第十三話 大元帥
ども、コウです。
えっと……報告することは何もないです。はい。
では今話もお楽しみください。
「ボケっとすんな! 馬鹿貴族!」
すでにセレナの姿はヴァンの隣になく、オーフェンはボケっと突っ立ていた。そのため、ヴァンがあわてて手をひいての消させる。
――ズゥゥン
直後、巨大ナマズが着地。その太い足で、しっかりと。
ヴァンとオーフェンの二人は、間一髪で回避。
「めんでぇ……なんでナイトクラスがいんだよ」
「おそらく、この湖のヌシといったところでしょう。はぁ……あなたたちが騒いでいるからですよ」
二人とも軽口を叩いているが、すでにそれぞれの武器を構えている。ヴァンは両刃の大剣を、セレナは太ももにつけているベルトからダガーナイフを。
だが、オーフェンだけは、ただ怯えて腰を抜かしている。
「ちっ、マジ使えねえ」
ヴァンは舌打ち。セレナも、舌打ちとはいかないまでも、軽くため息をついている。
「あなた一人で平気でしょう? 私の獲物では、攻撃範囲が狭いですから」
「……それでワイバーンを一撃で倒したやつはどこの誰だよ」
「正直に言いましょう、面倒です。一人でやりなさい。上司命令です」
ついにセレナの本音が。セレナは、もともと仕える者以外には、とても無関心。
それをヴァンもわかっていても、舌打ちせずにはいられない。
「職権乱用だろ……」
「では、万が一の時、ルーファンに何があってもいいと?」
「ああ? 自分の身は自分で守れ、ってんだ。なんもできねぇ子どもじゃねえんだ」
「私だって同意見です。ですが、ここで死なれては寝覚めが悪いのも同様。なにより、死なれては騎士団の質が問われます」
メイド服姿のセレナは、ダガーナイフを油断なく構えながらヴァンに答える。さっさとやれ、と睨みを利かしながら。
「あと、相手は仮にもヌシです。殺さないよう手加減を」
「注文が多いこった!」
しびれを切らしたヴァンは、威嚇し続ける巨大ナマズに向かって、大きく跳躍した。
高さ五メートルをヴァンは軽々と越し、その幅広な大剣の平で巨体ナマズの頭をたたく。
巨大ナマズも負けておらず、堅そうな四本の触覚をかざして、それを防ぐ。が、打撃を避けても衝撃は避けられず、その重い攻撃は巨大ナマズの足を沈ませた。
「もう一丁!」
何とヴァンは、空中で空を踏むようにジャンプし、宙返りしてもう一度放つ。
予想外の攻撃にも、何とか反応する巨大ナマズだが、それも努力もむなしく地面にたたきつけられる。
「はんっ、つまんねえ。これで終わりか?」
早くもグロッキーな巨大ナマズに、落胆するヴァン。
だが、それでもヌシ。すぐに立ち上がり、臨戦態勢へと。
「それでこそ」
にやりと不敵に笑うヴァンは、大剣を地面に引きずりながら巨大ナマズへと疾走した。
セレナとオーフェンの二人は、セレナの創った球状の風圧の膜で護られていた。
それは、ヴァンが飛ばす炎による被害や、本気を出した巨大ナマズの水鉄砲などを防いでいる。
セレナはそれを無表情に、オーフェンはおびえた顔をしてみている。
「あのように強くなればいい、などと思っていますか?」
「へっ?」
ヴァンの動きを目で追うセレナ。それにつられて、オーフェンも見る。
「どうなのです?」
「そりゃ、当たり前でしょう」
感情的にとまで行かなくとも、オーフェンの口調は自然と強くなる。
オーフェンが思い出すのは、初めてキング上クラスのクエストに行ったとき。
