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第十二話 三堕貴族

 ども、コウです。

 またまた題名が思いつきませんでした。なんででしょうかね? やっぱ、話が転々としてると、難しいんでしょうかね?

 ま、というわけで、今話も楽しんでいってください。

 時は流れてキラの授業。

 宣言していた通り、武術大会出場選手権がクラス内で行われることになった。

「んじゃ、適当にパートナーを組んで。もちろん、あの四人以外ね」


「せんせー」


 グラウンドで、キラが今からすることを促すが、レインが手を挙げて中断させた。

「ん? なにかな?」

「思ったんすけど、もう一人はレックスでいいんじゃないすかね?」

 そう言い、レインは呑気にも欠伸をしているツンツン金髪男子、レックスのほうを指さす。

 指さされたレックスは、それに気付いたようで、あ? という表情をしている。

「へぇ……なんでそう思うの?」

 心なしか楽しそうなキラ。実際に、くすくすと含み笑いをして、レックスを見ながらレインに問う。

 レックスは、若干冷や汗を流しながらキラから視線を外す。

「いや、二時間目の模擬戦でそう思ったから」

「そっか……じゃあ、僕が判断するよ」



 そうして、キラとレックスは戦うことになった。



 場所はそのまま。キラとレックスは互いに向き合って対峙していた。

「なぜこんなことに……」

 心底鬱そうにそうつぶやくレックスの手には、すでに大きな鉄鞭。

「僕じゃ嫌かな?」

 キラも、すでに一本だけ刀を取り出して構えている。

「そりゃあ――――」


「試合、開始!」


「嫌に決まってるでしょうよ!」

 リリィの合図と同時に、レックスはキラに向かって走り出す。そして消失。

「そりゃまた――――」

 からからと笑い、キラは刀を背中に回し、


「嫌われてるねえ」


 突如として現れたレックスの鉄鞭による打撃を、後ろも向かずに完璧に受け止めた。



 次元が違う。二人の戦いは、まさにそう言い切れるものだった。


 視認できないほどの速さで打撃を加えていくレックス、それを全く動かずに軽く受け流していくキラ。

 一見すれば、キラのほうが劣勢に見える。だが、とんでもない。キラのほうが圧倒的に優勢だ。

 動き回るレックスの体力は、ますます減少していく。一方のキラは、動かないことで最低限の力しか使わないようにしている。

 二人が体力底なしであっても、少しのミスが命取りになる。はた目から見て変わりないと思っても、当事者にしてみれば大きな違いとなるのだ。



「ぁあ!」


 盾に構えたキラの刀に、横薙ぎの攻撃を与えようとしたレックスの鉄弁がぶち当たる。

「ちぃっ」

 レックスは力で押して勝ろうとするも、キラはびくとも動かない。

「今度はこっちから、ね」

 あれだけの攻防をしたのに、汗水一つ書いていないキラは、にこりと笑ってそう宣言する。


「っ!」


 途端、キラの力が増し、いとも簡単にレックスをはじき返した。

 危機を感じ、バックステップで距離を取ろうとするレックスだが、ぴったりとくっついて追撃を加えようとするキラ。

 近づいてきたことを利用し、レックスは横薙ぎの打撃を放つ。


「マジっ……!?」


 キラは、信じられないことに鉄鞭を素手で受け止めたのだ。めいっぱい力がこもったものなのに。


「歯ぁくいしばりなよ」


 キラがささやいたと同時、レックスの腹に強烈なけりが繰り出される。

 吹き飛ぶレックス。そして、


「終わり、かな?」


 せき込みながら立ち上がろうとするレックスの周りには、何十本もの雷をまとった剣。

 誰もがレックスの敗北を悟った。

 だが、


「はっ、ジョーダン!!」


 レックスの体の内側から、なにか大気を震わすほどのものがあふれだし、近くにあるものすべてを蹴散らした。

「それでこそっ……」

 不敵な笑みを漏らすキラ。ここで、眠れる獅子が、暴れ出した。


 一切無駄のない動きで高速接近するキラは、見ればいくつもの残像を残している。

 いつの間にか二刀流となったキラは、すさまじい剣技でレックスを圧倒する。

 手数がまし、かつそれらが確実に急所を狙ってくることから、レックスは防戦一方となった。

「くそったれ!」

 今度は引くではなく押し。相手に向かって前進し、リズムを崩しにかかる。

 レックスの鉄鞭による突きが、キラの顔を狙う。が、キラは顔をそらしてよける。

 これでお互い、体勢が崩れた。


 そこでキラが、誰もが予想もつかないことを。

 

