ただしい従魔のしつけかた　※旧題　チート従魔と凡才召喚師　～そのスキル反則じゃない？！～

　VRゲームという仮想現実の世界から、気が付けばそこは『仮想』ではない血生臭い戦場いた。
　仮想世界でしかありえなかった魔法や種族が展開される異なる世界。

　戦場で殺されかけ、なんとか命を長らえた主人公。だが、異世界への転移であっても決して甘くはなく、ハーレムやチーレムが出来るような『ご都合スキル』は何ももたらされてはいなかった。
　むしろ、魔法が普通にあるこの世界では足枷となる『魔法への不適合』という不条理なスキルを所持していた。

　あらゆることが分からぬまま異なる世界へと放り込まれ、戻ることも叶わないと無情な通告を受けるのだが……。だが彼は自身にとって過酷な道となるはずの召喚士として生きる決意を固める。

　現代日本社会で首までぬるま湯に漬かり生きてきたその甘さと、この世界にはない元世界の知識だけが彼唯一の命綱。

　しかし召喚士としての才能は皆無。生まれ持った幸運と、恵まれた人との巡り合わせもあり、たった一人でこの世界に降り立った彼ではあるが、彼の周りには多くの仲間が取り囲んでいた。
　また、そんな彼に従う従魔達は、誰一人。例外なく。世界の理を覆すような強力無比なスキルを開花させていくのだった。

　強力な従魔と仲間の力に過信していたそんな折、一人の大切な仲間を失うことになる。その理不尽に嘆く彼に告げられたのは、それらは全てが仕組まれたことであり、偶然ではなく必然の出来事であったという事実。そして、自らの立場を知らされる。

　異世界転移。不条理なスキル。頼もしすぎる仲間たち。

　それらが全ての繋がったその先にいたのは、よく知る一人の人物だった。
　自らの運命を受け入れ、全てを失った主人公。
　だが、彼は何も失わず全てを得ていたことを知る。

　多くの奇跡で紡がれる物語です。