クエスト内容は、キングベヒーモス三頭の討伐。そのとき、元帥二人が居たので、ちょうど一人一頭ということになった。
何も、出来なかった。ただただあの特徴的な雄たけびにおびえ、腰を抜かしているうちに、早くも自分の分を倒した元帥がそれも倒したのだ。
大元帥の目が、鋭かった。なぜ倒さないかと、なぜおびえているのかと、そう聞かれているようで悔しかった。
「何の為に?」
それは、“仮”大元帥としてつくとき、聞かれたもの。だから、そのときと同じ答えを返す。
「威厳を示す為」
貴族は、良くも悪くも目立つ。戦場では真っ先に最前線で戦い、その戦果を取らなければいけない。他の者を誘導するという意味が主だが。
だから、そのためには何よりも、威厳が必要なのだ。
「そう、ですか……」
その答えに、セレナは何を思ったのかわからないが、視線を戦っているヴァンからオーフェンへと移す。その、あまりにも無表情な視線を。
「あなたは、なぜ大元帥が四人なのか、わかりますか?」
紫という特徴的な髪の色をしている彼女は、事務的にそう問いかけた。
オーフェンは、言うまでもない、と即答。
「あんなに強いのは、少ないから」
考えなくとも、出せる答えがそれだ。実際にリリィ・エルトリアの戦闘を目の当たりにしたことがあるオーフェンは、絶対的にそう思う。
まさに、圧巻。女性ながらも力強く、それでも軽やかなステップを踏んで舞うように戦っていた。一撃一撃が、重く、速い。
しかもそれは、一匹二匹などではなく、数十匹規模で“消し去って”いく。
あんなことができる人間が、何人もいたらおかしい。
だからこその答えだ。だが、
「それもあります。ですけど、本来の意味でいえば、違ってきます」
当たっているけど、当たっていない。矛盾した回答が、そこにあった。
「協力させないためです」
「え?」
またも、矛盾。
「何かを守り通すためには、確かに力が必要です。相手の、何十倍という力が」
それは、戦場に出るうえでは常識。“守る”だけでなく“守りとおす”には、そのくらいの力がいる。
「アラン・エスフォード、リリィ・エルトリア、キラ・フォルステイン、そして私。あげた四人は、万単位で来なければ傷を負わすことができないほどの力があります」
相手の何十倍の力を出すには、軍隊レベルでないと話にならない。それを、大元帥の四人は、その時点で何かを守り抜くことができる。
「ですが、このような力を持つ大元帥が、今の四人だけでなく、十人も二十人もいたらどうなると思います?」
「…………」
「死にます、この世界が。大きすぎる力は、必要以上に集まれば、そのようなことを引き起こします。護るためであるはずが、それもろとも破壊しつくしてしまうのです。だから、それを阻止するための、四人です」
オーフェンは、戦慄した。大元帥が持っている力の、あまりにも大きすぎる意味に。
「大元帥というのは、誰でもなれるわけではありません。しかし、なれないと言い切れることもありません。もし、あなたが大元帥になれるとするなら――」
セレナは、まっすぐとオーフェンを見据え、
「覚悟ができますか? 世界を破壊しかねない力を持つことに」
――ズゥゥン……
セレナとオーフェンが見守る中、巨大ナマズは低い地響きとともに地面にひれ伏した。
「まあ、あなたがその力を持つということは、限りなくゼロですからね」
聞いても答えないオーフェンに対して、セレナはただ一言だけ、そう付け加えた。
そして、セレナがヴァンのところへと歩み寄ろうとした時。
――グオゥ!
