34 惑星のルール
厳ついおっさんに連れられて奥の部屋にやってきた。
「まぁまずは自己紹介だな。俺の名前は、ダイスケ=サワベ。ここの副ギルド長をしている。」
なんと、ここの偉いさんでしたか。この人の立場上やはり無料で依頼は、受けられないわけだ
「僕は、颯馬 有宮です。」
「わ…ぼ、僕は、アイリだ。」
「うむ、アイリ君は少し待っててくれるかな、少しこのソウマ君と話さなければならない。キミはアレだね。そこにいるヒューマノイドの様子をみるに、研修生としてやってきた惑星外の人だね?」
「あ、はいそうです。」
後ろを見るとヒフミさんが無言の圧力をかけながら立っていた。正直怖い…
「全く…ヒューマノイドのキミがいながら何をさせているんだ。なぜ止めなかった?」
「申し訳ありません。ソウマ様は少し無鉄砲な所がありまして、注意している途中に飛び出してしまいました。」
「ヒフミさんが謝る必要は無いんです。僕が何も考えず飛び出してしまい…」
「違うぞ、ソウマ君そういう事もサポートできるのがヒューマノイドなんだ。それが仕事なんだ。それ故にキミの失敗は全てこのヒューマノイドの彼女が負うことになる。予定では今日来たところではないのかな?そんなキミを指導しこの街のルールを教える事も仕事なんだ、それが出来ないのは彼女の失態になるんだ。」
「…はい…すみません…」
「今回はこのギルド内での出来事で俺がなんとかしておいてやる。次回から気をつけるんだ。わかったな?」
「はい、本当に申し訳ないです。」
「うむ。ではアイリ君、キミのお願いは弟の為に西の森の中にある龍神苔が欲しいんだったな?」
「う、うん、それがあれば弟の薬が作れるって近くのお医者様が言ってたんだ。」
「確かにあそこの森の奥にある湖の近くにある洞窟の中に龍神苔は存在する。しかし、この時期は魔素が溢れている。魔素の落ち着く冬の時期であれば採りに行くことは難しくないのだが、今は魔素が濃すぎて封鎖されているんだ。そもそもアレを依頼すると冬の魔素の落ち着く時期でさえ高級なのだ。」
「うん、でも弟の為だから…料金は今はないけど大人になったら絶対払うから…お願いします…」
「そもそも龍神苔を材料にするほどの病気とは何なのだ?錬成するにも技術が問われるものなんだぞ」
「で、でも…お医者様が…グスン…うぇ…」
「だから泣かないでくれ…あー…」
あー泣いちゃったよ…あんな怖い顔で責められたら泣いちゃうよな。僕も泣きそうになるよ…とどうしようかと思っていると後ろから声がした。
「ソウマ様ならその魔素濃度の中でも活動は可能です。そこまでの道のりも私が案内出来ますしソウマ様であれば取得可能だと思われます。」
「そうなのか?」
「うむ…ではこうしよう!ソウマ君は傭兵登録したいんだったな?では入試試験としこの依頼を受けてみないか?勿論試験なんてしなくても一番下のランクにはなれるんだが、この試験をうけるなら2ランクアップで登録してやろう。どうするかね?」
「僕はヒフミさんが出来ると言うならそれを信じます。」
「大丈夫です。道案内派お任せください。時間も遅れる旨は送信しましたので安心してください。」
「では、それでよろしくお願いします。」
「ヨシ、では飛び級試験を開始する。武器と防具が必要ならそろえていきなさい。とは言え、あのアイテムボックスをみる限り大丈夫だろうが…」
「そうですね、急いだほうがよさそうだし、持っている物で行けるなら先に行こうと思います。行けるかなヒフミさん?」
振り返りヒフミさんを見るとコクリと首を縦に振った。
「アイリさんはここで待っておいてくれるかな?急いで採ってくるから」
「あーアイリ君はここで俺が見ておこう」
何やら話はまとまったけどなんかお医者さんって人が怪しい様な気もするがまずは龍神苔を採りに行こう。
