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29 魔獣捕獲作戦

 振り返ると、巨大な魔獣が向かってくるところだった。


 個体名は【ダイヤモンドバイソン】。


 名前が示す通り、全身がダイヤモンドの装甲で覆われた、牛型の魔獣だ。


 こいつはゲーム終盤に登場する強敵モンスターである。


 この世界の生物ではなく、魔界にしか生息していない存在だ。


 特徴は、何と言ってもその圧倒的な防御力。


 とにかく硬いの一言に尽きる。


 とはいえ、俺の攻撃魔法ならダイヤモンドの装甲だろうと一撃で粉砕できる自信があった。


「とっとと倒すか――」


 反射的に最大火力で吹き飛ばそうとした瞬間、ハッと気づいた。


「……っと、調査のためには、生け捕りにした方がいいんだったな」


 敵をただ撃破するのとはわけが違う。


 生け捕りとなると、勝手が大きく異なる。


 慎重な立ち回りが必要になるだろう。


 ばりばりばりっ!


 思考を巡らせていたところで、敵の魔獣が雷撃を放ってきた。


「【シールド】!」


 俺は即座に魔力障壁を展開し、その攻撃をあっさりと防ぐ。


 攻撃力はそれなりに高いようだけど、高位魔族には遠く及ばないレベルか。


 しょせん俺の敵じゃない。


 問題は、やはり『どうやって生け捕るか』――その一点に尽きる。


「威力の弱い魔法で、じわじわと体力を削っていくか……。いや、しかし……」


 俺の魔法は基本的に威力が強すぎる。


 敵を撃破する際には最強の武器となるこの力も、こと生け捕りを目的とする場合には、大きな枷となってしまう。


 加減があまりにも難しい。

 それなら――。


「俺が奴の攻撃を完全に防ぐ。エイル、キサラ、マルス、三人は連携して奴の体力をじわじわと削り、無力化してくれ」


 俺の指示を受け、エイル、キサラ、マルスの三人が絶妙な連携攻撃を開始した。


 マルスも以前のような弱気な様子は微塵もなく、的確に攻撃をこなし、【エルシオンブレード】で敵の前足を鮮やかに切断する。


 ぐおおおおんっ。


【ダイヤモンドバイソン】は体勢を崩し、行動不能に陥った。


 よし、無力化成功だ。


 と、その刹那――。


 新たな【ダイヤモンドバイソン】が、俺たちの背後から音もなく出現した。


 まずい、二体目――!?


 出現と同時に、二体目の魔獣が鋭利な角を向けて、猛然と突進する。


 目標は――エイルだ。


「よけろ!」


 俺は慌てて叫ぶが、一歩遅かった。


「がっ……」


 エイルがその角に貫かれ、鮮血をほとばしらせながら地面に崩れ落ちた。


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『打ち切られた場合、作品が中途半端なところで終わってしまう』という形にはならないので、そこは安心してお求めいただければと思います。

(3巻以降も続くようであれば、その展開も考えてあります)

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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