 武器である二本の刀を放りだしたのだ。

 そうしてキラは、左拳でレックスの鉄鞭をたたき落とし、瞬時にレックスを組み伏せた。


「さすがに、もう無理だよね」


 うつぶせに地面に押しつけられたレックスは、それ以上動くことができずに肯定する。

 と同時に、生徒達からの歓声がわきあがった。



「さて、と。まあ、戦った感触でいえば、別にレックス君でもいいと思うけど。ほかに反対意見があるんだったら、レックス君に挑んでね」


 一見投げやりのように聞こえるキラの言葉だが、それはとても納得のいく方法だった。誰もレックスに挑もうという生徒はいなかったが。

「あと四十分。……うん、あとは自習! 使い魔と仲良くしてもいいし、誰かと戦ってみてもいいし。自由にしていいよ」

 教師らしからぬことだが、これが若干十八歳教師の人気の一因である。

「あ、大会に出る五人は集合ね」

 五人を呼び出したキラは、大会のルール説明などをした。




「のう、キラ」

 夕方。アゲハたちがリリィを取ってしまったために、ぶうたれたキラは憂さ晴らしにギルドのクエストを受けていた。

 ランクはキング(序列一位)の上。普通、騎士団の幹部クラスが総出でかかるような難しいものだが、キラにはそれがうっとうしいだけのもの。

 相手は、キングベヒーモス二体。(つがい)だ。

 そのうち一頭を捜索中、妖精姿ではなく、普通サイズになったシルヴィーが話しかけてきた。

「妾はあの勇者の使い魔を今日、初めて知ったんじゃが……救世主(ドラゴン)とは、あ奴のことか?」

「……まあ、ね」

 いつになく真剣なシルヴィーに、あいまいな返答を送るキラ。

「またそれは……どんどんと糸が絡み合っていくのぉ。解くのは大変だというのに」

「そう、だね。形なく亡霊(ファントム)が実体化した時から、もうおかしくなってるんだ。この世界は」

「二年前からか……確かにそういえるかもしれんの」

「だから、僕が決着付けなきゃね。全部」

 危険な森の中、手放すわけにはいかない二本の刀握り締めて、誓う。

「じゃが、お主は……」

 シルヴィーもまた、大きな鎌を肩に担ぎ、いったん口をつぐむ。

 そして、



「その体では、死ぬぞ? このまま、戦い続ければ」



 キラとリリィが知りえる、キラの体の秘密。それを、無論シルヴィーも知っている。だから、シルヴィーは警告をせずにはいられなかった。


――――その原因がシルヴィーであっても。


「悪いね。死ぬつもりはないんだ。さらさら」


 それでも、キラはにやりと笑う。

 キラは、気に入らない運命には、とことん抗いたいから。

「そうか……なら、何も言うまい」


――グゥオオオオオオオ!!