近くの茂みから、尾が二つに分かれた大きな狼が現れた。
「ウェ、ウェアウルフ……!」
風圧の膜が晴れたことで、オーフェンもセレナの後に続こうとしたが、その出来事にまたも腰を抜かす。
ウェアウルフは、先ほどまでヴァンが戦っていた巨大ナマズと同じ、ナイトクラスの位置に値する。
特徴的なのは、二又の尾。そして、ウェアウルフを覆う、剛毛。太く、鋭くとがっているその毛は、たった一本であっても、剣をはじき返せるほどの強度を誇る。
生半可な打撃や魔法は効かない魔獣だ。
「やはり魔王の存在でしょうね。生態系が崩れています」
だというのに、セレナはウェアウルフの目の前に立ちはだかる。
「厳密には、少し違いますが」
威嚇しているウェアウルフに、先ほどまで構えていたのと同じダガーナイフで対峙する。
「セ、セレナ嬢! そんなものであれに勝てるはずが……!」
剣をもはじくその剛毛が、何千本と生えそろっているのだ。
大元帥でも、女性であるセレナには勝てないと判断したオーフェンは当たり前のことである。
「なら、そこで見ていてください」
怖れを感じていないのか、セレナは眉をピクリとも動かさず言い残し、疾走する。
ウェアウルフもそれに合わせて、横によけようとする。
だが――
断末魔の声もあげず、ウェアウルフはものも言わぬ残骸となった。
見れば、口の端から二又の尾のほうまで、横一線で切られている。
「風属性というのは、雷属性の次にスピードを上げる能力が高いです」
残骸の向こうで、ナイフの血糊を払っているセレナが、できの悪い生徒にものを教えるかのように言い出す。
「速さは、時として力に勝ります」
いったん言葉を切り、セレナはウェアウルフの残骸に手を合わせて黙祷する。
そして、竜巻を巻き起こし、残骸を塵より小さく刻んだ。
「今のように、弱点である口端を裂けば、より楽に、より効果的に」
竜巻を鎮め、オーフェンの前まで歩み寄る。
「覚えておいてください。戦いにおいて、大元帥には常識など通用しないのです」
冷酷な瞳とともに、セレナはそう言い放った。
「確かに、そうかもな」
巨大ナマズを、見事殺さずに気絶させたヴァンが、二人の元へ来る。
「俺ら元帥が、三人がかりでも倒せねえもんなぁ。特にキラの坊主は」
かかか、と笑いながら担いだ大剣で肩を軽くたたくヴァン。
セレナは、キラの“坊主“というのが気に入らなかったのか、軽く睨んでいる。
それでも気にせずヴァンは笑い続ける。が、突然真剣な顔になり、オーフェンを見る。
「強くなりてぇか?」
「は?」
「強くなりてぇか、って聞いてんだ!」
「そ、そんなもの当たり前だろ!」
聞こえているのに二度も聞かれたものだからか、オーフェンは強く答える。
「おし、だったら俺が鍛えてやらあ。武術大会まで、見違えるほどになぁ」
満足な回答が得られたのか、にやりと笑いながらヴァンが言う。
またもぽかんとするオーフェン。セレナも同じかと思えば、そうではなくて、納得した表情になっている。
「仮でも、大元帥になったからにゃあ、強くなってもらわねえとな」
「……それは私のセリフなのですが?」
「気にすんな。そうと決まったら、早速グランバールに行って修行だな」
当事者であるオーフェンを放っておき、二人だけで決め、二人だけで納得している。
ようやく放心状態から立ち直ったオーフェンは、あわてて口を挟もうとしたが、それは遅かったわけで。
「ほら、こい。修行に一環として、こっからグランバールまで全力疾走だ」
言うなりヴァンは、いきなり走り出し、セレナも走り出した。
オーフェンも、二人に置いてかれないように、ついていったのだった。
ちなみに、グランバールまでは約五十キロある。
「ひゅぅ……ひゅぅ……」
グランバールのとある宿。二人部屋でオーフェンは死にかけていた。
「はっはっは、いい運動になったなぁ、おい」
その隣で息も乱していないヴァンは大笑いしている。
あれから約三時間。一キロ三分ペースで走っていた。それも、肉体強化なしで。そのせいで、オーフェンは生ける屍となってしまったのだ。
