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俺の妹が幼女でかわいすぎて神。マジ神。幼女神。妹幼女神。  作者: 坂東太郎
『第四章 神かわいい妹のためならお兄ちゃんはなんでもできる』
14/16

第一話 張り切って支度する妹もかわいい


 支度を終えて部屋を出てリビングに戻る。

 ドアを開けると、待ち構えていたヒメに飛びかかられた。


「おっと。お待たせ、ヒメ!」


「うんっ! あのね、ヒメもじゅんびできたんだよ!」


「一人で準備できるなんてヒメが賢すぎる!」


「えへへー」


「よーし、じゃあお兄ちゃんと確認しようか」


「はーいっ!」


 小さなヒメが、ぶんっと小さな手をあげた。

 張り切る妹が元気かわいい。


 ヒメは、張り切りすぎてもう背負ってた小さなリュックを下ろす。

 ジジッとチャックを開けて俺を見上げてくる。


「まずは、ハンドタオル!」


「はーい!」


 声かけチェックすると、ヒメはリュックからさっとハンドタオルを取り出した。

 ウサギ柄だ。

 動物園に行くからって合わせてきたらしい。

 妹が5()()なのに気配りできすぎてすごい。


「ウェットティッシュとティッシュ!」


「えっとね、すぐつかえるように、ちいさいポッケにいれた!」


「おー、えらいぞヒメ! さすがヒメ!」


「えへへー」


「ハンカチ!」


「はいっ! これね、お兄ちゃんにプレゼントしてもらったヤツなんだよ」


「うぇへへー、そっかー、お出かけに持ってってくれるのかー。お兄ちゃん嬉しいなあ」


 ズボンのポケット、じゃなかった()()()から、()()()5()()()()()()にプレゼントしたハンカチが出てきた。

 こっちは猫ちゃん柄だ。

 一年以上も使ってくれてるし、お出かけに持っていくほど気に入ってくれてるのがうれしい。

 今年は何をあげようか、いや、誕生日に限らず遊園地でいろいろ買ってあげるのもいいんじゃないだろうか。

 動物の大きなぬいぐるみを抱えるヒメとかかわいすぎる気がする。想像しただけで鼻血出そう。


「お兄ちゃん?」


「おっと、ごめんごめん。えーっと、水筒!」


「はい! お兄ちゃんがのみものいれてくれたの!」


「うん。春でもこまめに水分補給していこうな。なくなりそうになったら言うんだぞ」


「はーい」


「じゃあ次、ここから大事なヤツだぞー。お財布!」


「はいっ! あのね、きのう、百華ママにおこづかいもらったんだよ! おみやげおねがいねって!」


「おおー。じゃあ、一緒に選んで、渡すときにお礼を言おうな」


「うん!」


 首からさげた軽くて小さなポシェットがヒメのお出かけ用お財布だ。

 今日来られないからって、百華さんがくれたお小遣いもちゃんと入ってるらしい。

 いつもありがとうございます。お土産を頼むことで自然と渡すあたりさすが母親経験者。


 ちなみに、ポシェットには名前と住所と俺の連絡先が書かれたメモも入ってる。迷子になった時用だ。

 ヒメは賢いから名前も住所も俺の電話番号も言えるけど、俺が近くにいないと不安になってパニクっちゃうかもしれないからね。目も手も離すつもりはないけど。


「防犯ブザー!」


「はいっ!」


「ちゃんと手の届く場所につけててえらいぞヒメ。困った時はすぐ使うように。そしたら、ヒメがどこにいてもお兄ちゃんが駆けつけるからな!」


「はーい! お兄ちゃんアンテナは?」


「お兄ちゃんアンテナでヒメがどこにいるかわかるけど、来てほしいのか一人でがんばりたいのかはわからないんだ」


「そっかあ。じゃあ、お兄ちゃんたすけてってなったらぎゅってひっぱるね!」


「使い方も覚えてるヒメえらい!」


「んふふー」


