表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
79/144

10 優勝者

「優勝――レイヴン・ドラクセル!」


 学園長の宣言とともに、周囲から割れんばかりの歓声と拍手が起こった。


「負けた……」


 マルスは呆然とその場にうなだれていた。


「惜しかったな、マルス」


 俺は彼の元にしゃがみこむ。


「……やっぱり、君は強かったよ」


 マルスが微笑んだ。


 負けても爽やかだ。


 周囲からは万雷の拍手が鳴りやまない。


 観客席を見れば、キサラやマチルダが俺を見て、涙ぐんでいた。


 試合に感動したんだろうか。


「立てるか、マルス?」

「……ちっ」


 俺が声をかけると、小さな舌打ちが聞こえた。


「マルス……?」

「あっ、い、いや、ごめん……大丈夫だよ……」


 マルスは俺の手を取らず、自分で立ち上がった。


「強かったよ、お前も」


 俺はマルスを見つめた。


 主人公を瞬殺できるくらいに強くなろうと志したけど、まだ俺の強さはその域には達していなかったらしい。


 けれど、そんな当初の目標よりもマルスとこれだけの試合ができた喜びの方が勝っていた。




 闘技場を降り、会場の方に戻る途中、


「おめでとうございます、レイヴン様!」


 キサラが駆け寄ってきた。


「ありがとう、キサラ」

「すごかったわよ、レイヴン!」


 マチルダもやって来た。


 そのまま、俺に抱き着く。


「う、うわ……っ!?」

「あたしの分まで頑張ってくれたのよね? 約束、守ってくれたね?」


 彼女が負けたときに、側にいて慰めたことを思い出す。


「ああ。君の分まで、な」

「ふふ、よかったです」


 キサラが反対側から俺に寄り添う。


「キサラの分もだ。二人の想いを背負って戦ったよ」


 俺は彼女たちに微笑んだ。


「さ、戻ろうか」


 これで長かった学内トーナメントも終了だ。


 俺の立ち回りは果たして正しかったのか?


 今後の破滅ルートを回避する方向に働いたのか?


 あらためて検証する必要があるな――。

【読んでくださった方へのお願い】

面白かった、続きが読みたい、と感じた方はブックマークや評価で応援いただけると嬉しいです……!

評価の10ポイントはとても大きいのでぜひお願いします……!


評価の入れ方は、ページ下部にある『ポイントを入れて作者を応援しましょう!』のところにある

☆☆☆☆☆をポチっと押すことで

★★★★★になり評価されます!

未評価の方もお気軽に、ぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