39 キラキラで尊い
「ほぉー凄い、この星にも入浴の文化があるんやね」
お風呂を覗いてみるとそこは大浴場であった。5、6人で入っても大丈夫な位の湯船がそこにはあった。
「あ、あの…ぼ、僕ね…1人で入るから…」
「はぁ?風呂が嫌いな子供が綺麗に洗えるのか?」
「僕だってもぅ子供じゃないんだ…」
「いくつなの?」
「8歳…」
「どう考えても子供だよ、成人が約50歳でまだ8歳はどう考えても子供だよ」
「で、でも…」
「あのな?弟の為にも清潔にしなきゃダメだって、さっきから言ってるよね?脱がすよ、はい、バンザーイ」
「ヤダ…」
頑なに拒否をするアイリさんだが僕は許しません。こんな状態で大人になったらダメな大人になってしまう。
「ごめんなさい…ぼ、僕、じ、実は男の子じゃなくて女の子なんだ」
…
…
…
「知ってたが?」
「え?」
「初め見たときから女の子とは知ってたが?」
「じゃ、じゃぁ、一緒にお風呂とかダメだよ…」
「関係無い…男の子とか女の子とか関係無い…僕は風呂キャンが許せないんだ!何が汗をかかなかったからだとか、私臭くないとか、ちゃうねん、そうじゃない1日生きてるだけで垢は溜まるねん!僕の庇護下に入ったからには絶対許さへん」
アイリさんを…僕はいつまでもうだうだ言ってるアイリの服を無理やりパージして自分はシャツにパンツの姿になって風呂場に担ぎ込んだ。
「なっ!おにいさんは脱がないの?」
「僕は後で入る!ヒフミさんと入る。まずはアイリ、キミからだ。」
頭からお湯をかける。髪は絡み、手ぐしも通らない
「女の子が髪をいたわらないとかマジありえへん…」
ココには備え付けのシャンプーもボディソープも石けんも備え付けられている。
「ほら、目に泡が入らんように閉じて!」
モサモサになっていた髪の毛は一回では泡立たない。
「ほら、めっちゃ汚れてる。もう一回洗うよ」
モサモサに絡んでいた髪を優しく解きながら洗っていくと黒ずみ汚れていた髪は赤みのかかった綺麗なショートヘアになった。
「ほら、やっぱり綺麗な髪だ。トリートメントもしてあげるから」
優しく髪に浸透するようにトリートメントをして馴染ませている間に次は体を洗う。ハンドタオルにボディソープを垂らし泡でモコモコにしてアイリの背中を磨いていく。
「二、三日って言ってたけど嘘やろ?」
「ほ、本当です…3日前に水浴びしました。」
「あー…もしかしてあの地下にいてる子達は全員そんな感じか?」
「う…うん」
「ファック!」
背中を洗うと目に見えて汚れが落ちていく、すると過酷な環境にいてたんだとわかる。肌は荒れ、カサついてるし子供がこんな生活を強いられてるとか許せない…
「前は自分でやるか?それともやってあげようか?」
「さっ流石に前は恥ずかしすぎる…から自分でやる…」
新しいハンドタオルをまたアワアワにしてアイリに渡してシッカリ洗うように伝える。
しかし…このボディソープくっそ泡立つ…アイリが羊の様にモコモコになった。
「あはは、アイリ、モコモコでかわいいぞ」
「え、えへ…かわいいかな…あ、ありがと」
髪を流し、その勢いで泡も流し、そのままお風呂に入って貰った。
「よし、取りあえずはお風呂に使って体を温めなさい」
「は、はい」
お風呂に浸けて風呂場を後にした僕は、ヒフミさんに我慢できない事を伝える。
「ヒフミさん、他にも保護してあげなきゃならん子達が沢山まだあの地下にいるみたいやから、なんとかしてあげたい。こんな来たばかりのこの星のルールもわからん僕やけど、なんとかしてあげたい。」
そう伝えると、ヒフミさんはアイリの下着と寝間着を僕に渡し
「そうですね。この問題はすぐに解決しなければならないと思います。直接、上に伝えて来ますので暫くここでお持ち下さい。」
「分かった。待ってるよ」
そうしてヒフミさんは施設を後にした。その後、少したってアイリが、恥ずかしそうに風呂場から顔を出したのでバスタオルを広げ温まったアイリを迎え包みこんだ。
「お風呂気持ちいいやろ?」
「僕、お風呂って初めて入ったんだ…いつも川の水浴びだけだったから…」
「そっか、そりゃ嫌いになるよな…ごめんな、怒って」
「いいよ、でも他の子に悪いなって思う。僕だけこんな感じになって…」
「ヒフミさんになんとかできんかって頼んだから大丈夫やで、僕に出来る事はしてあげるから、ほら髪拭いて乾かしてあげるから下着履いてパジャマきな」
髪を乾かしてアイリをよくよく見ると、あんなに小汚いガキと思えた女の子が凄く可愛らしい。
「めっちゃかわいいやん」
「あ、ありがと…」
「よっしゃ、取りあえず、ヒフミさんが、帰ってくるまでにご飯食べよっか」
風呂場に行くまでにキッチンがあったし、食材があれば何か作ってあげようとキッチンに行くと大き目な冷蔵庫があった。中には野菜がそれなりに入っていた、引き出しを漁るとおコメがあった。流石ヒフミさんが用意してくれた施設だけあって一通り揃っていた。
アイリは多少元気ではあるけどやはり2人揃って栄養失調な身体つきだし、消化にいい物を作ってあげよう。
まずバターを火にかけ溶かし、弱火で米を炒める。
その間に、玉ねぎのような物や人参のような物を色紙切り、葉物野菜を一口台にしトマトのような物を賽の目切りにする。
少し肉もほしいと思い何かのベーコンのような物を短冊切りにし少し炒めて香ばしさをだしてから水を注ぎ沸かしカットした野菜を入れる。
その汁を少しずつ炒めた米に注いで米を炊いていく
本当は芯を残したいのだが今回はアレンもいるので芯は残さない。
ベーコンの香ばしさを嗅ぎつけたのかアイリがこちらにやってきて足元で目を輝かしていた。
「ねぇお兄さん、何作ってるの?」
「ん?ご飯食べるやろ?もうすぐ出来るから待っててな、そうやアレンは起きた?」
「見てくる」
駆け足でアレンの様子を見に行った。再びコチラに来る時足音が2人分あったのでどうやら起きたようだ。
「起きてたよ。お兄さん」
「おー良かった。こっちも出来たよ」
お皿に盛り付け2人の前に出す。
「食べて良いの?」
「どーぞ、熱いから気をつけなよ」
ベーコンからの香り、味が染み渡り絶妙な味である。流石僕だ!そう言えば久しぶりに料理を作ったような気がする…2人の目はキラキラに輝いて一心不乱に食べている。
「食べながらで良いから聞いてな。僕の名前は颯馬 有宮て言うんだ、ソウマって呼んで、アレン君、始めまして。」
「むぐむぐ…ゴクン…は、始めまして…」
「お姉ちゃんに病気になっていたって聞いたから助けに来たんだ。よろしくね」
「むぐむぐ…ゴクン…よ、よろしくお願いします」
カチャカチャとスプーンとお皿の音が響き渡る。子供が一心不乱に食べてる姿は本当に尊い…
やっぱりなんとかしてあげたい。この子達だけじゃない、あの地下にいるという子供達全員だ。
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ついメンテナンス時間を知らずにアップデートできませんでした。バックアップ機能って素敵です。残ってました。
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