20 キサラとの距離
「えっ、し、寝室で……ですか!?」
キサラは顔を真っ赤にした。
「そ、その……レイヴン様がお望みなら――で、でも、私、まだ心の準備が……ああ」
「ん?」
「は、初めてなので……優しくしてください……っ」
「???」
そういえばキサラにはこの前、告白同然のことを言われていたんだよな……。
どう接したらいいんだろう。
マチルダにも同じように告白同然のことを言われて。
俺は答えを出せないでいる。
と、
「……この間のことを気にしてらっしゃるのですね」
キサラが悲し気な顔をした。
「い、いや、それは――」
俺は口ごもった。
「困らせてしまって、申し訳ありません。私のようなメイドが、あまりにも出過ぎたことを……」
「違う! 君の言葉は嬉しかった! 本当だ!」
俺は思わず叫んでいた。
キサラを抱きしめる。
「あっ……」
驚いたような声を出しつつ、キサラも俺を抱きしめ返してきた。
「ただ、心の整理が上手くつかなくて……マチルダのこともあるし……俺は――」
「いいんです。私はこうしていられるだけで」
キサラが告げる。
「でも、レイヴン様はマチルダ様と婚約してらっしゃいます。去れと言われれば去ります。側にいたいというのは、私の我がままにすぎません」
「キサラ――」
「ただお許しいただけるなら、これからもお傍にいさせてください。レイヴン様、ずっとお傍に……」
「これからどうなるかは分からないけど、俺は君に側にいてほしいと思ってる」
俺はため息をついた。
こんな答えしか返せない自分がもどかしい。
「いいんですよ、それで……私は、幸せです」
キサラが顔を上げ、嬉しそうに微笑んだ。
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