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7 俺の進路

 魔法師団は、第二部の『魔王大戦編』に入ると、序盤でいきなり魔王軍に全滅させられる。


 いわゆる『かませ』枠なのだ。


 そこに俺が入れば、どうなるだろうか?


 少なくとも魔王軍に全滅させられる未来は回避できる。


 魔法師団が全滅したのは、そのときクーデリアを始め、何人かの強キャラが本部を離れていたことも一因だ。


 だから、俺があらかじめ備えておけば、魔法師団の全滅は避けられるだろう。


 で、その場合は、以降の魔王軍との戦いで魔法師団は大きな戦力になってくれるはず。


 魔王の打倒につながるはずだ。


 とはいえ、今の時点で俺が入団するわけにはいかない。


 俺にはまだ学園でやり残したことがある。


 マルスとの約束がある。


 決勝で戦うという約束が。


 それが終わっても、あいつに対して決戦のフラグが立たないようにしなきゃいけないし、何よりも――。


 まだ、みんなと一緒に過ごしたいからな、俺は。


 ……で、それはあくまでも俺の『気持ち』だ。


 いかに立ち回れば俺の『破滅ルート』を回避できるか……という『立ち回り』は自分の感情とは別に考えなければならない。


 自分の気持ちとは別に、決断しなければならない。


 さあ、どう答えるか――。


「少し……考えさせてもらえますか?」


 俺が選んだのは保留だった。


 入団するにせよ、断るにせよ、その前に一つ確かめておきたいことがある。


「将来にかかわることだからな。早急に決める必要はない」


 クーデリアが言った。


「もちろん、お前が来ることを私は心待ちにしている。が、あくまでもお前がそれを納得し、決断すれば……の話だ。自分の中で考えを整理しないまま決断すべきではないからな。ゆっくり考えるといい」


 雰囲気は厳しくて怖いけど、クーデリアの瞳に宿る光や温かく優しかった。


「ありがとうございます」


 俺は一礼した。


「どういう答えになるかは分かりませんけど、俺に声をかけてくれたこと……そして評価し、誘ってくれたことを感謝します」




「さて、と。少し探りを入れてくるか」


 その日の放課後、俺は自宅に戻るなり出かける準備を始めた。


「あら、お出かけですか、レイヴン様?」


 と、キサラ。


「ああ、二、三時間ちょっと外に行く」


 俺は彼女に断りを入れる。


「少し遅くなるかもしれない」

「どちらへ行かれるのですか?」

「アビス王国」


 俺は彼女に言った。


 そう、そこはゲーム内での本来の魔王――アーヴィスを信仰する邪教の国だ。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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