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11 魔王教団

「左様です」


 男が恭しくうなずく。


「そして――その魔王様に対抗する者の存在も」

「魔王に対抗する存在?」

「我らは便宜的に【神】と呼んでいます」

「……確かに魔王の敵対者は神だろうな」


 言いながら、俺は男を見つめる。


 あえて、こういう言い方をしたが、おそらく『魔王教団』が言っている【神】とは一般的に信仰されている神々とは別の存在だろう。


 以前に精神世界で『本来のレイヴン』と戦ったとき、奴がその存在を示唆していた。


 他にも、俺は他の事件でも【神】にかかわる情報を断片的に得たことがある。


 と言っても、ほんの少しだけだけど――まあ、その辺りはいずれ語る機会もあるだろう。


 この世界の運命(シナリオ)を決定し、導こうとする存在――【神】。


 正体不明の存在であり、そしておそらくは、いずれ俺が対峙しなければいけない存在。


 その正体や神にかかわる情報がつかめるなら、こいつらの本拠に行くのもアリかもしれない。


「……分かった。お前たちのところまで行く。ただし――お前たちの仲間になるつもりはない」


 単なる情報収集だ。


「来ていただけるだけで光栄です、レイヴン様」


 男が深々と頭を下げた。


「申し遅れました。わたくし、教団の幹部を務めますレイナードと申します。以後お見知りおきを」

「案内してくれ」


 俺はレイナードに言った。


    ※


「なぜレイヴン・ドラクセルが魔王教団と接触している……!?」


 魔法師団長のクーデリアは困惑していた。


 もともと彼女は魔法師団の任務として、魔王教団を追っていた。


 彼らに不穏な動きがある、という情報が複数寄せられていたからだ。


 本来ならこういった情報収集はもっと下位の者がやるのだが、相手が魔王教団では下手に動くと、その者が殺されてしまう可能性がある。


 そこで危険を鑑みて、クーデリアが自らその役目を申し出たのだった。


 実際、『教団の周囲をかぎ回っている』と知られた時点で、彼らから刺客を差し向けられるため、彼女ほどの戦闘能力がなければ任務をこなすどころか、すぐに始末されてしまうだろう。


 クーデリアも戦闘の覚悟はしているし、予想もしている。


 が、この展開はさすがに予想外だった。


「レイヴンは魔王教団とつながりがあるのか……?」

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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