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少女たちの宿暮らし  作者: お餅
宿暮らしの慣れ編
8/11

7話 初日の終わり

 

「ようやく、最後の部屋だね」


「はい、頑張ります」


 結衣が戻ってきた頃、2人は、5号室の掃除を終え、6号室の掃除に入るところだった。


「どう?掃除大変じゃなかった?」


 職場体験風に。


「そんなこともないです。掃除は好きですし、ゆめさんと話していたら、あっという間でした」


「なら良かった」


「ゆめさんのおかげです。これからもよろしくお願いします」


 ペコリ、と深い礼をする。


「よろしく、愛ちゃん」


 ーーーーーー


 やっぱり掃除は終わっていた。

 おのれ、家電量販店め…。

 仕方がない。気持ちを切り替えて、通路の掃除に取り掛かるとしよう。


「遅かったじゃん」


「ごめん、なんか、イオンのエディオンでは足りなくって」


「別の店まで行ってきたん?大変やったなぁ」


「うん、2人は休憩しなくてもいい?」


「大丈夫!」


「かまへん、通路の掃除するんやろ?」


「うん」


 柔らかい色の照明で、通路は照らされている。雰囲気出てていいね。

 るるには掃除機を使ってもらっている。大浴場の前と、この通路は床がカーペットになっているので、箒よりも適している。

 私とりんは布巾を使って壁や窓を拭いていた。


「ねぇ、今度みんなで、傘見城行かない?」


 提案。走ってたときに思った。


「いいね、行ってみたい」


「歴史には疎いけど、面白そうやね」


「それなら、ゆめさんも一緒に行ってみたいです」


 別館から愛が来た。今さっき終わったのかな。


「愛ちゃん、部屋の掃除終わったんだ」


「はい。ゆめさんは歴史が好きで、一緒に行けたら解説もしてあげられると、おっしゃっておりました」


「詳しい解説があると、より一層楽しめそう!」


「『仁和寺にある法師』だね。私もあまり詳しくはないから」


「せやけど、スケジュールとか、大丈夫なんかな?」


「多分、GW開けたら余裕はできると思うんだけど」


「じゃあ、そのときに行けるかもね」


「楽しみですね」


「そうだね、愛、少し休憩してからでも構わないから、中庭の方からここの窓を拭いてくれない?」


「大丈夫です。今すぐにでも」


「ありがと、お母さんから布巾をもらってきてほしい」


「わかりました」


「そのまえに仙台だよね。何したい?」


「ずんだ餅食べたい!」


「いいね、駅に売ってると思うよ」


「うちは特に無いかな、ずんだ餅美味しそうやね」


 フローを見て、そう言った。


「愛にも聞いてみよっか」


 愛が戻ってきた。


「愛、仙台に行くとき、何したい?」


「仙台城跡に行きたいとは思いますが、時間もなさそうですし、ゆめさんと行くほうがより楽しめそうですよね」


「確かに。じゃあ、今度は仙台駅と周辺をみるって感じで」


「いいよ」


「大丈夫です」


「決まりやな」


 ーーーーーー


 掃除を終えてお風呂に入った私達は、部屋に戻ってきていた。

 時刻は4時前。


「どう、掃除、大変だった?」


「そうでもなかったよ、楽しいし」


「せやな、思ったとよりは」


「ゆめんさんと一緒だと、そこまで難しくなかったです」


「なら良かった」


 母が部屋に入ってきてお菓子をくれた。


「みんな、今日はお疲れ様、お礼よ」


「「「ありがとうございます」」」


「お母さん、優しいね」


「まぁ、初仕事だったからじゃない?」


「明日も頑張りましょう」


「せやな、大変なんは、今からやろ」


「そうだね、辞退したかったら、ちゃんと言ってね」


「まさか、楽しいし、そんな事するわけ無いじゃん」


「そうですね、そんな杞憂、しなくても良いものです」


「でも、無理したら、ダメだよ?」


「結衣が優しいのはわかったから、そんなんやめーや」


「そう?ありがと」


 やっぱり、3人は優しいな。


 私も、そうあれたらいいなと思う。


 その後、私達は、お菓子を食べたり、ゲームや映画を見て、3人の初仕事の日は、終わった。

人物紹介

笹川ゆめ

宿のバイト。

一度傘見から離れて放浪していたが、戻ってきた。

歴史好き。

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