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無意識の小さな悪戯

カオス理論、バタフライ・エフェクトと言う言葉を知っているだろうか?

とある大陸で蝶々が羽ばたきをすると、海を越えた土地で嵐が起きると言う言い伝えが「その一つ」である。

どこから始まったのか説明がつかない、それを混沌理論と言う様だ。

雲をつかむような話ではあるが、それが検証できるのは「まごう事無き事実」と言う比較検討できる主軸があってからこそだろう。

故に蝶の羽ばたきから起こす嵐を誰かが検証する事は不可能だと言われている……一体、いつ、どこで、どんな蝶がどれだけ羽ばたけば海を超え山を谷を川を平原を超えた嵐に変じるのか、その始まりを人は見逃してしまうのだから。

 彼は、貴族の次男坊として生まれた。

 出来の良い兄とは幾つか年が離れているので比較される事も少なく、少しばかりやんちゃな事をしても元気である事は良い事だとばかりに微笑まれた。

 要するに、彼は甘やかされて育ったわけだ。

 そんな挫折と言う言葉とは無縁な彼は、幼い頃から両親が懇意にしている領地の姉の所へ婿入りをする事が決まっていたので仲良くするに越したことはないとしていた。そう言う意味では、多少は貴族としての教育もされていたのだ。


 事情が変わってきたのは、彼が成長して社交と言うものを知るようになってからだった。

 貴族や平民に関わらず、建前でも果たさなければならぬ「常識」と言うものは存在している……禁じられている事も。

 外の世界で多くの人に会って、彼は「悪戯」を覚えた。否、彼や同類達からしてみれば代々続いた人生の先輩達から受け継いだ「常識」なのであって口を出す方が間違っていると言う認識だ。

 酒、女、博打……もちろん、家に迷惑をかけない程度と言うのが紳士の嗜みと言うものであって、それ以上となると家の名前を貶める事になりかねない。


 彼の方の言い分があるとすれば、彼と婚約者は片手の指で足りる程度には年齢が離れていた。当然、貴族の常識として清い乙女が尊ばれるのである。男は決まった相手以外と経験を積んだ所で何かを言われる事はないし、口の上手い者ならば「君の初めてを貰うのに辛い思いをさせない為の練習」なのだと嘯く事もあるくらいだ。けれど、幾ら相手が婚約者とは言っても結婚式前に手を出せば周囲の目論んでいる日程的に良い事は何一つないだろう。

 婚約するのも結婚するのも自分達で、他の者など入り込む必要などないのに面倒な事だ。などと思った過去は、割と遠い昔の「悪戯」を覚える前までの事である。

 婚約者は、良くも悪くも典型的な「貴族が妻として求める理想像」に相応しい人物だ。物事を知らず、夫の行動に興味を示さず、贈り物と簡単な優しい言葉で不機嫌もすぐに直してしまう。そうではない女性も多いとは言え、あそこまで「夫にとって都合のよい妻」になれる相手はなかなかいないだろう事も人々との付き合いで学んだ。

 何より、婿入り先の家族を相手に印象を下げるのは良い話ではない。

 となれば、彼が取る手段はただ一つ……「婚約者以外の女」にお出まし願う。

 これは良い方法で、婚約者に比べると「世の中は女一つとっても色々存在する」と言う事を学ぶ良い機会でもあった。中には身分差を弁えず愛人を希望する者もいて、それは流石に辟易した……婚約者に不満などないのだから、愛人など必要はないと思っている。

 もっとも、夫婦生活に飽きたら少しばかり「外出」してしまう可能性は否定しないが……それでも、愛人を迎え入れるなんて事は愚行だ。何が面白くて自宅に妻がいるのに愛人などを招き入れなければならないと言うのか……しかも、妻の実家に。


