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世界は思ってるより広いものだった  作者: まりも


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20/44

20 船内では雨は降らないので光源で

一通り食堂の使い方を少年に教え3人で朝ごはんを一緒にする。


「申し遅れました。僕は一之瀬春樹と言います。よろしくお願いします。」


「ウチは西条アカネや、アカネって呼んでな」


「僕は有宮颯馬、颯馬って呼んで」


「わかりました。僕のことは春樹とお呼びください。アカネお姉さん、ソウマお兄さん」


「お姉さんだって、んふふ、いーねー可愛い!ハルキ君は昨日の夜中にここに来たってさっき言ってたけど、なんか分からんことあったらお姉さんに何でも聞いてな!」


「じゃお一つお聞きします。先ほどの失礼な奴等は何なのですか?思わずぶっ飛ばしてしまいましたが…」


「あーあれなぁ…うん、そうやね、ちゃんと説明するな、ウチもそうなんやけど、さっきの4人の男の子と女の子2人とウチは孤児院出身なんよ。1週間前にここに来たんやけど、その2日前にその孤児院の高校生組に声がかかったんよね、このまま勉強して大学に行くか、働くか、んで働くにしても孤児院関係の所に就職するかしないかって、ウチは孤児院に感謝してたし恩返しもしたいからって言うたらここに来るように勧められたって訳、アイツ達は勉強したくない、働きたくないって言ったみたい、気がついたらここにいたって喚いてたのは聞いたよ。普段から仲良くなかったから話はしてないけど」


「ということは、孤児院の上層部は地球外関係って事か、怪しすぎるな、孤児院の生活では不便なことは無かったん?」


「不便どころかウチは凄く感謝してんねん。欲しいものは買って貰えたし、先生は無表情だったけど優しかった。今思えば、先生は名前で呼んだことないし愛想ないしだからアイナさんとヒフミさん見たいなヒューマノイド?だったんやと思う。ウチらはそれが当たり前だったから、気がつかんかったけど」


「なるほど、アイツ等ってあんなに毎日暴れてるけどサポーターとしてのヒューマノイドはついてないの?」


「いてへんみたいやで、だから極力アイナさんにも、頼らんようにしててん…」


「だから権限レベルも上がってなかったんやね。納得した。これからはもっと話した方が良いかも、あんなに愛されてたんやし」


「うん、そうする。昨日の夜は甲斐甲斐しく世話焼かれたし、今までの分って」


と、昨日の夜はお楽しみ、もとい大変だったと2人で話しているとハルキ君が目を見開き、絶望したような感じで質問してきた


「すみません、少し気になったのですが、お聞きするには御二人のサポーターは女性型なのですか?」


「「そうだよ。」」


「なんだと…僕のサポーターはおじいさんだぞ執事みたいだからセバスだって言ったら、ホッホッホではそのようにって言ったんだよ?いやまぁ執事らしくお世話はしてくれるんですけど…」


と、入口に目線を送るハルキ君、そこには老齢なジェントルマン。あー間違いなく執事だ。ヒューマノイドには色々あるんだなぁ…


「くそっあんまりだ…羨ましいなおい…まぁ仕方ない…」


んーこの物わかりの良さはやっぱりこの人は見た目と年齢は違うって気がするな…モヤモヤするし一回聞いてみようかな


「ハルキ君はなんが話してるとその若さには思えやんな、僕は実はアラフォーなんやけど、色々特訓とかしてたらこんな感じになってもてん!」


「そうなんよ、ウチは初め同年代と思ったから、ずっとタメ口で喋ってもうて…でもソウマ君このままで良いって言ってくれてん。」


「そのままのアカネさんでいいんやで」


「ふむ、そうですか、では簡単に自己紹介ですが、僕の年齢は42歳、妻と子供が居ましたが離婚して養育費と慰謝料で借金を背負いまして。良い働き口と探していた時、今回の話を聞きここにやってきました。仕事の都合があり2カ月かかりましたがその間にセバスの言う通り特訓してると若返りました。お互い浮気してたし子供は僕の子供ではないようなので未練はなく今後、会うことは無いので、この姿を満喫しようと思ってます。」


「それでも養育費と慰謝料払うんやね」


「まぁ手切れ金みたいなもんだと思ってます。それにこの仕事してる間に全部払ってくれるって言ってましたしね。それでソウマ君はどうなんです?」


「僕?僕はね飲食店経営して借金作って心が折れて店閉めて、バイトしてるときにって感じ。」


と3人の自己紹介を簡単に済ませた。アカネさんはきっともっと深い考えやあの連中達との関係があるだろう。ハルキ君もそうだ、話の内容だけだと納得行くわけが無いのに本人は納得してる感じだ。多分、聞いたって僕にはどうしようも出来ない事が沢山あるだろう。仲良くなって言いたくなったら話てくれるだろうし人間開けてはいけない心の扉はあるもんだし、この辺にしておく。


「そうだ、この後2人で訓練行くんやけどハルキさんも行きます?その若返りようをみる限り魔法とか説明も聞いてるでしょ?」


「えー聞いてますよ、お二人が良いならそれは助かります。1人だと色々考え込んでしまいますので嬉しい限りです。用意してセバスと一緒にそこに向かいます。」


「あーじゃ先に行って準備とかしとくよ。アカネさんには先に説明しなきゃいけない事が一杯あるからゆっくりしてきても大丈夫やで。」


「あれ、孤児院出身者はそう言う説明はされて無いの?」


「うん、僕の想像だけど、アカネさんはともかくあのヤンキーグループ達の素行の悪さをみてるとなんとなく、教えれない気持ちがわかる様な気がする。地球であんな力を彼らが持つのはちょっと勘弁して欲しいよ、しらんけど」


「確かに怖いですね。じゃ適当にゆっくりしていきます」


と、ハルキ君は、手をふって去って行った。僕とアカネさんは朝訓練した場所に戻りまずは座学での魔法をヒフミさん監修のもとで開始した。教材とかも用意してくれていたので説明もしやすく何と言ってもアカネさんが真面目で真剣に取り組むのでスムーズに終わった。


途中、ハルキくんもやってきてお互いの魔法を見せ合ったり、光源の魔法で失敗した話をして、やってくれと言われ、一瞬だけなら大丈夫とヒフミさんからお許しを得たので使った。3人で目がやられて悶絶しながらゲラゲラ笑った。


いつぶりだろう。友達とこんなに楽しく過ごしたのは…店をやっていた時は支払いに追われ頭の中がいっぱいいっぱいになっていた、そんな時、誰の話もマトモに受け取れなかった。そんな僕から距離を置くように1人、また1人と友達は去って行った。1年後帰ってきたらまた連絡してみよう。あの時はごめんなぁって言ってありがとうって一緒に酒を呑もう…


「あれ、ソウマ君、泣いてる?」


「雨が降って…ゲフンゲフン…光源が目に染みたんだよ」


気づいたら目から涙が流れていた。光源の魔法が目に染みたんだろうな…無事に帰ってこなくっちゃ!

お読み頂きありがとうございます。

次回はついに旅立ちです。


こんな感じでいいのだろうか、面白いのだろうか…と不安ですが成長していきたいです。

ご感想、評価よろしくお願いします。

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