プロローグ
『光』と書いて、コウです。初めての小説投稿となるので、おかしな点があったら指摘してください。あと、誹謗・中傷はおやめください。傷つきやすいので。
と、いうことで楽しんで呼んでくれたら幸いです。
「うわぁ……なんか、すごいことになってるなぁ」
「キラ? 思うんですけど、なんでこう、行く先々で厄介なことが……」
「でもそのほうが退屈しなくていいでしょ」
「はあ……」
ある大きな森で。全身漆黒姿の青年と、金髪で紅の姿をした女性が、『千年樹』と呼ばれる巨大な木の影から、かなり怪しい光景を覗きながら、ひそひそと話していた。
「どう見ても、召喚の儀式だね」
「ですけどあの人数……異常ですわ」
その怪しげな光景とは、『召喚陣』と呼ばれる魔法陣の一種を取り囲み、五十人の黒いローブ姿の魔術師たちがいる。
召喚の儀式というものは、一人で行う『使い魔召喚』と複数人で行う『魔獣召喚』の二つに分かれる。今の光景は、まさしく『魔獣召喚』の儀式のほうだが、人数が多すぎる。普通は十人程度だというのに。
さらには、魔法陣の色までおかしい。魔法陣を描く色は、神聖なる色である青か白でなければならないという、いわゆる掟のようなものがあるというのに、目の前にある魔法陣は、赤。
「で、どうする?」
「どうするって……止めるしかないでしょう? 明らかにおかしすぎます」
「ほぉ……誰が何を止めるって?」
声が聞こえ、それとともに二人はその場から飛びのく。直後、地響きとともに、地面に穴が開いた。
「てめえら。何をしていた?」
「何、って……アレの観察だよ」
漆黒の青年――キラ・フォルステインは、自分の妻であるリリィ・フォルステイン(旧姓エルトリア)を少しかばえる位置に移動しながら言い返す。
「ふん、まあいい。見たやつらは殺せという命令だからな。――死んでもらう」
その男、筋肉男は遅くはない速さで近寄り、拳を振ってくる。
だが二人が左右に飛んで避けたことで、男の拳は空を切る。
「ちぃっ!」
「そらっ」
狙いを定めたのか、筋肉男は崩れた体勢を即座に立て直し、キラのほうへと走っていく。が、その動作はキラによって蹴りだされた小石によって止められる。
ドンぴしゃりで目に入った小石に苦しむ筋肉男に、リリィは後ろから強烈な蹴りを放つ。
「そーれっ!」
ふざけた掛け声とともに、キラは吹っ飛んできた筋肉男の鳩尾に膝蹴りを放つ。
「うぼあっ!」
「きたなっ!」
相当な衝撃がきたのか、つばと息を大量に撒き散らす。それによって、リリィとおそろいで古代遺跡から発見したローブに散ってしまった。そして、その恨みをこめてもう一発追撃。
「…………よわっ」
「まあ確かに、口ほどにもないですわね」
泡を吹いて倒れている筋肉男を見下ろす二人は、どこか哀れな目を向けている。
「? この紋章は……」
仰向けに倒れている筋肉男の胸に、何かの紋章が彫られたバッジを見つけた。
キラはそれに気づき、バッジを取って見る。
「十字架に巻きつく……ウロボロス? ってことは、グノーシスか?」
描かれていたのは、十字架、そしてそれに縦に巻きつく蛇ウロボロス。それを意味するのは、昔から存在する正体不明な組織、グノーシス。最近では、千年以上前に起こった『ラグナロク』を、今度は自らの手で起こそうとしているとか。
「だとしたら、かなりやばいね」
ラグナロクは、結果的にはそうならなかったが、世界の終末とも言われる魔獣による駆逐活動だ。だとすれば。今やっている召喚の儀式がそれに関係している可能性が高い。
それに気がついたキラは、リリィを伴って魔法陣のほうへと急ぐ。
――ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!
二人が目にしたのは、魔法陣から吹き荒れる紅蓮の炎。それに巻き込まれ、周りにいた魔術師たちは一瞬にしてとけてしまう。
炎が晴れたとき、二人が目にしたものは――地上最凶、終焉の魔獣と呼ばれる、ドラゴンがいた。




