28 天使と魔族の狙いは
「【バニッシュフレア】!」
「【螺旋魔弾】!」
俺とマルスが同時に攻撃を放つ。
「くっ、人間がこれほどの力を――?」
天使たちは驚いた様子を見せ、空中で後退した。
いける――。
見た感じ、奴らの実力は高位魔族レベルだろう。
俺はその高位魔族バームゲイルを問題なく退けているし、まともにやれば、まず負けない。
後は――。
「……僕は足手まといにはならないよ」
俺の視線に気づいたのか、マルスから軽くにらまれた。
「い、いや、足手まといなんて思ってないって!」
俺は慌てて言った。
とはいえ、マルスの実力が天使にどこまで通じるか未知数だ。
「まだまだ!」
俺はさらに【バニッシュフレア】を連発した。
「まるで高位魔族か、それ以上の――ええい!」
天使たちは焦ったように、さらに後退した。
奴らの反撃が来る――?
俺は身構えた。
「――退くぞ。いったん指示を仰ぐ」
が、天使たちは拍子抜けするほどあっさりと撤退を選択する。
俺を忌々しげににらんだ後、天使たちはあっという間に空高くまで消え去った。
いや、彼らだけじゃない。
空いっぱいに広がっていた、他の天使たちも、一斉に空高く舞い上がり、消え去っていく。
「逃げた――」
マルスが呆然とした様子でつぶやく。
「なんだったんだ、あいつら……」
見上げた空には、もう天使の姿はどこにも見えない。
それが逆に不気味で、胸の奥をモヤモヤさせた。
「本当にいなくなった……のか?」
俺はなおも警戒を解かず、身構えている。
と、背後からバタバタした気配が近づいてきた。
「レイヴン様、ご無事ですかっ!」
キサラの声だ。
振り返ると、彼女は青ざめた顔で俺を見ていた。
「問題ないよ。マルスも無事だ」
俺はにっこりと答える。
「……僕は何もしていないけどね」
マルスがぽつりとつぶやいた。
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