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少女たちの宿暮らし  作者: お餅
宿暮らしの慣れ編
4/5

3話 お買い物しましょう

 朝ご飯の片付けを終え、結衣は部屋に戻ってくる。

「どうする?どこか見に行く?」

 そう結衣は尋ね、机の前に座る。

「そうですね。私はショッピングモールに行きたいです」

「それいいね。面白そう」

「じゃあ、北傘モールに行こうか」

 北傘モールとはイ◯ンモール北傘店のことで、傘見駅の裏手側にある。いろいろな店舗が集結していて、付近にも商店街があり、裏北傘と呼ばれる地域だ。

「じゃあ、各自準備してね」

「はい」

 結衣は黒のショルダーバッグを、愛は白のショルダーバッグを、りんは藍のエコバッグを、るるは、小さめのショルダーバッグをそれぞれ持ち、宿を出る


 北傘の街を歩いている少女らは、ほのぼのと会話をしながら北傘モールへと向かう。

「みんなはお金いくらぐらい貰えるの?」

「私は月7万円です。スマホに送られてきます」

「10万くらいかなー。あんま使わないかもだけど」

「うち15万や。結衣はいくら貰えるん?」

「宿屋で儲かってるし、20万くらいだよ」

「やっぱ多いね。結衣ちゃん」

「使う金額合わせようか?」

「ええわ。自分も宿屋手伝っとるんやろ」

 なら当然やと、あたりまえに言う。

「そうだけど」

「私はお金で揉めたくないので、自分で使う金額を決めたらいいと思います」

「そうだよ。自分のお金は自分で使えばいいと思うよ」

「ありがとう。でも少し自重するね」

 少女らは歩みを進め、北傘モールに入る。


「なんか見たいところある?別行動でもいいけど」

「私は本屋さんみたいですね。最後でもいいです」

「うちは別になんでもええで」

「みんなでゲーム買おうよ!」

「いいね。家にアフターあるよ」

 アフターとは、2090年代に流行したゲーム機で、高いグラフィックと映像の繊細さが話題になっている。

「じゃあそれを買いに行きましょうか」

「いや、選ぶの時間かかると思うから後でいいよ。本屋さん見に行こう」

「いいのですか?私も時間はかかると思いますが」

「いいよいいよ。遠慮しなくて」

「ありがとうございます」


 少女らは2階の本屋さんに移動する。

「本棚とか部屋から持ってきたほうがいい?」

「大丈夫です。自分で買いますから。もちろん皆さんも使っていいですよ」

「いや、本棚空っぽなんだよね。だから移動させる」

「ありがとうございます。私の本ばかりになってしまうかもしれません」

「そのときはみんなで割り勘ね」

「せやな。てか愛はどんな本買うん?」

「私、ミステリものが好きなんですよ。実家にもたくさんあります」

 こういうのがいいんですよと見せながら話す。

「ミステリかー、難しいよね」

「めっちゃわかるー」

「難しいけど、自分で解けた時は嬉しいです」

「自分で解くの?すごいね」

「はい、トリックがわかればこっちのもんです」

「頭良さそうだもんね、愛ちゃん」

「勉学はあまり、テストの順位も高かったわけではありませんし」

「最高何位だったの?」

 結衣は、本を手に取り尋ねる。

「11位です。学年人数は200人でした」

「すご…。それ自慢じてもいいレベルだよ」

「上位10位に入れなかったんですよ?」

 全然だめじゃないですかと、暗い表情で言う。

「ほんとにすごいと思うよ」

「せやな。中々10位台は大変やし」

「ありがとうございます…。あっ、本決めたので買ってきます。皆さんは先に行っててください」

「わかった。迷子にならないでね」

「大丈夫です。いざとなったら連絡します」


 愛は会計を済ませ、ふと気づく。


 ―お金が、無いですね。


 無論、原因はすぐに分かる。傘見に来るための電車賃や、洋服などだ。白いショルダーもこのために買ったものだった。7万円という少ない所持金の中で、沢山のものを買っているので。4月の13日であろうと金欠なのだ。

