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14 エルシオンギア

「神の……力?」

「人が魔族の力を得るための術式――【デモノギア】。それと対を為す神の力を得るための術式があるのです」


 セレンが厳かな口調で説明する。


「その名を――【エルシオンギア】」

「エルシオン……ギア」


 マルスはその名を復唱した。


「……まさか、それを人間に伝える気か」


 ディフォールの顔から、先ほどまでの穏やかな笑みが消えた。


「人間に、そこまでの力を与えると?」

「彼ならば使いこなしてくれます。そして彼ならば」


 セレンは微笑み交じりにマルスを見つめた。


「正しいことに、その力を使ってくれます」

「あ、あの、僕、何の話か――」

「あなたが望む『強大な力』を授けると言っているのですよ、マルス」


 セレンがマルスを見つめる。


 真摯な雰囲気をたたえた瞳に、吸い込まれそうな錯覚を受けた。


「今、この世界は魔族の脅威にさらされようとしています。私たち天使は人間を守るべく派遣されましたが――その力を十全に発揮することはできません」


 セレンが続ける。


 マルスは息も継げずに、その説明を聞いていた。


「それはこの世界全体が神以上に強大な存在によって、ある種の『制約』を受けているからです」

「神以上の……?」


 マルスは眉根を寄せた。


 この世界における超存在ともいうべき神と魔族。


 そのさらに上位の存在がいるなど、聞いたこともない。


 が、セレンの顔は真剣だった。


「世界そのものを創造し、規定し、束縛する者……すべての上に君臨する【絶対者】――それは神に属する者の力を縛り、魔に属する者には力を授ける存在です」

「魔族の味方、ってことですか?」

「いえ、【絶対者】の目的は……『人間に試練を与えること』だとされています」


 セレンが言った。


「だから、この世界においては神の眷属より魔の眷属の方が有利に戦えるのです。魔に対抗する手段は神や天使ではなく――あなたたち人間に委ねられている。だからこそ、あなたに託したいのです。絶大なる神の力を。その一端を」


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忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


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