 ところが、話が変わったのはそれからしばらくたってからだった。

 彼の兄が留学先で亡くなったと言う話を聞いたからだ。

 期せずして、彼は突然実家の跡取りに祭り上げられてしまったのだ。

 最初こそ戸惑いと、突然の事で跡取りと相応しい言動を心掛ける様にとされて子供時代を失ったかの様な寂しささえ覚えたものではあるのだが……それでも、昔から根付いた性格を変える事が出来るわけでもなく。また、最初のころに「良い子」の姿を見せていた事もあって忙しさもあり周囲は彼から目を離してしまった。

 その間に、何があったのかは……一言では言えないだろう。


「父上、母上……」


 広間で毎年行われていたのは、婚約者の妹……否、今や婚約者となった娘と合同で行われていた誕生日パーティだ。年を超えているとは言え婚約者同士で同じ日に生まれたという事で、婚約する家同士のつながりを見せると言う意味がある……もちろん、合同の誕生日パーティは一族の血縁者だけで行い。各々の繋がりの為にまたそれぞれでパーティを開くと言う手法を取っている。

 手間がかかると言うのは確かにあるが、それはそれで意味があるらしい。

 少なくとも、こうして彼が嫡子として排除される事を知らせるのに一度ですべて終わらせる事が出来る。その知らせと同時に、元婚約者と言うか婚約者に返り咲いた彼女が意識を失ってしまった事で広間から退出する事は出来たけれど。


「お前の愚行は、判っていた……止めなかった我々も、また愚かだ」

「父上、私は……」

「人の言葉に耳を傾ける事と、人に流される事は違うのだと。あれほど、あれほど幼い頃から言い聞かせてきましたのに……!」

「母上……」


 彼にしてみれば、母親も元婚約者……この場合は元々の婚約者だろうか?

 彼女と母親は、近しいものだと思っていた。

 籠に囲われた哀れな鳥、でも鳥は己がいかに哀れまれているかを全く知らない幸せな鳥。

 自分が息子からどう思われ、夫が何をしているか、そうして世間からどんな評価を受けているかを知らない世間知らず……そう、思っていた。

 彼が彼女の家に参じていた事から、滅多に顔を合わせる事は無かったけれど気が合うのではないだろうかと想像したことは一度くらいはある。それでも、用事もないのに尋ねるわけには理由が足りなかったから会わないのだろうとくらいしか考えておらず忘れたけれど。


「最近、お前宛の請求書の額が増えていました」

「え……?」


 外に出る様になり、しばらくの間は抑えていた。貴族の家に生まれたからにはその程度は使えと周囲に言われて、それでも控えめにしてきたつもりだ。博打だって懐が痛まない程度には抑えて面白みがない奴だと言われる事も普通にあったしかと言って普通に飲める程度の酒量は飲んでいた。

 けれど、兄が亡くなり跡取りとなって。

 周囲からせっつかれる事が多くなったのは確かだ、彼の交友関係は基本的に似たような次男や三男などが多く跡取り息子と関わる事は多くは無かった。跡取りになってから、社交と言う意味での知り合いは増えたが実際の所を言えば表向きであって「友人」と呼べる関係は相変わらず変わらなかった。


「お前が跡取りになる事が決まってから、夜遊びも増えました。交友関係が広がるのですから、仕方がない部分もあるとは思います。

 ですが……女に支払う額、賭博に使う額の増え方は異常だと言われて調べたら……」

「ちょっと待って下さい、一体誰に言われたと言うのですか?」


 告げられた名前に、彼は目をぱちくりと瞬いた。


「……おかしいではありませんか、何故彼女が?」


 感覚的に、長い間の刷り込みもあって妹だと思っていた。実際、本人も「義理ではありますが、お姉様と結婚されたらお兄様ですものね」と言っていたくらいでお互いの呼び名も変わらなければやる事なす事が全く変わらなかったのだから、これで婚約者として意識しろと言われても無理である。

 しかも、婿養子として入る筈だった立場が逆に家の跡取りとなって嫁を迎える立場なのだ。嫁を迎えるのであれば、あの姉の妹なのだから対して違いはないだろうと思っていた。

 何より、女主人と言うのは日がな一日退屈だと口にするだけで何かをする様な事はない。ましてや、領地の事や経済状態などは家令の仕事であって少なくとも主人が目を通すような事ではないと思っていた。


