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20 魔法師団、二日目

 翌日の朝、俺は魔法師団の訓練施設にやって来た。


「おはようございます」


 先輩たちに挨拶をする。


「おはよう」

「今日もよろしくな」


 みんな、優しい。


 初日で俺の実力が認められたためかもしれないけど、最初は懐疑的な目を向けていたっぽい人たちも、すっかり俺を歓迎しているような雰囲気に変わっていた。


 ……まあ、初日の訓練は二十回以上模擬戦をやって全勝だったかrな。


 エース格の人たちも何人か倒したし。


 とはいえ、それで自惚れていてはいけないのも分かっている。


 訓練はしょせん訓練だ。


 しかも昨日やったのは、あくまでも一対一の模擬戦。


 実戦は一対一じゃなく一対多数や多数対多数の状況の方が多いだろうし、試合と違って変則的なシチュエーションだって多々あるだろう。


 当たり前だけど、実戦では何が起こるか分からない。


 あらゆる状況に対応し、魔族軍に勝利し、そして平穏な生活を守る。


 もちろん、そこには俺自身の平穏も含まれている。


 勝利と、その先にある破滅ルートの回避。


 さらにその先には、俺自身の幸せな生活が待っていると信じている。


 だから――その日が来ることを信じて、今日も訓練に励もう。

 と、


「おはよう、レイヴンくん」


 マルスが声をかけてきた。


「おはよう――」


 挨拶を返したところで、ハッとなった。


 マルスの顔つきが――昨日と違う?


 いや、最近はずっと暗く沈んでいたこいつの顔が、今日はどこか違うぞ。


 何か吹っ切れたような清々しさを感じる。


 それでいてピンと張り詰めた顔つきには覇気がみなぎっていた。


 何があったんだろう――?


「僕、精神的に色々と迷ったり、悩んだりしていたけど……もう吹っ切ることにしたんだ」


 マルスが切り出した。


「マルス……?」

「君を不快にさせるような態度もいっぱい取ったよね。今まで本当にごめん」


 深々と頭を下げるマルス。


「そんなこと、いいって。そもそも不快になんてなってないよ」


 俺はにっこり笑った。


「友だちだろ、俺たちは」


 と、手を差し出す。


「これからもよろしく」


 よかった。


 マルスが、いつものマルスに戻っている――。


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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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