第5話。心霊体験④ムンクの叫び
ぱんぱんぱん、ぱん。
あー。
ぱんぱんぱん、ぱん。
やーん。
ぱんぱんぱん、ぱん、ぱぱんぱぱん♪
うっ!
どっぴゅーん。(笑)
1回戦(笑)が終わったあと2人は灯りを消してベッドの上で仰向けになって話していた。
『ねぇ、今度、うちの親に会ってくれるかな?』
『え?親に?』
僕は動揺していた。そうだ、結婚は相手の両親とも関わらなくちゃいけないんだった、面倒だなぁと思った。緊張するしね。
そんな厄介な副産物があることをすっかり忘れてた。
『うん、うちら、もう付き合って1年でしょ?
そろそろ親にあなたを紹介したいなって思って。』
『そっか…。でも、大丈夫なのかな?僕、無職だし。(笑)』
『まぁ、お父さんにぶっ飛ばされるだろうねぇ。大丈夫だよ、一発ぐらいぶん殴られたって死にはしないよ(笑)』
『そ、そんなぁ。』
『それより1つ、気になることがあるんよ?』
『なにかな?』
『最近、来ないんよ。』
『え?なにが?』
『アレに決まってるでしょ、アレ!』
『アレってまさか、アレか。』
僕は緊張していた。アレだった場合、どうしよう、僕は責任とれるんだろうか。心臓がバクバクしてきた。
(終わった)と内心思った。
『ほら、おなか触ってみて。ここにあなたの子がいるのよ、はぁい、お父さんですよぉ。』
(げー。)
部屋が薄暗いのが救いだった。
僕のその時の顔はきっとムンクの叫びのような顔をしていたに違いない。(笑)