「おかしいのはお前の方です……家に入る者は家に入る前にその家のしきたりを学ぶのが当然。お前とて、その為に婚約者の家に通っていたではありませんか……」


 いかにも頭痛がすると言う風な動作をする母親を見て、彼は目を丸くする。

 そうして、目を丸くした我が子を見て母親はより深く嘆いた。

 余りにも幼い頃から通っていた為に、入る家のしきたりを学ぶと言うよりも遊びに行く程度の感覚しかなかった事もそうだが。当時の婚約者が幼い小さな我儘として彼が学ぶべき学ばなければならない時間を忘れたのを良い事に排除したからだと言うのもある。

 つまり、どちらも悪かったのだ。

 逆に、嫁入りする予定となった妹の方はある程度の教育が済んでいた為に「家のしきたり」を学ぶついでに持てる能力を駆使して家の把握を行った。本来は家を取り仕切る家政婦もあるのだが、仲を深める為にと言われてしまえば幼さの残る顔でおねだりをされて厳しい顔をし続けるのには理由が必要となる。

 何より、新しい婚約者は前向きで明るく、しかも呑み込みが早かった。

 立場が違うのだからと言われてしまえばそれまでだが、兄君は婚約すら決まっていなかったし弟君は婿入り先のご令嬢が足を運んでくる事など一度も無かった。別に、それが間違っているとは言わないが、そうなると頻繁に顔を出し笑顔を向け、仕事に理解を示す嫁入り候補の妹の方が信頼度が上がるのは事実だ。跡取りとなったにも関わらず、父の仕事について「判らない」からと放り出して視察と言いながら逃げ出すような者より遥かに。

 気が付けば、家の収支報告やら何やらまで任せられる程の能力を持っていたので本人も両親も家政婦からの信頼はうなぎ登りに右肩に上がった。

 正直、婚約を解消されて一番泣いたのは書類関係を携わっていた家令や執事達だっただろう。


「その彼女が、金の流れからお前の素行を調べた。それとは別に、彼女が個人で赤ん坊を探し当てたのだ……」

「あ、あの赤子が兄上の子とは限らな……」

「調べはついている、赤子の事があるので一度帰って結婚式を挙げると言う話をしたかったそうだが。その前に……その為、彼女は出産もこれまでの子育ても一人で行わなければならなかった。

 彼女自身は、隣国の貴族の娘ではある。出会いも、馴れ初めもすべて判っている」

「どうして、そんな事を……」

「お前たちの為です」


 彼にしてみれば、疑問は当然だろう。

 隣の家の事だからと気にしてはいなかったが、長年妹として思っていた彼女はもう少しで適齢期と言う時期だ。当然、まだ伝手も多くはないだろうから探させたとしても本人の力ではないだろう。

 急に、嫁入り先が決まった事も心穏やかではいられない理由だったのだとしても理由がさっぱり判らない。


「お前達の為、だそうよ。

 兄の死で決まった婚約だけれど、幼い頃から結婚することを夢見ていた相手を失い。焦燥に駆られた姉の姿を見るのが忍びないと……どんな家に入ろうと出来る事を探す為に沢山努力を重ねていた姿を見て、心が動かされないと思いますか?