「ほい、風呂入ってこい。汗くせえ」
そんなことにはお構いなしに、ヴァンはオーフェンを浴室へと投げ入れる。
そしてヴァンは、この宿の一階で買った情報雑誌を手にして読み始めた。
一方のセレナは、ヴァンとオーフェンがいる隣の部屋で、入浴中。
「さすがに、メイド服では走りずらかったですね」
シャワーボールと呼ばれる、魔力を流せば一定時間細かな水が流れるボールを持ちながら、石鹸まみれの体を洗い流していた。
「ふぅっ……暖かい……」
それから、湯船につかる。セレナの魔法で、癒しの効果を含んだ湯は、セレナの少し疲れた体にはよく効いていた。
普段は透明だが、今は薄い緑色になっているそれをすくって顔にかける。
そして、
「胸、小さいままです……」
悲痛な一言。自分で胸あたりをぺたぺたと触り、ため息をつく。
「リリィ様ぐらいあれば、キラ様を……」
ぼそっ、と誰もいない浴室に響く恐ろしい言葉。
セレナが思うに、キラは巨乳好き。なぜなら、キラがリリィと出会った当初、リリィの胸ばかり見ていた気がするからだ。
うぅむ、と唸り、水面に浮かぶ自分の顔を見つめる。
「いえ、顔でしょか?」
セレナは、非常に整った顔をしている。それは、リリィにも負けないくらい。
が、決定的に負けているのは、表情の豊かさ。リリィは、感情的な部分が多く、コロコロと表情が変わる。特にキラが絡むと。
セレナは真逆で、滅多に表情を変えない。変えるのは、リリィをからかって遊ぶ時か、キラに褒められた時。あとはない。
「いっそのこと、変身術を使って猫耳や犬耳をはやしてみましょうか?」
巷で人気(?)の“萌え”要素の一つ……らしい。と、いうのも、情報通のルルテアが週一程度で街の情報をなぜかセレナに報告するのだが、その中にこの萌え要素があった。
その時にはまったくと言っていいほど興味はなかったが、この時になって役に立った。
ナイスです、ルルテアさん。そう心の中でつぶやく。
「動物好きのキラ様にはもってこいですね」
キラは、動物――特に犬や猫が大好きで、見つけたら抱き締めずにはいられないほど。しかも、キラにとって運のいいことに、動物に好かれる体質なのだ。
「善は急げ、です」
冗談から始まったことだが、すでにセレナの心の中では確定していた。
ザパン、と湯船から立ち上がったセレナは、身体を拭いて早速変身術の練習に向かった。
「よいしょ、と」
五分で洗い終わったメイド服を着用し、セレナはメイド服についているエプロンのポケットから『魔法大辞典』を取り出した。
「変身術は初めてですからね」
セレナは使ったことがないため、練習が必要なのだ。だいたい、変身術は暗殺用に編み出された魔法で、一般人が使うことは普通はあり得ない。
セレナは、どうにも下らない理由で習得しようとしているが。
「ふむ。一部の変化はそれほど難しくない、ですか。この際、しっぽもはやしてみますか」
そしてまたもやエプロンのポケットから、四十センチほどの木の杖を取り出す。
杖の先が小さく青い光がともる。そして、セレナはそれで床に魔法陣を描き始める。魔法大辞典の変身術に載っているものと同じものだ。
魔法陣のほうが、詠唱よりも成功確率が大きい。特に、初めて使う魔法なら、こちらのほうがいいのだ。
「――――変化――――」
セレナは、頭の中に犬の耳としっぽをはやした自分を思い浮かべ、言葉をつぐむ。
青白い光がセレナを包み、その状態が数秒続く。
光が晴れ、セレナは部屋にある姿見で自分の姿を確認。
「こんなものでしょうね」
頭と同化している、髪の毛と同じ紫色の犬耳。そして、お尻のほうには、ふさふさした紫色の犬の尻尾。
すべてが予想通りのいく結果になったセレナは、顔に出さないまでも満足する。
と、
「おぉい。あいつの修行のことで相談が――」
時が止まった。
「………………」
「………………」
お決まりといえば、お決まり。
無言が続く中、セレナは考える。鍵はちゃんと掛けたはずだ、と。
見れば、ヴァンの手には、ドアノブが握られている。ドアについているそれではなく。
そして、ドアの、ドアノブがあったところにはぽっかりと穴が。
