表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

119/144

6 魔力で劣る者の戦法

「……癪に障るが認めるしかないな。確かに――お前の魔力は、この俺を大きく上回っている」


 エイルは悔しげな顔で言った。


「おそらく、この魔法師団の誰よりも……それも圧倒的に魔力が高い」

「素直だな」


 天下の最強魔法師団に所属する次期エースが、こんなにあっさりと『俺の魔力の方が上』だと認めるとは。


 ちょっと意外だった。


 同時に、厄介だとも思う。


 むしろ変にプライドに固執するタイプの方が、よっぽど与しやすい。


「事実は事実として受け止める。そのうえで対策を立てる――ここのメンバーなら当然のことだ」


 エイルがふんと鼻を鳴らした。


「プライドや体面など二の次。俺たちは常に結果を求められるんだ。成功と勝利――それだけが俺たちの存在価値だからな」

「なるほど……ご立派だ」


 うなる俺。


「俺とお前の魔力差を把握したうえで――いくぞ!」


 エイルが突っこんでくる。


「魔力の大きさが、勝敗に直結するわけじゃないことを教えてやる!」

「接近戦で来る気か――」


 俺は接近戦はそこまで得意じゃない。


 遠距離から大火力でブッ飛ばす――という身も蓋もない戦法が一番得意なのだ。


 字面を見ると、本当に身も蓋もないが……。


 とにかく、間合いを近づけさせないほうがいい。


「【サンダー】!」


 雷撃を広範囲に放ち、弾幕代わりに撃ちまくる。


「俺を近づけさせない気か」


 エイルがつぶやいた。


「だが、そいつはさっきのジャネットとの試合で見せてもらったぞ――」


 どごぉっ!


 俺の雷撃が、奴を直撃した。


 そのまま吹き飛ばされていくエイル。


「よし――あ、あれ?」


 が、吹っ飛んでいったのは、どうやら幻像だったらしい。


 じゃあ、本体はどこに……!?


「こっちだ」


 すぐ目の前にエイルがいきなり出現した。


「えっ……!?」


 いつの間にか接近を許していたことに驚く。


 といっても、瞬間移動のような魔法じゃない。


 少なくともこのゲームに瞬間移動のような魔法は存在しない。


 今のはたぶん――。


「【視覚迷彩】【気配隠蔽】【高速接近】――複数の魔法を組み合わせれば、これくらいのことはできる」


 エイルが淡々と告げた。


 コンボ魔法――か。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↑の☆☆☆☆☆評価欄↑をポチっと押して
★★★★★にしていただけると作者への応援となります!


執筆の励みになりますので、ぜひよろしくお願いします!


▼書籍版2巻がKADOKAWAエンターブレイン様から6/30発売です! 全編書き下ろしとなっておりますので、ぜひ!(画像クリックで公式ページに飛べます)▼



ifc7gdbwfoad8i8e1wlug9akh561_vc1_1d1_1xq_1e3fq.jpg

▼カクヨムでの新作です! ★やフォローで応援いただけると嬉しいです~!▼

忌み子として処刑された僕は、敵国で最強の黒騎士皇子に転生した。超絶の剣技とチート魔眼で無敵の存在になり、非道な祖国に復讐する。


― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