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22 マルスの戦い2

「次、俺といいかな?」


 ジャネットとの試合を終えたマルスに、すぐに次の相手が名乗りを上げた。


 黒髪の勝ち気そうな青年。


 序列二位にして、次期エース候補のエイル・クラッカーだ。


 俺も昨日の模擬戦で戦い、勝利したものの……十分に手ごわさを感じる相手だった。


 模擬戦じゃなく実戦という形なら、たぶんもっと苦戦しただろう。


 この難敵に、マルスはどう挑む――。


「君の新しい剣技は興味深い。俺とも手合わせ願おうか」

「はい、よろしくお願いします!」


 マルスは疲れた様子も見せず、即座に承諾した。


 彼の目には、さらなる闘志が燃えている。


 こういうところも、明らかな変化だった。


 以前のマルスより積極性も増しているように感じる。


 たった一日の間に、いったい何があったんだろう。


 メンタルの状態が格段に上向きになったうえに、新しい必殺術式まで身に付けて――。


 人知れず修行でもしていたんだろうか?


 なんにせよ、俺はマルスを見守り、応援するだけだ。


「がんばれ、マルス!」

「うん、やれるだけやってみるよ」


 俺の声に手を挙げて答えるマルス。


 その顔には自信と闘志がみなぎっている――。




 そして、二人の戦いが始まった。


「【視覚迷彩】【気配隠蔽】【高速接近】!」


 エイルは開始と同時にコンボ魔法を発動した。


 その姿が消え、マルスに高速で接近する。


 出たな……。


 俺は思わず内心でうなった。


 昨日の模擬戦では、俺もこれに幻惑されたんだ。


 マルスもそのときの戦いを見ているはずだけど、それでもなお幻惑されていてるらしい。


「ど、どこから――」


 と、目を泳がせている。


 エイルの動きを捉えられていないようだ。


「【ルーンブレード】!」


 死角から現れたエイルが、魔力の剣で斬りかかった。


 反応できない――!


 がきいんっ!


 マルスはとっさの反応で、黄金の剣で受け止める。


 例の【エルシオンブレード】だ。


「よく受けた! だけど、まだ続くぞ!」


 エイルが追撃をかける。


 その剣戟は速く、重い。


 マルスの接近戦能力も、明らかに以前より上がっているとはいえ、それでもなおエイルの洗練された剣技にはついていけていない。


「くっ……!」


 防戦一方に追い込まれるマルス。


「隙あり!」


 エイルの剣がマルスの防御を潜り抜け、浅く肩を切り裂いた。


「くっ……」


 防御結界で守られているから、実際に肉体が傷つくわけじゃないが、代わりにライフポイントの表情が大きく減った。


 この模擬戦は互いに受けたダメージを結界が自動計算し、ライフポイントとして反映するシステムだ。


 ライフがゼロになるか、制限時間が終わった後にライフが少ない方が負け。


 マルスはここまで大きくライフを減らされた以上、反撃に出るしかない。


 時間切れになればマルスの負けだからな。


「がんばれ、マルス」


 俺は手に汗を握り、応援する。


「大丈夫だ、お前なら勝てる――!」

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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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