「なんつぅか……すまねえ」
無言の圧力が出始めたことに気付いたヴァンは、ドアノブを戻して出て行こうとする。
「そんなに焦らなくてもいいじゃないですか」
フフフ、と不気味な笑いを無表情で漏らしているセレナは、怒っている。だからこそ、魔法を使ってまで瞬時にヴァンのそばに移動し、その肩をつかんだのだ。
「ルーファンのことはこの際、後回しでいいです」
「は? 何いってんだ?」
「今は、少し教育しなおさなければならない人を見つけてしまったので」
グランバールでは、謎の悲鳴が秒刻みに響いたのであった。
「ふふふ……ようやく、ようやくキラ様にあえます……」
ある森の中で、背中に大層な斧、ハルヴァートを背負っている十二・三歳ぐらいの少女が、あやしく笑っていた。
「ぬぅ……その笑い、何とかならんか?」
「お父さん、この状態のヴィーラさんに何を言っても駄目だ、ってことよく知ってるでしょ?」
その少女――ヴィーラに続く無精ひげを生やした男と、短いツインテールの少女が話し合っている。
「だが、ここまでくると、だな……負の感情が、魔力となって垂れ流しになっておるぞ?」
男の言うとおり、ヴィーラからは黒い魔力がどんどんと漏れて行っている。彼女の魔力の色は、もともと綺麗な緑色だというのに。
おかげで、まともに魔獣と遭遇していない。いいことなのだが。
「それはそうでしょ? キラさんが旅に出て二年もたつんだから」
「しかしだな……いや、もう言うまい。疑問に思うのだが、あの坊主のどこが……」
男が一人でつぶやいているのを、鋭く聞き取ったヴィーラがギロリと睨み、
「坊主? 誰が坊主だというのですか、アラン大元帥」
「ぬっ? しまった、口が……」
「すべった、とでも言いたいのですか? なら、そのお口を瞬間接着剤で閉じてあげましょうか?」
思わずヴィーラの逆鱗に触れてしまったアランは、どんどんと問い詰められ、どんどんと口を滑らしていく。
その隣で、苦笑しながら見守るアランの娘、ルルテア。
「し、しかしだな、幼女体系で有名なヴィーラの体では、とてもお嬢には……」
「きーっ! 誰が幼女体系ですか! わたくしは立派な二十歳のレディーです!」
ヴィーラは、奇声を発しながら怒る。
彼女が二十歳なのに、十歳と間違われるような体系なのはわけがある。
「わたしはエルフなのですから、将来有望なのです!」
エルフは、人間に似て非なる存在だ。内包する魔力の大きさ、自然との調和の度合い、尖がった耳。それらが主にエルフといわれる人種だ。
そして、最大的な特徴が、『魔素を見る目』だ。
魔力は、魔素の集合体である。だから、普通の人でも魔力を見ることはできる。
だが魔素は、塵より小さいもの。さすがに、それを全部見ることはできないが、その流れを見ることはできる。例えば、どこに川があるかとか、どこで人が集まっているだとか。
なぜそれが見ることができるのかというと、目の構造の違いだ。
人間でいう目の瞳孔の部分が、誰でも共通する黒ではなく、うすい青色をしているのだ。
それが、目に映るものを変えているのだ。
「だが、五百年の長寿だからと言って、ひとまず成人した君の体は……」
「むきーっ! それ以上言うなです!」
エルフは基本的に体の成長が遅い。が、だからといって、まだ十歳程度の少女と間違われるヴィーラは、期待薄だ。
「ほらほら、二人とも。落ち着いてよ」
そしていつも仲裁役を任されるのがルルテア。なぜかこのような場面に立ち会うことが多いのだ。ある意味、不幸体質。
「ちっ。ルルのいうことですから、ここで引きます。ですが今度は、いくら大元帥だからと言って……」
「うむ。その挑戦、受けようではないか」
「はぁ……キラさんに早く会いたいよ……」
またも火花を散らし始めた二人に、ルルテアはキラとの早い再会を願うのであった。
ども。
キラたちが出てこないからつまらなかったかもしれませんね。でも、次はほのぼのとしたキラたちを出したいと思うので。
ではこれからも『リアルワールド』ともども、よろしくお願いします。




