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SATOH:2165 望郷ー中編その2ー 【不思議の国のアリス】【the Grimoire of Alice】

「準備は良いか。これより出港する。国のために全力で任務に当たられよ。」確認のボタンを押して、10時から始まる顔合わせというものに準備をした。

「男臭いって言われるのもあれだから、精油でも付けてゆくか。」

佐藤にアロマテラピーの知識は無かったが、精油の取り扱いテキストが精油類の入っている入れ物に入っていた。マスターの字でテキストの表紙にはこう書かれていた。『Don’t forget your original intention』と。

「お前の元々のインテンションを忘れるな。…インテンションが分からぬが。テンションは心?元々の心か。初心忘れるべからず。漁師としての本分を忘れず、どんな地獄でも生への意志を持っていこう。」

『オレンジ等の柑橘類の精油は、光毒性があるので日光に当たらないことにするように。』

「そうなのか。良い匂いがすると思うんだけどな。ポジティブになれる気がするのに。」室内なので問題ないように思えるが、ド素人の照彦はただテキストに従うしか無かった。

結局、ラベンダーとジャスミンを少しずつ混ぜたものを水で薄めて、精油入れに入っていた霧吹きでジャケットに付けた。今日は珍しくスーツ姿である。

「そろそろか。説明会とか顔合わせというのは。」時計は9時50分。彼は部屋を出た。


「それでは只今より、黒神丸の機体説明、出港目的及び懇親の集いを行います。一同礼。」皆、礼をしていた。

「本艦艇は、現代の最新設備を集結して作られた。漁船型戦艦で有ります。私、操縦士の二谷と申します。副操縦士の毛利、そして久留と三人体制で船を交代で運航して参ります。砲手を誰かやって頂けませんでしょうか。」

「拙者がその役目引き受けましょう。真鍋周五郎にございます。もし打ち損ずれば、我が刀にてその敵を切りつけてやりましょう。一同、宜しければ拍手によって認めて頂きたい。」

拍手多数によって真鍋の砲手就任が認められた。

「それでは、今回の目的を改めてご説明致します。北極海の上に洋館ありて、主、難破する者来たりてはこれの血を吸い、死に至らしめん。至急討伐せよ。との事であります。」

「上等だ。面白くなってきた。久し振りに暴れたくなってな。十五で人を半殺しにして、その後も何人か痛めつけた。やっと殺せるよ。正義の名の下に。」不敵な笑いを浮かべるのは、中原純という男だ。小柄だがキレるという話だ。

「それでは続きまして、所属部隊の発表を行います。3班編制で突撃を行います。一班が、本多、千葉、大山、上沼、宮本。二班、山田、佐々木、柳生、橘、藤井。三班、鈴木、中原、真鍋、佐藤、大島。以上の15名。宜しくお願いします。」

その後、懇親会となった。酒やこの上ないご馳走ばかりが並ぶ。家族旅行に行くこともなかった漁師にとって嬉しいようで辛い。

「俺はな、鈴木孫七郎というんだ。元々は、イベントサークルの理事長やってて、莫大な資金が入るからこの機会に当たることにしたんだ。アーチェリーで鍛えた射撃能力を敵に見せつけてやるよ。」

「やっと俺の居場所が与えられた。嬉しいぜ。一度は暴力的に人形ひとがたを潰したくなるのが男の性だよ。中原純だ。宜しくな。」

「真鍋周五郎だ。俺は修行のために魔の手が上がる北極海にて太刀を振わんと参った次第だ。宜しく頼もう。」

「大島来夢です。宜しくお願いします。キーボーディストやピアニストで活動しています。」

「どうも、漁師、佐藤照彦です。宜しくお願いします。」

「とにかく。今回は出撃せんでも報酬が入ると聞く。第三陣の我々には出番が回ってこないとは思うが、もし回ってきたら生きて帰ろう。」真鍋はそう言った。

「明朝、問題の海域に到着する。一気に押しつぶすぞ。」

『おー!』戦は間もなく始まる。



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