と、ヒフミさんとギルドの建物から出てきた。
「本当に気をつけてくださいね。ソウマ様が起こした行動は全て私の責任になるのは間違いではありません、最終的に、ご一緒に居られなくなる可能性もあります。」
「うん、ごめんなさい。一緒に居られなくなるのは悲しいから、気をつける。」
「はい。では行きましょうか。タクシーを用意します。森の前までなら乗っていけますので」
空飛ぶタクシーの便利さよ。そしてすぐに来るし、サイコーだよ。タクシーに乗った後にヒフミさんは今から行く森についての説明をしてくれた。
「今から行く森は奥に行けば行くほど危険にはなっていきます。それは魔素が濃くなる為です。」
「うん、それは副ギルマスが言ってたな、でもそんな危険な森が何で放置されてるの?こんなに発展した街の横にあれば国が放置しないと思うんだけど」
「はい、何もなければそんな危険な森は排除されるのですが、この森には魔物がおりその魔物の体内には魔石があります。その魔石は燃料として有効に使われるので森は国が管理しています。そして魔物の肉は良質なタンパク質です。なので傭兵ギルドがその魔物を狩り魔石と肉を採集しているのです。所謂、牧場となっているのです。夏場は魔素の影響で浅いところで狩りをして冬になると奥に行き奥の魔物狩りをしているのです。」
「魔物がいるの?しかも魔物食べれるの?ちょマジ!それは美味しいの?」
「浅層の魔物はそれほどです。奥に行けば行くほどおいしくなり冬になり冬眠している魔物は脂が乗ってとても良質と言われています。ただ夏場は冬眠に向け少し荒ぶった魔物が多くなります。警戒を忘れず気配を出来るだけ消して行動してください。」
「そうだね、あくまでも目標は龍神苔のある洞窟だもんね…」
「そうですよ、最近は天然な食べ物食べて無いからって余計な事しちゃうと間に合わないかもしれませんよ?夜ご飯の時間までには戻らないと心配されますよ?」
「そっそうだね…アイリさんの為にも早く戻って弟君の様子も見てみたいし、お医者さんが僕にはきな臭いように感じるし」
「そうですよ。では森のマップを確認してください。端末に情報は、送信しています。」
端末で森を確認すると森は壁に囲まれた場所にあるらしい、その中心に龍神洞窟と書かれている。
「龍神ってさ書いてるけど、龍神いるの?」
「ここには龍神様はいません、龍神様から漏れた魔素が龍脈となりそれがたまり洞窟の地下に魔素水がたまっているのでそう呼ばれています。」
「なるほど!流石に龍神と言われるほどの存在はなんか怖いからそれを聞いて安心したよ」
「そろそろ森の入口に到着します。下をご覧ください。」
そこには壁があり門があった。その門の周りには沢山の屋台が並んでいる。さっきまでのSF感からいきなりファンタジーな雰囲気が漂って来た。
「あの屋台を見ると…」
言い切る前に屋台が飛んだ…
「えっー空飛ぶ屋台!?」
「あれは、屋台型の飛行車です。地球でもあったでしょ?キッチンカーです」
「ヒコウシャ…キッチンカーのヒコウシャ…やっぱここはハイテクだよ」
何台も屋台型のキッチンカーであるヒコウシャの一つが定時なのか材料切れなのか飛んで街に帰っていった。
「なんか裏切られた気分…」
「雰囲気は大切ですよ?この付近に出店する場合はこの雰囲気でないと許可がおりないようになっています。」
確かに京都の町中には京都らしさってのが必須だ、そういうことなのかな…この惑星のルールもう一度確かめなきゃいけないな…
最後までお読み頂きありがとうございます。
台風の影響で風が強いようです。皆様お気をつけてください。
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