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12 試練の魔人たちを瞬殺する


 ただ、レイヴンは装甲らしきものをまとっていない。


「俺が知っている術式は、パワードスーツみたいな……全身に装甲をまとっていたはずだ」

「ああ、それは初歩の術式だな」


 と、レイヴン。


「初歩の段階では防御力を上げるために装甲をまとう。が、高位の術者になれば、それは必要なくなる。そもそも装甲があると動きが鈍るし、魔力感知も同様に鈍くなる」

「じゃあ、その全身にまとってる青いオーラは――」

「装甲が変化したもの……いや『昇華』したものと言うべきか。魔力を高めたときに湧き上がるオーラとは別物だ」


 俺の問いにレイヴンが答えた。


「俺にもできるのか、それ……?」

「習得は簡単じゃないが、できるだろう。お前は俺だ。そして俺は――魔法の超天才だからな」


 レイヴンがニヤリと笑った。


「ただし、習得にはかなりの危険が伴う。さっき言った通りさ」

「……具体的には何をするんだ?」

「お前には三つの試練を受けてもらう」


 レイヴンが言った。


「それは高位魔族の術式を身に付けるための試練だ。高位魔族ですら、その試練で消滅し、死ぬことは珍しくない。まして人間であるお前には、その危険度は推して知るべし……それでも受けるか?」

「ああ」


 俺は即答した。


「乗り越えてやる」

「ふん、勇気があるじゃないか」


 レイヴンが鼻を鳴らした。


「俺としては受けてほしい気持ちと受けないでほしい気持ちが半々だな。儀式が成功すれば格段に強くなれるが、失敗すれば消滅する――当然、俺もな」

「けど、やらなきゃ――未来を乗り越えられない」


 俺はレイヴンを見つめた。


「強くなって、未来を勝ち取るんだ。俺も、お前も」




「ふうっ……」


 俺は大きく息をつく。


 目の前には、二体の魔物が倒れている。


「ば、馬鹿な……」

「に、人間ごときが……」


 第一と第二の試練を、俺はまとめて通過した。


「なんだ、意外と弱いな」


 正直言って、拍子抜けだった。


 第一、第二の儀式ともに指定された魔物を倒すというシンプルなものだった。


 で、実際に第一の儀式の魔物と戦っていると、いきなり第二の儀式の魔物が乱入してきたのだ。


 挟み撃ちにされ、一瞬焦ったけど、よくよく見ると、二体ともあまり強くない。


 俺はあっさりと二体を打ち倒してみせた。


「……いや、もしかしたら俺がそれだけ強くなってる、ってことか?」


 二体とも以前に戦った魔族バームゲイルと大差ないレベルのようだった。


 後は最後の儀式だけど――。


「ふむ。我に挑む資格はありそうだ」


 と、前方から人影が歩いてきた。


 ローブとフードで顔や体つきは分からないけど、声からして老人――だろうか?


 右手には長い杖を持っている。


 見るからに魔術師といった格好。


 実際、そいつから感じ取れる魔力は膨大なものだった。


 あるいは――魔王レスティアに匹敵するほどの。


「っ……!」


 さすがに、こいつは第一、第二の試練を司る魔人とは桁違いのようだ。


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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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