表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

131/144

18 【エルシオンブレード】

 ディフォール対マルス――。


 決戦の火蓋が、切って落とされた。


「【エルシオンギア】の力、だと……!? 馬鹿な、なぜ人間のお前がそれを!」


 ディフォールが驚愕の声を上げる。


 その隙を、マルスは見逃さない。


 どんっ!


 地を蹴り、一瞬でディフォールとの間合いを詰める。


「ぐっ……うううっ……!」


 あまりの速度に体がちぎれそうだった。


 元来、マルスは魔術師である。


 身体能力は人並み程度だし、こんなふうに接近戦の間合いで戦う機会はほとんどないに等しい。


 だが、新たに目覚めた力――【エルシオンブレード】は接近戦用の魔法兵装だ。


 まず間合いを詰めなければ使用できない。


 そして、今のマルスは【エルシオンブレード】の力を受けて、身体能力が異様なまでに増大していた。


 その圧倒的なパワーに戸惑いつつも、マルスはひたすら駆ける――。


「はあっ!」


 そして黄金の剣【エルシオンブレード】を振るった。


「ちいっ……!」


 ディフォールは辛うじてそれをかわすが、その表情には焦りの色が浮かんでいた。


 マルスの猛攻は止まらない。


 剣戟の応酬。


 魔法の応酬。


 最初は戸惑いながらも、マルスは徐々に【エルシオンギア】の力に慣れていった。


 まるで最初から自分のものだったかのように、力が体に馴染んでいく。


「お、おのれ――」


 ディフォールの顔には、はっきりと焦りの色があった。


 次第にその戦いは互角となり、さらに――。


「おおおっ!」

「なっ……!?」


 マルスの一撃が、ついにディフォールの防御を打ち破った。


 ディフォールの頬を剣先がかすめ、一筋の血が流れる。


「馬鹿な……先ほどまでとは、まるで違う! この私が――」


 信じられない、というようにディフォールがうめく。


 相手の劣勢は明らかだった。


 マルスは戦いの最中にも、さらに力を増していく。


 どこまでも、無限に。


「僕は強くなる!」


 マルスは叫んだ。


 剣を構え直し、ディフォールをにらみつける。


「この一戦で! セレンのために! セレンの想いを背負って!」


 黄金の輝きが、マルスの全身を包み込んでいた。


 それは、悲しみを乗り越え、決意を新たにした主人公の輝きだった。


「そしてディフォール! 君を倒す!」


 いよいよ決着の時が来たことを、マルスは確信していた。


【書籍版のお知らせ】

書籍版2巻発売中です! こちらは完全書き下ろしになります。

広告下の画像クリックから通販の一覧ページに飛べますので、ぜひ!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