 満足したシルヴィーが呟いた直後、キングベヒーモスの高音と低音が混じった独特な雄たけびが、森中に響く。

「さて、獲物も現れたようじゃから、行くか」

「そうだね」

 言うや否や飛び出したシルヴィー。キラはその背中を追った。

 背中に刻まれた、『聖なる刻印』が疼くのを感じながら。



 三十分もかからなかった。二人がキングベヒーモスを狩ったのは。

「おおっ、これは“モスの霜降り”ではないかっ」

「へぇ……あ、こっちも」

 無傷で圧勝した二人は、二体の亡骸から何かいい食材はないかと探していた。本当はいけないことなのだが、生きるのに必死だった頃からの習慣は抜けないものなのだ。

 キングベヒーモスというのは、もとからこんなに強い個体なわけではない。モスという小さな豚のような魔獣から、進化していく。

 進化過程の違いによって、ベヒーモスになるものとキングベヒーモスになるものとに分かれるのだ。

 そして、キングベヒーモスからはまれに霜降り肉が取れることがある。本当に、何百分の一の確率で。

 それが二体とも。だから二人とも喜んでいるのだ。

「もちろん、妾にも食わせてくれるなっ?」

「いっとくけど、リリィのが一番量が多いからね?」

「十分じゃ! 神ともなれば、食しか楽しみがないからの」

 子供のようにはしゃぐシルヴィーを、苦笑しながらも温かい目で見守るキラ。

「さて、帰ろっか」


「ふむ。じゃが囲まれておるぞ?」


「えぇ……無視しようと思ったのに」

 シルヴィーの言うとおり、いつの間にかフードをすっぽりかぶった黒ずくめ達に囲まれていた。

「はぁ……何の用かな?」

 シルヴィーと背中合わせに、キラは目の前にいる黒ずくめに聞いてみる。

『貴様らは、われらの計画に支障が出るような力を持っている。よって、排除』

「っ……! その声の発生の仕方は……グノーシスか」

「早くも目をつけられてしまったのぉ」

 二重に聞こえる低い声。思わず顔をしかめてしまいそうな声は、グノーシスの連中に共通するものだった。

「さて、計画というものがどういうものか教えてくれるとありがたいんだけど?」

『知る必要などない。知っても、すぐに死ぬ』

 十数人の黒ずくめが、一斉に飛びかかってきた。

「キラ! 一人は残しておけ! 妾は制御ができんゆえ」

 シルヴィーは大鎌を消し、代わりに片手に五本、計十本の鎖鎌を出現させる。

 キラも、力を抑えるために二刀流ではなく、二丁銃を使う。

「さてさて。面倒なことになったよ」




『ファントム様に、幸あれ……』


 最後の一人。尋問しようとしたところ、自殺した。その身体は、黒い霧となって霧散。ほかの連中もそうだ。

 これからわかることは一つ。


「愚かにも、闇に身体を売ったのだな……」


 二人とも、この黒ずくめたちに、生気というものが感じられなかった。それが、すべてが闇に飲まれたという証拠。

「てことは、グノーシスはファントムに加勢した、ってことかな?」

 疑問ではなく、確認。

「そうなるの。考えてみれば、この二つはやろうとしていることが同じじゃしな。それに、グノーシスにはメリットが大きい」

 形なき亡霊(ファントム)は、ある意味不死だ。亡霊という実体のないその姿で、何千年も生きながらえている。

 そして、おそらくグノーシスは、ファントムに身体をささげることで、“闇の体”という不死を得たのだ。とはいっても、キラとシルヴィーには関係のない話だが。


「となると、ファントムのメリットは……ああ、生気を喰らうことが目的か」


 それが、キラの出した答え。

 人間の体を得たファントムだが、その体はファントムに合うものではない。強度も、柔軟性も、所詮は人間。歪んでいても、神の力に耐えれるものではない。

 そこでファントムは、人間の生気を喰らうことにしたのだろう。そうすれば、魔法でどうにでも強化できる。

「まったく……どこまで腐っとるんじゃ。胸糞悪い。キラ、もう帰るぞ。ここにいたら妾らまで腐る」

 闇に身体を売る。それすなわち、精神までも売り渡すということ。魂は、闇の体を動かすために必要な部品(パーツ)