 結衣たちを迷惑させるかもしれないと思い、姉に連絡する。

「もしもし。お姉様」

「もしー。どしたん」

「4月のお金がもう無くて。5月分から引き落としてくれませんか?」

「いいよー。いくら欲しい?」

「2万円ください。それだけあれば大丈夫かと」

「振り込んどくねー」

「お願いします」

「傘見の写真送ってくれー」

「わかりました。切ります」

「ばいb 」ツーツーツー

 これでいいだろうと愛は安堵し、家電店へ向かう。


 本を買っている愛を置いて、家電店にやって来た3人。

「どんなゲームがいいかな」

 結衣は数々のソフトを見ながら尋ねる。

「みんなで楽しくできるのがいいよね」

「これとかどうやろ。『マ◯オカート12』とか」

「愛ちゃん、そういうの苦手そう」

「せやな。もっとわかりやすそうなのがええか」

「これいいんじゃない?『大富豪になろう2』」

 結衣はゲームソフトを3人に見せる。

「1が流行ってたよね。2もめっちゃ売れてるみたいだし」

「それでええんちゃう?」

「私もそれでいいと思います。楽しそうです」

「なんや愛か。びっくりしたわ」

「すみません。走ってきたので」

 結衣はスマホを手に持ち、言う。

「じゃあ5000円だから1人1250円づつ払ってね。今は私が代理で払うね」

「ありがとうございます。宿に戻ったらお支払します」

 と、言いお辞儀をする愛。

「後で払うわ」

「ありがとー」


 ゲームソフトの購入を済ました少女らは、フードコートに来ていた。

「みんな各自でお昼ご飯買ってきてね」

「わかりました」

「ハンバーガーとか美味しそう」

「せやな。うちそれにするわ」

「じゃあ、私もー」

「私はうどんかな。美味しかったしあの店」


 購入を済ませ少女らは席につく。

「「いただきます」」

「美味しいですね」

 愛は、大きなたこ焼きを口に入れ頬張る。

「愛ちゃんはたこ焼き?」

「はひ。ひんへふはっはほへ」

「なんて…?」

「すみません。金欠だったので」

「あー。大変だね」

「私が使いすぎたのが行けないのですけどね」

「最近なんかうたん?」

 愛はショルダーバッグを見せ、言う

「はい。このショルダーバッグを」

「やけに綺麗だなって思ってたら、新品だったのね」

「あまりそういう物は持ってなかったので」

「るるちゃんは何バーガー食べてるん?」

「うちはチーズバーガーや」

「美味しいよねそれ」

「りんは何にしたんや?」

「私はてりやき!」

「てりやきもいいですね。結衣さんは何を?」

「釜揚げうどんだよ」

「うどんも久しく食べてないので食べたいです」

 少女らは着々と昼食を食べ進める。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 昼食を食べ終わった少女らは、北傘モールを出ようとしていた。

「今日はもう帰る?」

「そうですね。ここに用はないかと」


 4人の少女は宿に帰り、和室に集まる。今からゲームを始めるようだ。

「あっ、お金お支払いしますね。忘れてました」

「せやせや、1250円」

「私も忘れてた―」

「ありがとう。これで割り勘は成立だね。それじゃあ始めようか」

「私、あまりルールを知らないのですが…」

「大丈夫。私もだから」

「同じや」

「すぐなれると思うよ。もともとカードゲームだったんだし」

「知らなかった」

「そうなんですね。難しくなさそうで良かったです」

「難しさは、…あるんじゃない?戦略とか」

「じゃあ頑張らなきゃね」

「せやな」

 結衣はゲームカードをアフターに挿し、起動させる。



少し話が長くなってしまったので、ここまでです。

人物紹介

相模りん

15歳女子

今のところ不遇で影が薄い娘。設定加えられるかも。

自殺はしなさそう

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