27 VS天使
「マルス、巻き添えを食うぞ。下がってるんだ!」
「……僕が足手まといだって言うのかい?」
マルスの表情が険しくなった。
「い、いや、そんなことはないけど――」
俺はその態度にたじろぎつつ、
「お前の実力は知っている。けど、今回の相手は天使なんだ。未知の敵だ。だから――」
「未知の敵なのは、レイヴンくんにとっても同じでしょ。危険だっていうなら、君も僕も条件は同じ」
マルスが食い下がる。
「僕だけが下がってなきゃいけないっていうのは、君が僕を自分より劣ると――足手まといだって宣告しているのと同じだよ」
うっ、そこまで言われると、これ以上言いづらいな。
「……分かった。けど、さっきも言ったように未知の敵だからな。深入りせずに行こう」
「了解だ」
微笑み、マルスが俺の隣に並ぶ。
「はは、お前が一緒だと心強いよ」
「僕の台詞さ」
俺たちは笑い合った。
「ふん、人間がたった二人で天使には向かうつもりとは――」
先頭の天使がため息をついた。
「不遜にも程がある。身の程知らずにも程がある。罪深いにも――程がある!」
ばりばりばりばりっ!
同時に五体の天使が稲妻を放った。
いきなり先制攻撃か!
「【螺旋魔弾】!」
マルスが迎撃の魔弾を放つ。
無数の稲妻は、螺旋回転する魔弾に絡めとられ、あさっての方向に散らされた。
「すごい――」
「僕だって強くなってるんだよ。修行を重ねてるからね」
マルスがドヤ顔になった。
「ちょっとは見直した?」
「素直に――感心したよ」
俺はマルスに言った。
「下がってろ、なんて言って悪かった」
「君にそう言ってもらえると嬉しいよ。認めてくれたってことだね」
マルスが笑顔になった。
よし、一気に天使を追い払うとするか――。
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