 けれど……彼女がとても辛そうな顔で現れた時には、どうしたら良いのかと悩みました。

 お前の素行が悪化を辿り、このままでは貴族の当主とするには問題があると。同時に、あの子を探し当てる事が出来たと言われた時の私の衝撃がお前に理解できますか?」

「母上……」

「子供達は我々が引き取る、お前は最初の望み通り彼女と結婚すると良い……」

「ち、父上?」


 耐えきれなくなったと言わんばかりの母親の嘆きが、室内に響いた。

 両親の後に続く女性……恐らく、亡き兄の女だろう。顔はよく見えないがほっそりとした人物であるのではないかと言う風に視界は捉えている。けれど、その視線は鋭く冷たい。

 彼には見覚えもないし、声もお互い交わす事はなかった筈だと言うのに。

 印象として残る眼差しは、妙に心に突き刺さった。


「ごきげんよう、お兄様」


 つい、先ほどまで婚約者だった。

 長い間、ずっと妹の様に思っていた。

 でも、知らない間に婚約者として家に入り込んでいた。


「お前、お前が……一体何の恨みが……」


 彼にしてみれば、新たな婚約者と言う立場に立った「だけ」の子供の行いで自分は跡取りになると言う立場から蹴り落とされた様に感じていた。彼の目線だけからしてみれば、あながち間違いとも言い切れない所が皮肉と言えば皮肉だろう。


「いやですわ、お兄様……可愛い義妹にして元婚約者に向かって。

 せっかく、お姉様とお義兄様の為に頑張りましたのに。感謝も労いもいただけませんのね?」

「赤ん坊など……」

「仕方がありませんわ、あの方……赤子の母親。この家の門前で赤子を抱いて大声で叫んでいましたのよ?

 『この家の貴族の子が帰ってくるのに私を入れないとは何事か!』と。それはそれは大騒ぎでしたの……お義母様……小母様でよろしいですわよね? 小母様はお一人でしたの。小父様はお仕事でしたけど、お義兄様はどちらにいらした事だか……致し方なく、わたくしがお相手を務めましたの。

 ああ、出過ぎた真似をしたのは承知していますが……何分にも小母様に頼まれてしまって……」


 片手を頬に充てて「困ったものですこと」と言っているが、昔から家に勤めている家令の姿に目を向けると静かにうなずいたので。状況としては間違っていないのだろう。

 彼も、まさか単なる「遊び相手」がそんな事をするなどとは思っていなかったし戯れに手を付けただけだと言う話もした。婚約者が変わる前後までは付き合いがあったが、跡取りとしてならばもう少し上等な女を相手にしろと周囲に勧められてからは足を運んでいなかったのだ。

 あの日までは。


「ご存知かしら?

 あの方、最初は町中でお姉様相手に『泥棒猫!』なんて怒鳴りつけましたのよ? どちらのお家のお嬢様かと驚いてしまいましたわ……お姉様は怯えてばかりでしたけれど」


 さもありなん、あの二人が出会ってしまえばどうした所で貴族の令嬢の方が不利だ。その場は護衛の者達が取り押さえて兵に突き出したものの。聞けば見聞きしたことがある男の子を孕んでいるので責任を取れと言ったそうだ……なかなかに無茶をするものである。

 恐らく、出産間際で気が立っている所に婚約者だと言う女の話を聞いて止める気にもならなくなったのだろう。その直後に、いきなり兵士の詰め所で出産騒ぎに巻き込まれてしまい大変困り果てたと言うのだ。


 では、そんな大事な時に子供の父親だと訴えられていた男はどこで何をしていたのだろう?


「女遊びも殿方の甲斐性とは言いますが……それはご自身を制御して家庭に不和を持ち込む事のない紳士の嗜みだと伺っていましたわ。

 でも、それならば紳士ではない殿方は……どうするべきだと思います?

 例えば……亡き兄君に悪戯を仕掛けた事が原因で何が起きたのか、知る事もない方とか?」


 時間が止まったと言うのは、こう言う事だろうと思った。

 それは、誰も知らない筈の他愛もない小さな悪戯に過ぎなかった。


「な、なにを言って……」


 彼の兄。

 亡くなった人物は、実の所を言えば社交界での評価など無いに等しい。

 それは、残念ながら幸か不幸か幼い頃から度々留学先で過ごしているからであり。正直な話、事情から実家より留学先で過ごしている時間の方が長いからだ。最初のうちは体質が祖国と合わず母親の実家で静養しており、次第にその国で学ぶ事を望んだからである。