 言ってしまえば、すでに人間ではない。魂だけなど、幽霊と同じ。死んだも同然だ。

 神として、人の道を外した者たちは、同情する価値もないのだろう。

「まぁたややこくなったよ」

 まいった。そんな風に頭を掻きながら、キラはシルヴィーの後を追った。




「それでは、これで終わりですわね」

 キラがクエストをしているころ、リリィは何していたかというと、アゲハに頼まれて魔力の制御と炎の扱い方を教えていた。

 ドラゴンであるアゲハだが、暴れることは得意でも力を抑えることは苦手らしい。さらには、魔力が多いので、炎を変幻自在に操れない、と。

 だから、リリィが適任だと思ったアゲハが、この大会を機に教えを請うことになったのだ。

 で、自習練をと、ほかの四人もその場に残ることに。

 そして、八時を過ぎた今、遅いということでリリィが解散させたのだが。


「で、なんであなたは残っていますの? アーバイン君」


 はぁ、とため息をつき、ジト目でレックスを睨む。

 睨まれたレックスは、頭の後ろで腕を組みながらにこにこと笑っている。

「何いってんすか。他人行儀な」

「まったく。で、何の用ですの、レックス。求愛ならお断りでしてよ」

「あんた、おれに死ねって言ってんすか……」

 求愛、と聞いてげんなりとするレックス。

 対するリリィは、ふふふ、と妖艶な笑みを浮かべ、

「ええ。このことがキラに知れたら……」

「ちょっ、俺はまだ何もしてないでしょ!」

「“まだ”? やるつもりでしたの?」

「……俺、まだ死にたくない」

「ならさっさと要件を言いなさいな。いい加減、キラも痺れを切らして、レックスをどうにかするかもしれませんわよ?」

 そういうと、早く帰りたいのかリリィは歩き始める。

 四つん這いになってうなだれていたレックスだが、それに気付いてあわてて追いかける。

「キラさんとはうまくいってるんすか?」

 ポケットに手を突っ込んで、石を蹴りなが問うレックス。

「ふふん。私たちの中が崩れるなんて、万に一つ、いえ、億に一つもありませんわ。なぜそんなことを聞くんです?」

「気になっただけっすよ。意味はないっす」

「あなたは結局、何が言いたいんですの?」



「いやいや。そろそろ帰ってこないのかなあ、と。リリィ大元帥?」



 どこにでもいる、いたずら好きな子供のように笑いながらレックスは聞く。

 大元帥、という単語を聞いて耳をピクリとさせるリリィだが、その顔は懐かしそうに笑みを浮かべている。

「大元帥、ですか。まだ私は、その席に座っているんですの?」

「総帥の娘さんなんすから、当たり前でしょう。キラさんも、変わらずですよ。まあ、仮の大元帥を立ててるんすけどね」

 眉がピクンと。本当に、リリィの片方の眉がピクンと、綺麗に動いた。

「……誰ですか?」

「はい?」

「誰ですの? その仮の大元帥とやらは」

 リリィが立ち止り、レックスの肩をつかむ。その顔は無表情で、なんか怖い。

 レックスは地味につかまれた方が痛むのを感じながら、その恐怖に耐え、答える。

「ル、ルーファン家のやつっすよ」

「ルーファン家…………まさか、あの三堕貴族の一つの……?」

 三堕貴族。それは、堕ちるところまで堕ちた、腐敗貴族三家のことである。態度が大きく、そのくせ自分からは動こうともしない。

 どんな貴族(媚を売る貴族以外)も、この三貴族とはかかわりたくないのだ。

「なぜそのようなことを、お父様が!」

「あぁ~、自分を揺らさないでくださ~い」

「あり得ないでしょう! 大元帥になるには、最低限、キング特上クラスのクエストを単身で完遂できないとだめなんですよ!? それをなんであんな……」

 超高速の勢いで揺らしていたレックスを放し、大きくため息をつく。


「ルーファン家の次男坊が、リリィさんと結婚したいと言ってきたんすよ」


「はい!? なんですの、それは! 私には、正式にキラという夫がいるんですよ!」

 またもがくがくとレックスを揺らし始める。

「あぁ~、それがぁ、ななななんかぁ、認めないぃ、でとかぁなんだかぁ……」

 もう止める気すら起こらないレックスは、時々舌を噛みながらも、ありのままを伝える。

「認めなくて結構! 決めるのは私の意志と、お父様の判断だけですわ!」

 いきなり突き放されるレックス。おかげでがくんと地面に崩れ落ちた。

 リリィは腕を組んで怒り心頭。

「何がうれしくて、あのへっぽこと結婚するんですの!」

「まあ、見た感じイケメンっすけど、キラさんにゃ敵わないっすよね。それに、顔だけで使えないし」

