと走って行ったお子様達を横目に奥の寝室に行った男の子はどうなってんだ?
「アイリ、アレン!起きろ!大丈夫か?ケガは?」
「ふにゅ…」
「アイリどうした?いつもと違ってなんだお前こんなに良い匂いしてたか?あれ?いつもモサモサ頭だったのにどうしてこんな髪がサラサラなんだ?」
「…いつも変な匂いでモサモサな頭で悪かったな!」
アレンは、病み上がりだけあって体力がなかったのか起きなかったが、アイリは直接揺さぶられて起こされ、寝起きで悪口言われたと思い力いっぱい殴ってしまったようだ。
「お兄さんに綺麗に洗って貰って、それにかわいいって言って貰えて嬉しい気分で寝てたのに、お前って奴は!許さない…もう一回殴らせろ!」
「ちょっと待って、ちょっと待って、どういう事?アイリ何をされた?」
一緒にお風呂に入って磨かれたのを思い出したのか顔を真っ赤に染め手を振りかざしてもう一回殴ろうとズンズンと歩んでいた。
「お前には関係無い!」
パーンと、小気味良い音が響き、またあの少年はぶっ飛んだ。
「うん!いいパンチと良いビンタである」
「ふぇ、お兄さん…」
手を後に回しモジモジしていた。うん、かわいいね。実に女の子、女の子してる。
「あの男の子は大丈夫なんか?」
「あんなんでアイツが参るわけないから」
「そっか、気絶してる見たいやな、まぁ明日の朝にはまたおきるはずやし、叩いた相手がばっちいから手を洗ってきな。皆来てるで」
「え?皆って?」
「ほら、あの地下に住んでた子達、10人」
その言葉を聞いたアイリが食堂の子達の所に向かった。
「アイリ、何その格好」
「すっごいかわいい!」
「えっ髪もサラサラ」
「すっごいかわいい!」
「えっアイリって女の子だったのか?」
「アイリ、食べた?コレ、サクサクでトローンって面白いし美味しい!」
なんか途中おかしな言葉が聞こえたけど、こう言う風景ってやっぱり尊いです。
「アイリ!」
「は、はい、何?お兄さん」
「アイリもそれ食べて良いけど後で皆にお風呂の使い方教えてあげてもらえるかな?ピカピカにしてあげてほしいな」
「う、うん、分かった!で、でもアイツぶっ飛ばしてしまって…」
「あーあの男の子は起きたら入れといてあげるよ」
「ごめんなさい…」
「ごめんなさいより、ありがとうって言ってほしいなぁ」
「お兄さん、ありがとう」
「どういたしまして」
その後、アイリも皆と一緒に目を輝かして食べお風呂に入って行った
人数分の服と下着をヒフミさんから受け取り皆の世話を甲斐甲斐しくしていた。
そう言えば…僕はこんな事をしていて良いのか?
明日の予定は全く分からないけど…
「そう言えば、ヒフミさん、僕の明日の予定は?」
「明日は、皆で観光となっていました。」
「そっか、じゃ僕はキャンセルでも良いかな?」
「はい、既にキャンセルしております」
「あはは、流石だね、サスヒフだよ」
取りあえず、明日は、今日刈ってきた肉を処理しよう…忙しくなる…
最後までお読み頂きありがとうございます
本当に、時間がありません…携帯ゲームのログイン忘れて寝ることも多々…デイリー消化がままならぬ…
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