 国こそ違うが実家の跡取りとして勉学に励む真面目な好人物、であるのは確かだが育った環境が異なる為か彼に関しては不明な点も多々あったのは確かだ。母親の実家で我が子同然に可愛がられていた事もあって、隣町ほど気やすい距離ではないが数日もあれば行って帰れる程度には近い距離。しかも、徒歩ではないのだから時間は更に短縮される。


「わたくしね、存じてますの。

 兄様と、ずっと文通していましてね。兄様はわたくしと婚姻をすると言う話もありましたから、でもきちんとした形になる前に兄様は留学してしまわれたでしょう? 知らないままに時が過ぎる事に怯えて兄様と小さな繋がりをを作りたいと思いましたの。

 兄様の最後の手紙には、愛しい人に思いを告げる為に装飾品を作らせたそうですわ。あちらの国では思いのたけをお揃いの装飾品に込めるのですって、ご存知でした?」

「装飾品……」


 婚姻の話が、まったくないわけではないだろうとは思っていた。

 兄より先に婚姻をするわけにもいかないので、早く婚姻してくれても良いし当分帰ってこなくても良いとも思っていた。どちらにした所で、己の人生に影響はないだろうと。


「兄様は、お揃いの装飾品を作らせて。会いに行くのだと手紙の最後にはありました。

 でも、兄様が発見された時に手にしていたのは作らせたにしては稚拙なものでした。

 調べれば、手の込んだ素晴らしい装飾品がごみ箱から見つかったと言うではありませんか」


 滅多に実家へ帰る事がない跡取り息子を、両親はとても気に掛けていた。かと言って、次男坊である彼を蔑ろにしていたわけではないし。実家へたまに戻った兄がどんな状態になるのかを見ていたので兄の行いを何か思う事は無く大変そうだと感じる程度だった。

 それでも、一人で行動する範囲が広がった中に兄の場所が増えた事を両親は喜んでいた。流石に、表向きは放蕩息子になってしまうので全面的に喜ぶわけには行かなかったのだけれど。


「ち、違う!」

「何が、違うのです?」

「俺のせいじゃない! 俺が殺したんじゃない!」

「嫌ですわ、別に貴方が殺したなどと言っていませんのに。

 ただ……その時の兄様はどう思ったのでしょう? わたくしに手紙を書き終え、いざ愛しい相手に思いのたけを伝えようとした矢先に必要な品物が見つからない。どこを探しても判らない。

 恐らく、兄様は慌てて町へ購入しに行かれたのではないでしょうか?」


 その末に、命を落とした。


「ねえ、お義兄様?

 わたくし、色々と成長させていただきました。ですので、お姉様と一緒になる事を許すのはわたくしの慈悲ですのよ?」


 顔を、見た。

 初めて見る様な気がした。

 その瞳の中に写る男は、どこかで見たことがある様な気がして。初めて見る様な気がして。

 絶望、と言う表題が相応しいのだろう。


 自分の顔だった。

全面的状況説明です、一人の貴族の令息の半生弱と言う所でしょうか。

「彼」は自由奔放と言えば聞こえはよく、無関心に近いと言うと人聞きの悪い程度に育てられていたので流される状況に抗うと言う気概も無いお調子者です。浮気して孕ませる男は何割かはそうでしょう。

姉である「彼女」と婚約をしていた頃はこれでも純粋な少年でしたが、世間の荒波にもまれて慣れない煙草や酒やギャンブルで「よくある転落」街道に乗ったわけです。


ちなみに、幼い頃から留学と言う名目で不在しまくりだった兄君はアレルギー性鼻炎持ちで祖国は杉が掃いて捨てるほど植わっている基幹産業の一つだったので花粉症に長年苦しめられてきました。辛い人の中には呼吸困難になったり鼻から液体がずるずる出るので最悪バケツを抱え込んだのは作者の父です。喘息の遺伝子を持っているのも理由の一つだったそうです。

母君の実家は松の木が主流だったのと生まれたのが母君の実家だった事もあってスギ花粉に耐性が無かったと言う事になります。

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