表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
64/144

14 光の矢

「お前は、魔王教団の同志だったのか……!?」

「違う」


 うめくクーデリアに、俺はキッパリと言い放った。


「俺はこいつらを壊滅させる。ただ情報収集のためにアジトに潜りこんだだけだ」

「……あくまでも敵対するというのですか、レイヴン様……いや、レイヴン!」


 レイナードが叫んだ。


「だが、舐めるなよ! この俺は魔王召喚術を開発し、その過程でみずからに高位魔族数体の力を宿す術式を開発したのだ!」


 その全身から黒い魔力の炎が立ち上る。


 これは――!


「くくく、驚いたか?」


 得意げなレイナード。


 その姿が一変していた。


 身にまとう魔力の炎が奴の体を大きく変質させたのだ。


 今のレイナードは全身を黒い装甲に覆われ、巨大な剣や砲を装備している。


 鎧というより、パワードスーツみたいな外観だった。


「知ってるよ。魔族の力を身にまとう術式【デモノギア】――ゲームの中盤ではこいつらが厄介だったんだ」

「げえむ……?」

「……いや、こっちの話だ」


 俺は全身の魔力を高めた。


「まともな力勝負だと、確かにその術式は強い。だけど弱点もある」


 俺はゲームに出てくる【デモノギア】を思い出しながら言った。


「【フラッシュアロー】」


 光の矢を生み出す魔法だ。


 威力は中の上といったところだけど、術者が狙った場所をピンポイントに撃てる『コントロール重視』の魔法だった。


 ばしゅっ!


 俺の一撃は奴の胸元に命中した。


 だが、黒い魔力の装甲は傷一つつかない。


「無駄だ無駄だ」


 レイナードが笑う。


「お前も、それにそっちの魔法師団も、まとめて片付けてやろう。このアジトの場所を知った以上、俺たちに服従するか、それとも死か――二つに一つだ」

「どっちもお断りだ」


 俺はふたたび【フラッシュアロー】を放った。


 奴の胸元に命中し、またはじけ散る。


「だから無駄だと――」

「【フラッシュアロー】」


 三発目、また奴の胸元で霧散する。


 だけど、俺は四発、五発と【フラッシュアロー】を撃ち続けた。


 普通の魔術師なら、ここまで何発も撃つことはできない。


【フラッシュアロー】一発でそれなりの魔力を消耗するし、魔法というのは連続で撃つと消耗度が一気に上がる。


 だけど、俺の――レイヴン・ドラクセルの魔力量は常人をはるかに超えている。

 その魔力量にあかせた力押しで【デモノギア】の『弱点』を攻略する――。


 ばきんっ。


 やがて、俺が放った三十七発目の【フラッシュアロー】が奴の装甲に亀裂を生じさせた。

【お知らせ】

『ゲーム世界のモブに転生した俺、実は世界最強。目立つのは嫌いなので実力を隠して田舎でのんびり暮らします。弟子の美少女たちを最強レベルに育てたら、みんなが俺を慕って離さないんだが……。』

新作短編です!

広告下のリンクから小説のページに飛べますので、こちらもぜひよろしくお願いします~!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
[一言] 37発も攻撃をボーッと受けてくれるなんて間抜けな敵だな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