表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

94/144

13 最終魔人


「もしかしたら、最初の二体は小手調べみたいな意味合いなのか?」

「奴らは最低限の実力を持っているかどうかを振り分けるための役割だ。あまりにも弱すぎては、我と戦う資格などないからな」


 現れたのは、針金のように細い手足を持つ魔族だった。


 体も丸く、頭部には赤い瞳が三つついた異形――。


「お前を倒せば、儀式を完全にクリアしたってことでいいのか?」

「左様」


 うなずく魔物。


「人間ごときに、そんなことは不可能だが――な」


 そして、戦いが始まった。




「が、がはっ……」


 俺はその場に崩れ落ちた。


 強い――!


 最終儀式の魔物は信じられない強さだった。


 レイヴンが『危険』だと言った意味が、よく分かる。


「最初の二つの試練と……違い過ぎだろ……」


 ハアハアと息を荒げながら、立ち上がる俺。


 実際、こんな強い奴と戦うのは初めてだ。


 あのレスティアより上なんじゃないだろうか?

 そして、決勝で戦ったときのマルスよりも。


「まだ生きているのか。さすがにこの試練を受けるだけのことはある」


 魔物が言った。


「……お前を倒せば、試練は終わりなのか? それとも、まだ上がいるのか?」

「私が最後だ」


 俺の問いに答える魔物。


「見事、倒してみせよ。さすれば、お前は魔王の術式を得ることができよう」

「魔王の……術式」


 俺はゴクリと息を飲んだ。


「そうだ、俺がこれから相手をするのは『主人公』と『魔王』なんだ……だったら、俺だって魔王級の力くらいは手に入れないとな」


 魔力を高める。


 ごうっ!


 周囲の空間が焼け焦げるほどの魔力――。


「……あれ? もしかして、以前よりも俺の魔力が上がってる……?」

「試練を二つ潜り抜けたからな」


 魔物が言った。


「一時的にではあるが、お前の魔力は増大している。ただし――試練を最後まで潜り抜けられなければ、その魔力はお前に定着しない」

「一時的でも魔力が上がるのはありがたいよ」


 俺はニヤリと笑って、魔物を見据えた。


「この力で……お前を倒す!」

「そう上手くいくかな?」


 さあ、バトル再開だ。

【大切なお知らせ】

エンターブレイン様から書籍版が発売中です! なろう版から4割近くを書き下ろし、新規エピソードがたくさん入ってますので、なろうを読んで下さっている方もぜひよろしくお願いします~!

広告下の書影をクリックしてもらえると公式ページに飛べます。



【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方は評価やリアクションなどで応援いただけると嬉しいです……!


ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!


また、『リアクションで気持ちを伝えよう』の右にある顔マークを押すと、5つのリアクションが表示されますので感想代わりにポチっとしていただくと、とっても励みになります!


未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