33 ソウマ様のおバカ
「全く…酷い目にあった…優しくして欲しかった…」
「あはは、時間をとらせるのは忍びないからね、効率良く遺伝子データを頂くにはこの方法が手っ取り早いんだよ。優しくしてあげるのはまた今度だ。」
どうやら次回もあるらしい…優しくしてくれるなら致し方ない!
「そうですか…では次回も期待しています。」
「も?キミも好き者だねぇ。そうそうこの遺伝子データはコチラの都合なので10万リラ程振り込ませて貰うからね。お小遣いと思って受け取っておいて欲しい。後、クローン等、禁忌に触れる様な事には使わないからそこん所も安心して欲しい。」
「わかりました。10万リラも頂けるなら助かります。悪いように使わなければそれくらいどーって事もないです。何が悪いかもイマイチ分かりませんし、何に使えるのかも専門的でよく分かりませんし。」
「よくわからない遺伝子データなんて私達研究者にとっては宝の山なんだよ。人類が次の段階に駆け上がる事ができるかもしれないんだからね。」
「まぁキョーコ先生程の美人ならある程度は喜んで協力は致しますので、また何かあれば呼んでください。僕のできる範囲でなら協力します。」
「ふふふ。楽しみにしているよ」
内心、お金も貰えてラッキーと思ってるんだけどそれは伏せておこう、しかし、10万リラか…1リラ100円位って話だったかな…1000万円貰った感じか?やっぱラッキーだわ。
部屋を出て端末の時計を確認すると振り込まれていた。お金持ちになった気分だ。
「ヒフミさん、他の皆はもうホテルなんかな?だったら少し寄り道とかしてもいい?僕だけこんなにお金持ってるのもなんか気まずいから黙っておこうと思うんだけど」
「そうですね、お金は争いの火種にもなるので、その方がよろしいと思われます。何処に行きたいのですか?」
「そもそも何があるのかも分かってないしまずはインフォメーション的な所行ってみたいかな」
「ではこの建物一階でよろしいかと、そこで街のマップもございますのでご説明致します。」
「助かるよ!じゃ行こうか」
2人で仲良く街デートだ!楽しみでウキウキする。インフォメーションでマップデータを貰い端末に入れると、目の前の空間に表示された。ここは街のビジネス全般が集まる場所だった。商店街はここから少し離れた場所にあるらしい。
「タクシーみたいなのあるのかな?」
「ございます。お呼びいたしましょうか?」
「よろしく。街の武器屋さんに行ってみたいからちょっと遠くてさ」
「了解しました。約5分後に表に到着致します。」
ヒフミさんが端末を使って呼び出したようだ。そんなアプリもあるんだろう。地球にもあったしそりゃそうよな。
タクシーは無人のカプセルの様なものだった。凄くSFしていてテンションが上がる。乗り込むと音も無く浮き上がり目的地までのレールの様な線が浮かび上がりそこを通って連れて行ってくれた。
武器屋さんの前に来たのだが店舗はビルの中だ。他にも色々とあるらしい。なんだかいかつい人が中から現れた。怪訝そうに見ていたのか僕の顔を見てヒフミさんが答えてくれた。
「ここには傭兵ギルドが入っていますので、少しやんちゃな方々もおられます。武器防具が売っていますが買うには身分の証明も必要になりますので」
「傭兵ギルド!?そこに入れば買えるって事?」
「はい、少し時間はかかりますが、まぁ大丈夫でしょう」
「適正検査的な物があるんかな?」
「シュミレーターを使って測定されます。ですがソウマ様なら大丈夫でしょう」
「よし、じゃ行こう!そんでテンプレ的に足引っ掛けられたりするんだ!」
「それはその後ぶっ飛ばすまでがテンプレになってしまうのでよろしくないかと思われます。」
「あはは、確かに!まぁ大丈夫でしょう。そんなテンプレって起こらない…」
と、話しながらドアをあけるとドアの開いた音がカランコロンカランとベルの音で知らされた。中に居たいかつい傭兵の人たちがコチラを…見ない…コチラを見ずに中心で喧嘩してる2人を見ていた。
ビルの中は綺麗な感じで新しくできた町役場なイメージだった。受付があってそこに端末がある。あそこで色々と入力してギルドに加入することができるのだろう、ギルドに加入すればあの端末で武器や防具を買い付けることができるらしい。現物は奥の部屋にサンプルが置いてあるとインフォメーションを入れた端末が説明してくれた。
しかし、そんなことよりその端末の前で厳ついおっさんに子供が叱責されている。皆それが気になる様でそちらを見ていた。
「だから、僕が報酬になるって言ってるんだ!早く行かなきゃ弟が大変な事になっちゃうんだ!」
「お前を貰ってどーしろって言うんだよ、俺達は傭兵なんだ。わかるか?リルを持って来いリルを。」
「だから端末持って無いからリルも無いんだって言ってるだろ」
「端末も持ってないようなスラムのガキなんて相手してらんねぇーんだよ。傭兵に仕事持ってくるならそれくらい分かってくれよ。受付に手数料も払えないなんてもっての他だよ!」
「だって…グスン…グスン…」
「泣くなよ。ガキに泣かれると困るのはコッチなんだよ…勘弁してくれよぉ…」
厳ついおっさんが子供に泣きつかれて困り果てている。あのおっさん見た目怖いけど絶対いい奴じゃん
「ヒフミさん、なんであの人手助けしてあげないの?お金無いから受けれないとか意地悪してる感じでもなさそうだよ?」
「それは傭兵だからでは無いでしょうか?無償で困っている人を助けたら、他にも困った人が押し寄せるかもしれないですから。それにあの子を無償で助けたのに私は助けてくれないのか?とか、あの人は無償でやってくれたのにあなたはしてくれないのか?差別か?等そう言う人間がいるのは間違いありません、なので他の傭兵の為にも無償で仕事を受けると言う事はないのでしょう。あの人はここのギルドでもかなりトップ層の方ですし」
「あートップがそんな事したら下の奴らがしなくちゃいけなくなるからなぁ…」
「はい…ソウマ様も子供の話は聞かずに目的だけを考えて行動し…」
「ねぇキミ、僕でよければ話を聞かせてくれないかな?あのオジサンは立場上、相談に乗れないみたいだし、僕は傭兵でも無いから力になれるかもしれないよ」
「あーソウマ様のおバカ…」
「おい、兄ちゃん辞めといたほうがいいぜ?コイツの言ってる森は近いけど危険なんだ、装備も整えられない一般人が安全に行けるとは考えない方が身のためだ」
「そうか…武器と防具を買いたくて来たのに傭兵登録しなきゃ買えないと、そんで傭兵になると無償の危険な依頼はこなせないと…そんな感じかな?」
「そうだわかってるじゃねーか」
「うん、それなら大丈夫!自作の武器があるからそれでなんとかなるんじゃないかな?」
アイテムボックスから刀を出して見せた
「あーもうソウマ様のおバカ…」
「お、お前…傭兵でもないのにスキル使えるのか?ってかビルの中とは言え武器を出すな、スキルを使うな!」
ゴツッ!と鈍い音と痛みが頭を襲う。ゲンコツを落とされようだ。
「いってぇ…ちょっとオジサン勘弁してください。」
「勘弁してほしいのはコッチだって言ってんだろ!ちょっと奥に来い、おい!ガキのお前も一緒に来い」
と、傭兵のオジサンに泣いていた子供と一緒に連れて行かれた。
「もう…本当にソウマ様のおバカ…」
その後を、ついて行くヒフミは天井を仰ぎながらそう呟いた。
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