 ヒメが、リュックの左の肩紐につけた防犯ブザーを手にニマニマ照れ笑いする。

 防犯ブザーはパンダ柄で、引っ張ると音が出るGPS機能付きのヤツだ。

 ちょっとお高いけどタイプだけど、ヒメの安全には代えられない。

 相談した父さんと母さんもお金の使い道として納得、というか二人は「セコ○しよう」とか言い出して断るのが大変だった。気持ちはわかるけどお兄ちゃんセ○ムがあるので。


「それと、最後に。ヒメ隊員のバッジ!」


「ここにつけたんだよ! お兄ちゃんたいちょーは?」


「お兄ちゃん隊長も右胸につけてるぞー」


「わあ、おそろいだ! お兄ちゃんは1なんだね!」


「そうだぞー、ヒメが0で、俺が1だ! ほら、これ」


「えっと、2番?」


「おー、数字が読めてすごいぞヒメ! ウチのヒメは天才かな?」


「えへへ……あっ! ヒメわかったよ! これ、千花ねえのぶんだ!」


「正解! ヒメは(かしこ)かわいいなあ!」


 わしゃわしゃ頭を撫でると、ヒメはくすぐったそうに目を細めた。

 昨日切ったばっかりの髪はだいぶ軽い。


 持ち物の声かけチェックを終えたところで、家のチャイムが鳴った。

 インターホンのモニターを見る。


「おっ、千花が来たみたいだ。準備もOKだし、お出かけに行こうか」


「はーいっ!」


 ヒメがリュックを背負うのを待って、一緒にリビングを出る。

 二人並んで靴を履いて、玄関の扉を開ける。


「おはようヒメちゃん。ミコトもおはよー」


「千花ねえ、おはようございます!」


「ご挨拶できてえらいぞヒメ! おはよう千花」


「なんだろすごく温度差を感じる。いいけど。いつものことだけど」


「よし! 今日は動物園をパトロールします! 行くぞ、ヒメ隊員!」


「はいっ! お兄ちゃん隊長!」


「えっと……?」


「ほらヒメ、千花に例のアレを」


「そうだった! あのねえ千花ねえ、これ、千花ねえにあげる! 2ばんなんだよ!」


「ありがとうヒメちゃん。……缶バッジ?」


「全世界八百万(やおよろず)のヒメイト垂涎の、隊員バッジだ!」


「あっうん。わ、このハートはヒメちゃんの手描きかな?」


「うんっ! ヒメがかいて、お兄ちゃんがつくってくれたの!」


「絵はかの天才画家・ヒメ画伯の作品で、俺が数字を足して缶バッジにしたんだ。よそでは手に入らないレアグッズだぞ」


「あっうんありがとう」


「よし、わかってくれたところでやり直しだ。今日は動物園をパトロールします! 行くぞヒメ隊員、千花隊員!」


「はいっ! お兄ちゃん隊長!」


 返事がない千花隊員を見る。

 ヒメもじっと見つめる。

 うっ、とか、あう、とか言ってさんざんためらってから、千花隊員もおずおずと手を挙げた。


「は、はい、お兄ちゃん隊長」


「よし! 出発だ!」


「しゅっぱつだー!」


「うう……一日このノリなのかな……が、がんばれ私。デ、デートじゃないんだしこういう感じだっていいじゃない、うん。これでいいの。だってデートじゃないんだし。三人でお出かけなだけだし」


 こうして、俺たちはパトロールに出た。

 向かうは市営動物園だ!


 はあ、動物園が楽しみでニコニコなヒメがかわいすぎる。

 手も目も離さないように警戒しよう。

 お兄ちゃん隊長がヒメ隊員の安全を守らないとな!



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― 新着の感想 ―
[良い点] ・いい子な幼女ヒメちゃんかわいい。 ・お兄ちゃんも平常運転ですね(・∀・) ・お兄ちゃんの対応の差、分かっているのに来るたび笑ってしまいます [一言] 閲覧履歴からチラチラ見てました、続き…
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