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鬼面ソルジャーズ・神(Sin)  作者: HasumiChouji
第二章:護国軍鬼
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(2)

 その日、「鬼面ソルジャーズ」リメイク版の打ち合わせが行なわれた。

 「鬼面ソルジャーズ」の権利を持つ日本の会社と、アメリカのスタジオを結んだオンライン会議だ。

 主演は、二〇〇〇年代前半にTV放映された特撮番組の主演俳優に決った。……と言っても、その特撮番組に出た時点で、二〇(はたち)前だったので、まだ、三十代後半で、しかも齢より若く見える顔立ちなので、まぁ、二十代の主人公だと言っても通じるだろうが。

 ただ、監督のこだわりで、撮影までの間、柔道と空手の道場に通う事になったらしい。主人公が空手と柔道の有段者と云う設定なので、変身前の役でも、武道をやっている人間特有の立ち振る舞い……例えば歩き方や姿勢……だけでも身に付ける事になった。

 しかも、海外資本の映画は、日本と違って予算も潤沢なのか、道場に通ってる時間もギャラが出るらしい。

 あのロボットの動きは、本職の空手家の動きを取り込む事になるらしい。

 主人公である鬼面ソルジャー1号鬼の必殺技「鬼龍トルネード」のような「廻し蹴り」は、元々は空手の技ではない。

 本放送の頃に、ようやく、「廻し蹴り」を取り入れる空手の流派が出始めたらしい。

 逆に言えば……二〇二〇年代の今なら、ある程度以上の技量を持つ空手家なら、ファンがイメージする「鬼龍トルネード」に近い「廻し蹴り」を使う事が出来る。

 そして、撮影にはCGは最小限しか使わないが……それでも、意外な所で使っていた。

 既に、劇中の最終決戦の撮影現場である廃工場の中は3Dモデル化されていて……「監督が意図した通りの『画』が撮れるか?」の検証にCGが使われていた。

 しかし……打ち合わせでは、監督が意図した「登場人物の目に写った光景を映像化する」と云うのは3D−CGでも、めずらしいやり方のようで、3D−CGソフトの改修が必要になったそうだ。

 無茶苦茶すぎる。

 本篇撮影ではなく、意図した撮影が可能なのか? を検証する為だけに、コンピューターのソフトを改造するなど……。

 打ち合わせが終ったのは、夕飯時を1〜2時間過ぎた頃。

 例の伝染病で飲食店の営業時間は制限されているが……俺と若いスタッフや出演者は一緒に食事に行き……。

 久し振りだった。

 所属している劇団の関係者ぐらいの狭い交友関係の外に居る誰かと……楽しい気分で食事が出来たのは……。

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