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少女たちの宿暮らし  作者: お餅
宿暮らしの慣れ編
9/11

8話 接客

 ついにGW(ゴールデンウィーク)、4月28日だ。


 3人には、あれから多くのことを学んでもらった。


 料理、洗濯、接客、夜食の提供など。


 私は、みんなが頑張ってる間、ゆめさんと中庭を綺麗にしてた。


 食材や備品を買いに行ったりもしたかな。


 みんなは、一週間くらいで上達して、私とも大差ないくらい。


 始めは、部屋も増えるし大変かなと思ったのだが、みんなのお陰で充実した。


「今日から、だよね。お客さんたくさん来るの」


「そうだね」


「『接客が命』って散々言われてきましたからね」


 微笑する、愛。


「『清潔さは命』ともうてたな」


 思い返す、るる。


「緊張してきたなぁ〜」


 深呼吸をする、りん。


 みんな、頑張ってきた。慣れないことが多かったと思う。


「練習の通り、ね。みんな、頑張ろう」


「そうですね」

「勿論や」

「う、うん!」


 ーーーーーー


 5時。母とフロントを交代する。チェックイン自体は4時から行えるが、殆どは5時以降だ。


 流石にまだ、宿泊客は来ない。


「何時くらいにチェックインする人が多いですか?」


「概ね、7時前かな。夕食をここで食べて、他の場所を見に行ったり、温泉に行く人が多いね」


「そうなんですね。少し、安心しました」


 私と愛は、フロントだ。愛1人にまかせても良かったのだけど、トラブルでも発生したら、さすがの愛でも大変だろうということだ。


 まぁ、夕食を運ぶときは抜けるのだけど。


 そんなこんなで、ちょっぴり雑談しながら待機しているのである。


 2人はキッチン。ゆめさんも一緒。


 ーーーーーー


「るるー、お魚切るの上手いー」


「兵庫のおじさんに教えてもらったんや」


 ――完全に打ち解けていた。


「りんちゃん、出汁巻きできた?」


「はい、できました!」


「練習したかいあったねぇ、すごくきれいだよ〜」


「ありがとうございます」


「ゆめ、お米入れてちょーだい」


「はーい」


 完璧な連携の取れたキッチンルームだった。


 ーーーーーー


「「いらっしゃいませ」」


 6時前。1人目のお客さんだ。


「予約をしている、鈴木だ」


「鈴木様ですね」


「こちらに、スマートフォン、または、フローティングフォンをかざしてください」


 パソコンの画面に表示された、鈴木様の情報。予約情報と一致する。


「お部屋は本館の1号室です。こちら、1号室の鍵となります。万一、紛失された場合は、鍵の交換費用をお支払い頂く場合がありますので、くれぐれも紛失されないようお気をつけください。また、お部屋は、オートロックではございません。ご自身で鍵をかけていただくよう、お願いします」


「今回、夕食有りのプランになっておりますので、お客様のお部屋に夕食をお持ちいたします。何時頃にお持ちいたしましょうか?」


「7時に頼む」


「かしこまりました。大浴場は本館の廊下を進んでいただいた奥になります。ご利用時間は24時までですので、お早めにご入浴ください」


「Wi-Fiは、お部屋の机の上に説明がありますので、よければご利用ください」


「アメニティは、お部屋にタオルのみございます。それ以外は、そちらから必要な分、お取りください」


「その他、お困りごとございましたら、お部屋にある電話で、#7にかけていただきますと、フロントにつながります」


「では、ごゆっくり」


 男性は、大きな荷物を抱えて室内に入っていった。


「お手本、お上手です」


「いやいや、私もまだまだだよ。お母さんのほうがすごいもん」


「それはそうかも知れませんが、私からしたらどちらもすごいです」


 聞こえないように、小声で会話している。


「「いらっしゃいませ」」


 2人目、カップルみたいだ。


(次は、愛の番だよ)そう、目で合図する。


 愛も、頑張ります、と合図してくれたような気がした。


「予約をしている、加藤です」


「加藤様ですね」


「こちらに、スマートフォン、または、フローティングフォンをかざしてください」


 愛は、パソコンの画面を確認する


「お部屋は別館の1号室です。この廊下を奥に進んでいただくと大浴場です。右に曲がっていただくと別館の方になります。こちら、1号室の鍵となります。万一、紛失された場合は、鍵の交換費用をお支払い頂く場合がありますので、くれぐれも紛失されないようお気をつけください。また、お部屋は、オートロックではございません。ご自身で鍵をかけていただくよう、お願いします」


「今回、夕食有りのプランになっておりますので、お客様のお部屋に夕食をお持ちいたします。何時頃にお持ちいたしましょうか?」


「7時にする?」


「もうちょっと遅くてもいいんじゃない?」


「じゃあ、8時にしようか」


「そうだね」


「8時でよろしいですか?」


「それで、お願いします」


「大浴場のご利用時間は24時までですので、お早めにご入浴ください」


「アメニティは、お部屋にタオルのみございます。それ以外は、そちらから必要な分、お取りください」


「その他、お困りごとございましたら、お部屋にある電話で、#7にかけていただきますと、フロントにつながります」


「では、ごゆっくり」


 愛は、一つ一つ丁寧に、覚えたことを必死に言ってくれた。上手い。


 2人は、雑談をしながら別館の方へと進んでいく。


「どうでした、か?」


「Wi-Fiの説明無かったけど、めっちゃよかったよ。私よりも上手いんじゃない?」


「本当ですか。気づきませんでした」


「次から頑張ればいいよ。まぁ、こっからも人は来るから、気を引き締めていこうね」


「はい。頑張ります」

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