10 魔法と科学
「ソウマ様…起きてください、少し早いですが夜ご飯をお食べにならなかったので、お仕事の前にしっかりと食べてください。」
普段は寝起きにコーヒーとサンドイッチの様な出勤途中で食べれる物を用意しているのでギリギリに起きるのだが、前日、気絶からの二度寝で夜ご飯は食べなかったので早くに起こされた。良く出来た嫁だ…嫁じゃない
「あーおはよ…助かるわ、ありがと」
少し激しめに起こされたのだか睡眠時間もしっかり取れたしそもそも最近寝起きが良い。
「寝起きが良いのも魔力のおかげなのかな?」
と、ぼそっと聞こえない位の声で呟いたのだがしっかりと聞こえていたようで、答えてくれる
「ハイ、その通りです。体内に魔力が循環していますので、低血圧等での寝起きの悪さ等は改善されます。そのうちいつ襲われても大丈夫になります。」
「あはは、襲われたくないなぁ。顔洗ってくるから用意お願いね」
「ハイ、了解しました。」
ご飯はしっかりしたものだった。どおりでいつもより1時間早く起こされるわけだ。
「そう言えば、このご飯にも魔素が含まれてるってことなんよね?取り込むって言ってたし」
「ハイ、どんな食材でも多少魔素は含まれますのでその質問にはYesと答えます。が、それだけで魔法ご使えるようになるなら、全世界でもっと魔法使いがでますよ?」
「ん?と言うとこのご飯には他に、特殊な物が?」
「ハイ、ヨクトマシンを体内に投入しています。」
「ヨクトマシン?」
「ハイ、ナノマシンは聞いた事があると思いますが、そのナノマシンを更に小型化した最新の物を体内に投入しています。ナノサイズでもピコサイズでも影響はないのですが、小さければ小さいほど良いじゃんって言って開発された最新式です。ロントやクエクトサイズにも最近は挑戦しているらしく、探求精神はやまないと、学会で発表されています。」
ヨクト、ロント、クエクトってのはサイズの単位らしい、これ以上は聞いてもきっとわからないだろうから質問はしない。
「つまり、このご飯の中にそれが含まれていると」
と、見た目には全くわからない、味にもわからない、小さすぎて歯ごたえなんかも感じない。ナノ、ピコ位までしか聞いたこともないから理解も出来ない。
「まぁ美味しいから良いや」
と半ば諦めた。
「体内に潜入したヨクトマシンは体中に散り細胞に取り付き魔素を馴染ませました。そうすることによって何十年、何百年とかかる、人類進化の過程を早め、魔素を魔力に変換させる事を可能にしました。」
「そのマシンは、身体から取り除くとかはしなくても良いの?」
「大丈夫ですよ。そうですね…ケガや病気など魔法によってもある程度治療は可能なのですが損失した部位、馴染んでしまった病気の治療は身体に多大な負担をかけます。そこでヨクトマシンです。体内で細胞と合体したマシンは細胞分裂を促進させ肉体の復元を可能にします。マシンだけでも可能ですが、魔法による治療と合わせることで劇的に治療が可能です。負担と言ったらヨクトマシンは低燃費なのですが多少カロリーを身体から摂取するので食欲が今まで以上に増えると言う感じですね。」
と、言われてみれば今でも3人前位のご飯を食べきっていた。話を聞いていたから意識はしていなかったが次々と食べてはおかわりをくれるので食べていた。
「食費がかさばるって事やな…」
「そうですね、しかし転ばぬ先の杖…ではありませんが現状骨折した所で二、三日もあればくっつけてくれるので保険と思ってください」
痛いのは嫌だけどまぁ、それならね、元々食べる事は好きだし、これだけ食べても太らないしね、
「お金稼がなきゃ駄目だなぁ、1年は面倒見てくれてもその後がなぁ」
と、やっぱ人生ってお金だなぁと遠い目をしていると
「永久就職も可能です。お給料は期待してください!まぁまずは1年間お試しですけどきっとソウマ様なら本社からビッグ待遇で声がかかりますよ!」
「そりゃありがたいね、全部ヒフミさんのおかげだ!」
あっはっは、と笑い、ふと思った、そう言えばこんな未来に明るく思えるのはいつぶりだろう…大人になって明日が、1年後、2年後、10年後と悲観せずに思えた事は…楽しみだ!新しい環境!待ってろ未来の自分!
そう思いつつ出勤するのであった。
昔ならナノマシンって未来的だなぁって思えるものでしたが、最近、そう言う感じのテクノロジーがあるんですね?設定は遥かに進んだテクノロジーなのでとりあえず小さく、って感じでヨクトマシンとなりました。魔法と科学を混ぜる、この物語のコンセプトです。