「使えない? 任務を与えたのですの? 即死でしょうに?」

「いや、元帥二人連れてっすけど。様子見でキング上クラスを。したらあいつ腰抜かしてちびってたって!」

 揺れる頭をぶんぶん回しながら、言葉をつなぎ、最後らへんで笑いだす。

 そんなレックスを見て、呆れた顔を見せるリリィ。

「それくらいのことで……貴族が聞いてあきれますわね」

「まったくっすよ。なんに、“最後のとどめは僕がしたぁ”って言いだすもんだから、めんどくさくて……総帥もほっぽってる状態っすよ」

 口真似をするレックスに、ますますリリィはあきれ顔になっていく。

「もういいですわ……で、その次男坊は、この大会に来るんですの?」

「ええ。うちの隊の奴がうっかりリリィさんがここにいるってこぼしてしまって……」

「ほんと、もういいですわ……キラにいっぱい可愛がってもらいましょう」

 話はこれで終わり、とでも言うように、リリィはレックスを放っておき、さっさと歩き去っていった。






「なんつーか、疫病神だろ、こいつ」

「今回ばかりは、同感ですね」

 グランバール郊外の、とある湖。そこで、ヴァンとセレスティーナ――通称セレナは、呑気にも釣りをしていた。

 武術大会までは、約三カ月。そして、湖のこの場所から、グランバールのヴァール学園までは、歩いてもあと三日もあれば着く。

 そして二人は、そこに早々とついても何もすることはないので、意外な共通点である、趣味の釣りをしようということになった。

 なのだが、


「ふ、ふん! この俺様にかかれば、こんな低俗なものなど!」 


 なぜかヴァンの隣には、“仮”大元帥のオーフェン・ルーファンがいた。

 残念なことに、イケメンが唯一の長所である彼は、釣りにも才能がないようで。しかもそれは、周囲に影響をもたらすようで。

 つまるところ、オーフェンが来てから、二人は今の今まで面白いように釣れていたのに、当たりの気配すら来なくなったのだ。


「なんでてめえがいるんだよ! 馬鹿貴族!」


 そんな状況が一時間も続くものだから、もうヴァンの堪忍袋の緒が切れた。

「ば、馬鹿とはなんだ! 高貴なる存在の俺様に向かって! ただの元帥のくせに!」

「ああ!? 人並みにも使えねえお前なんざ、ただの馬鹿でいいんだよ!」

 もともと馬の合わない二人は、一緒にいて一時間もったことがない。今回は、大元帥であるセレナと、釣りをしていたということもあって我慢していたようだが。

「はあ、私からすれば、どちらも同じなのですが」

 こうなった時の二人は、ほとぼりが冷めるまで待つというのが暗黙の了解となっているので、セレナもその例に倣い、静かにしながらぽつりとつぶやいた。

 だが、二人はなぜかそれが耳に入ったようで、


「ちょっ、このド馬鹿といっしょくたにすんな!」


「セレナ嬢! こいつと一緒にしないでいただきたい!」


 口をそろえて叫ぶ。耳元で叫ばれれば、キーンとするが、さすがに慣れているセレナは、事前に耳栓をしていた。

「兄弟ですか……」

「「だから違うって!!」」

 セレナは、からかうのが好きだ。以前までは、リリィがその対象だったが、最近ではこの二人に定着してきている。

 と、セレナは、ヴァンの釣り竿が揺れていることに気付いた。

「ヴァン、引いてますよ」

「おっ、ホントだ! てめえ邪魔すんな! どっかいけ!」

 そしてヴァンは、釣り竿を手に取り、引っ張る。

 彼の筋力なら、たいてい一回、クイッと引っ張れば済むのだが、なかなか獲物が釣れない。

「魚ごときが、逆らうなぁ!」

 負けず嫌いのヴァンは、おれんばかりにしなる釣り竿を、思いっきり引っ張る。

「おっ、来た来たぁ!」

 少し濁っている水面が、ボコリと膨らみ、


「っしゃあ!! って、うおぉ!!」


 湖の水を吹き飛ばして現れたのは、


「二人とも、下がってください! 巨大ナマズです!」


 四本足で大きな体の、ナマズであった。



 ども。

 オーフェンとデイルが、キャラかぶっちゃうなあ、と思って変えたら、こうなっちゃいました。ん~……なんか極端。でも、オーフェンはこの後変わっていく予定なので。……言っちゃっていいのかなあ?

 ということで、これからもよろしくお願いします。


 では宣伝を。なかなか進まない、けどこれから躍進していくであろう僕の二作目『リアルワールド』をよろしくお願いします。



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