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1 学内トーナメント編に突入する

 マチルダが俺とキサラに学園トーナメントについて説明していた。


「もう知ってるでしょうけど、おさらいね。この学園において最強と呼ばれる生徒が四人いるわ。魔法学園四天王ね」

「そのまんまのネーミングだよな」

「はい、茶々入れない!」


 ツッコんだ俺に、マチルダがツッコみ返した。


 気合いが入ってるな、マチルダ……!


「お、おう」

「で、まずは四天王筆頭にして学内ランキング1位。『帝王』ブライ・ザック。爆裂系魔法を得意とする三年生よ」


 マチルダが言った。


「続いて学内ランキング2位、『雷光姫』アリサ・ディルブレイク。同3位、『魔剣士』ファービィ・エッジ。同4位、『白銀結界』ラーミア・シェル。この三人も四天王よ」

「その四人が注目選手か」

「まだまだ。他にも三十人くらいいるわよ」

「いや、そんなにいても覚えきれないし……」


 俺は苦笑した。


「まあ、優勝するためには全員倒せばいいんだよな?」


 苦笑を微笑に変え、俺はマチルダに言った。


「それはそうだけど……優勝する気なの?」

「なんだよ。マチルダだってそうだろ?」

「そう……だけど、あんたみたいに自信満々じゃないわよ」

「ですね。私も全力は尽くしますが……さすがに上位に行くのは厳しいと覚悟しています」


 と、キサラ。


「ただ学内最高峰の選手たちと戦えれば、貴重な経験を積めると考えています。その先に、私自身がもっと強くなる道も見えてくるはず――」

「だよね。あたしも同じよ」


 マチルダがうなずいた。


「さすがに入学したてのあたしたちと、この学園で学んできている上級生との差は大きいはずだからね。とはいえ、あたしは上位を目指すわよ」

「私も精一杯がんばります」


 二人は張り切っているようだ。


「トーナメントは5月にあるんだっけ? 俺――優勝しないとな」


 俺は淡々と宣言した。


 別にうぬぼれているわけじゃないし、傲慢になっているわけでもない。


 高位魔族すら問題にしない俺が、いくら優秀とはいえ学園の生徒クラスに負けるはずがない。


 何よりも、こんなところで誰かに負けていては、いずれ迎えるかもしれない主人公マルスとの戦いで勝てるわけがない。


 俺は――誰よりもブッチギリで強くなるんだ。


 その道は、誰にも途切れさせない。


「うー……まあ、あんたには勝てないか」

「でもレイヴン様と対戦できたら光栄です」




「はっ、一年の分際で『俺が優勝する』だと。舐めんな」




 一人の男子生徒が歩いてきた。


 金髪にツンツン頭、三白眼にピアス――優等生っぽい生徒が多い中では異色の、まるでヤンキー漫画に出て来そうな風貌をしている。


「ブライ・ザック……!」


 そう、彼は学園最強の『帝王』と呼ばれる生徒だ。


 学園ランキング1位のブライ・ザック――第一部の『魔法学園編』ではラスボス級の強さを誇る強キャラである。


 俺はあらためて彼……ブライさんを見た。


 いかにもケンカが強そうな風貌ではあるけど、魔術師にとって腕っぷしの強さは二の次だ。


 問題は、魔力の強さ。


「うーん……他の生徒よりはさすがに強そうだけど、そこまで大した魔力じゃないな」


 あ、しまった、口に出してしまった。


 ……まあ、いいか。


 こうやっていちいち威圧的な態度を取ってくる奴は、どうにも気に入らない――。

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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